星空あやめ 5

通学電車編

朝の駅のホームで、電車が来るのを待っている

電車が駅を出てすぐに背後に人の気配が忍び寄る

痴漢の手が、あやめの反応を窺うようにスカートの後ろを撫でまわす

「やだ、今日もなの……」

ここのところ、あやめはほぼ毎日痴漢に遭っていた

痴漢の手が制服の胸を揉みしだく

「やめてください。大きな声をだしますよ」

あやめは精一杯の勇気を振り絞り注意したが、声が小さすぎて電車の騒音にかき消されてしまう

ついに痴漢の手がショーツの中に……

「そこはダメです。本当にやめてください」

「他の乗客にバレてもいいのかな」

「そんな……ひどい……」

あやめはあきらめの気持ちになる

乗客が痴漢の腕を掴んで捕まえた

「いてて、なにしやがる。はなせ、ハゲ」

「痴漢ヤロウめ! 次の駅で警察に突き出してやる」

「ヒィィ!!」

あやめはホッとした

「大丈夫? 怪我はない?」

「はい。おかげさまで。さっきの痴漢は?」

「かわりに警察に突き出しておいたよ」

「ありがとうございます。危ないところをたすけてもらって」

「大人として当然のことをしたまでだよ。星空あやめちゃんだよね」

「どうして、わたしの名前を?」

「この辺で知らないヤツはいないよ。有名進学高校のマドンナ。評判だよ」

「そんなこと」

「電車にはさっきみたいな変質者がいるからね。とくに、あやめちゃんみたいな美少女は狙われやすい。もしよかったら、おじさんが毎朝ボディーガードをしてあげる」

「ボディーガード?」

「安心して電車で通えるだろ」

「でも、迷惑になるといけないし」

「どうせ同じ電車だし、これもなにかの縁だからね」

「そうですね……おねがいしようかな」

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