通学電車編

朝の駅のホームで、電車が来るのを待っている

電車が駅を出てすぐに背後に人の気配が忍び寄る
痴漢の手が、あやめの反応を窺うようにスカートの後ろを撫でまわす
「やだ、今日もなの……」
ここのところ、あやめはほぼ毎日痴漢に遭っていた

痴漢の手が制服の胸を揉みしだく
「やめてください。大きな声をだしますよ」
あやめは精一杯の勇気を振り絞り注意したが、声が小さすぎて電車の騒音にかき消されてしまう

ついに痴漢の手がショーツの中に……
「そこはダメです。本当にやめてください」
「他の乗客にバレてもいいのかな」
「そんな……ひどい……」
あやめはあきらめの気持ちになる

乗客が痴漢の腕を掴んで捕まえた
「いてて、なにしやがる。はなせ、ハゲ」
「痴漢ヤロウめ! 次の駅で警察に突き出してやる」
「ヒィィ!!」
あやめはホッとした

「大丈夫? 怪我はない?」
「はい。おかげさまで。さっきの痴漢は?」
「かわりに警察に突き出しておいたよ」
「ありがとうございます。危ないところをたすけてもらって」
「大人として当然のことをしたまでだよ。星空あやめちゃんだよね」
「どうして、わたしの名前を?」
「この辺で知らないヤツはいないよ。有名進学高校のマドンナ。評判だよ」
「そんなこと」
「電車にはさっきみたいな変質者がいるからね。とくに、あやめちゃんみたいな美少女は狙われやすい。もしよかったら、おじさんが毎朝ボディーガードをしてあげる」
「ボディーガード?」
「安心して電車で通えるだろ」
「でも、迷惑になるといけないし」
「どうせ同じ電車だし、これもなにかの縁だからね」
「そうですね……おねがいしようかな」

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