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14.おい、みんなを笑わせるつもりなら昼休憩にしろよ

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作者:ブルー

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 経過報告14 ―― 7月15日

 数学の時間にアメンボが複雑な数式を黒板に書きはじめた。俺はまたかとうんざりしてた。アメンボはこういうことをするから嫌われる。普通の高校生が解けないような超難問を出して、わかるやつはいないかって魚の群れを見た子供のように教室を見回す。そういうときに限ってチョークまでカツカツと嫌味な音をたてている。「ただ解けばいいわけじゃないぞ。数学は芸術だからな。エレガントに解かなくては意味がない」
 アメンボは授業中よく「エレガント」とか「エクセレント」とかいう単語を使う。気分がいいときほどそれらの単語を口にする回数が増える。いわく数学に必要なのは努力じゃなくてセンスらしい。それなら俺は絶対むいてない。だいたいケーリー・ハミルトンの定理(?)や2直線の平行条件なんかが女の子と仲良くなるのに必要だろうか? 俺が思うにカラオケの曲コードを丸暗記するのと同じぐらい意味がない。それよりはやりの音楽を聞きまくったり、デートスポットについて情報を集めるほうが100倍マシだと思う。

「どうした、誰も解けないのか」と、弾んだ声で見回していた。
「はい」と後ろのほうから男の声がした。振り向くと詩織がまっすぐに手を上げていた。
 俺は、うわっ! って席からずっこけそうになった。アメンボが「おい、みんなを笑わせるつもりなら昼休憩にしろよ」と、分厚いメガネの奥の細い目を曲げていた。クラスの何人かも軽く笑っていた。俺一人だけだ、机で頭を抱えていたのは。まさか本気をだすつもりじゃないだろうなと恐れていた。
 詩織はクラスメイトの好奇に満ちた視線を振り払うようにまっすぐ黒板前まで歩いて、大好きなヴィヴァルディの『四季』の楽譜でも模写するみたいに不可解な記号の羅列をすらすら書きはじめた。数式は何行にもわたっていた。そのあいだずっと、小気味良いチョークの音がしてた。はじめは面白いことが起こるぞと期待して見守っていたみんなも途中からざわざわとどよめきだした。それが正解かどうかは書かれている数式とアメンボの顔を見比べれば誰でもわかった。アメンボはサウナで脳溢血を起こしたみたいに顔が引きつっていた。
「できました」と静かな声で言って、詩織はチョークを置いて来たときと同じように背すじをピンとして自分の席に戻った。みんな砂漠の真ん中で蜃気楼でも見てるみたいな様子で、机と机のあいだを歩く詩織の横顔をあんぐりと眺めていた。詩織は一回も振り返らなかった。その颯爽とした姿は100%俺なんだけど、みんなのよく知っている詩織の風格そのものだった。俺はなにやってんだよとあきれてた。自分であれほど疑われるようなことはするなって言っておいたくせに、俺がそんな問題解けるわけないだろ。

 あとで虹野さんや美樹原さんや朝日奈さんが俺のところに集まって、そのことで盛り上がっていた。
 美樹原さんが「すごいね」って、いの一番に言っていた。
「あんな難しい問題解けるのって詩織ちゃんか結奈ちゃんぐらいだって思ってたのに」
 紐緒さんは自分の席に座ってノートパソコンのキーボードを弾いていた。ときどき片目にかかる前髪を邪魔そうに横によけていた。すべての事情を知っている紐緒さんにすればしごく当然の出来事だっただろう。もしかすると面白い行動データが取れたと思って、その詳細を記録してたのかもしれない。どっちにしても紐緒さんは解けるからといってわざわざ前に出ていって問題を解いたりしない。問題のレベル以前に幼稚だ。幼稚すぎる。むしろ逆にもっと難しい問題をだして、どうしたの、解いてごらんなさいってアメンボに言い出しかねない。たとえば人工衛星の軌道計算とか。
「このあいだ急に雨が降り出したときがあったでしょ? どうしようって学校の玄関で困ってたらこれを使ってって傘を差し出してくれたの。それも女の子が使うようなピンクの傘の。そんなのはじめてだったし驚いちゃって逃げちゃったけど、彼ね、とても優しい顔をしてくれてたの。まるでずっと昔から私の親友みたいな」
 俺には一言も声をかけてくれなかったくせに、チェッ、って思った。俺になっても親友の美樹原さんのことが気がかりなのだろう、きっと。ときどき心配そうにこっちを見てることがある。
「私も練習の準備してるとき、ボールの入ったカゴをグラウンドまで運ぶのを手伝ってくれたの」と虹野さんが続いてた。
「ありがとうって言おうとしたら、たいへんだろうけどマネージャーの仕事頑張ってって、反対に私が応援されちゃった」
 俺はうぐうって唸りそうになってた。虹野さんの澄んだ瞳まできらきらと輝いていた。
「私もさー、最近ちょっと気になってたんだよねえ。なんかさー、カッコイイかもかも。おしゃれにも気をつかってるみたいだし」
 そう言ったのは朝日奈さんだ。暑そうに下敷きを使って扇いでいた。辛口の朝日奈さんが男子を褒めるってのはめったにない。それだけ女子のあいだで俺(詩織)の評判がうなぎのぼりってことだ。俺としては複雑な気持ちだった。だってそれって詩織のほうが男として上ってことだろ。どうして詩織は男になっても周囲の注目とか人気を集めるんだって悔しく思ってた。つーか、外見は俺のまんまなのに最近カッコイイってどういう意味だそれ??
「いまの彼なら私の親衛隊にくわえてあげてもいいわね」って鏡さんまで認めてた。
 詩織のほうを見ると周りにクラスの女子が数人集まっていた。楽しげに談笑していた。俺だとありえない風景だ。せいぜい好雄や気のおける男子が集まって女子についての卑猥な話で盛り上がっているぐらいだろう。鏡さんのチチでけーっとか。

 問題があった。ハゲに生徒指導室に呼び出された。あれがあれだけに行きたくなんかなかったけど、呼び出し理由が期末試験の成績についてだったので、あー、とうとうきたかという感じで無視するわけにもいかなかった。
 生徒指導室はクーラーがガンガンに効いて冷蔵庫みたいに冷えていた。到着するなり、ハゲは窓にカーテンをしてた。ニンマリとこっちを見て、やっばいなーと寒気がした。机の上にはやさぐれたミミズみたいな字で『藤崎詩織』って書かれた答案用紙が置かれていた。一枚じゃなくて何枚も。点数は見なくてもわかった。全部足しても100点に届かない。
「入学してずっと優等生だったお前がこんな点数を取るなんて先生びっくりだぞ」
 いかにもがっかりしたみたいな残念な顔をしてた。俺は教師のこういうわざとらしい顔つきが一番息をふうーって吐きたくなる。まー、それはそれとして、詩織にも期末に向けて勉強しろしろってうるさく言われてた。でも、夜になると鏡の前でマンコいじりしまくってたからまったく手につかなかった。ある意味詩織のせいだと言えなくもない。
「まえも聞いたと思うが、最近勉強に身が入ってないみたいだな。やはり悩みでもあるのか」
「あると言えばあるような、ないと言えばないよーな」
「わかってるのか。夏休みは補習だぞ」
「えええー。それはやだ」
「先生も残念なんだぞ。こんな成績じゃ補習しないわけにはいかんだろ」
「そこをなんとか」
 夏休みが補習で潰れるなんて最悪だ。いろんなところに遊びに行く計画をねってたのに。しかもなにがまずいってテストの点数が成績順に掲示板に発表される。(つくづく思うけど、それってプライバシーの侵害だよなあ)そんなことになれば学校中の話題になるだろう。毎回成績上位の詩織が最下位に沈んだって。詩織の雷が直撃することになる。それだけはなんとしても避けたかった。
 そしたらハゲのやつ隣に近づいてきて、右手を肩のところに置いて左手でスカートの上から詩織の股間を触りはじめた。まるでマンコの土手のカーブをなぞるような手つきで。
「なにをするんですか」って俺は軽くにらんだ。前科が前科だけに突き飛ばして逃げようかとも思ってた。
「もう一回どうだ。おとなしくしててみろ、悪いようにしないぞ」
「それってどういう意味ですか」
「わかるだろ。すこしのあいだ言うことをきいたら、先生が藤崎の成績をどうにかしてやろう」
 それってつまりテストの点を水増ししてくれるってことだ。やっぱりそうきたかって思った。すでにハゲの手はスカートをめくって、パンティーの上からアソコのスジをスリスリしてた。俺もうすうすわかっていたのでおとなしくしていた。というか、そうしないと夏休みはおじゃんになるし、詩織は落ちこぼれのレッテルを貼られる。詩織だってそんなの嫌だろう、自分の評価がすこぶる落ちるのとか。
「ほんとのほんとに約束してくれますか」
「先生のことが信じられないのか。もちろんだ。そのかわり先生を気持ち良くしてくれないとだめだぞ。頭のいい藤崎ならわかるだろ。これは交換条件だからな」
 今度は制服の胸を揉みだした。ぐいぐいと片手で持ち上げるように。そんでヌウッと顔が近づいてきてハゲにキスされた。おええ!! って思った。でも、これも夢の夏休みをエンジョイするためだって心の底で我慢した。
 ビチャビチャのハゲの舌が入ってきてさらに泣きそうな気持ちになった。胸だけじゃなくて詩織の制服のサイズを測るように所かまわず手を動かしていた。そのせいで制服のスカーフリボンがしわくちゃになった。
「ハアハア……。いいぞ、藤崎。そのままおとなしくしてろ」
「うう、うあー」
「いかにも不潔って顔だな。先生にキスをされるのはそんなに嫌か」
「ハアハア、んあくっ」
「これが藤崎の唇。うまいぞ。先生がこれまでこうしてきた女子生徒の中で一番だ」
「むぅ、ううぅー、くぅー」
「興奮するか。こうやって男に喉の奥までねぶられたことないだろう」
「あっくぅ、はあ、はあ、はあ……苦しい」
 そのまま便所に駆け込みたいぐらい気持ち悪かった。心の中でやめてくれー、やめてくれーって叫んでた。ハゲのやろう、詩織にキスできるってもんで大喜びで顔中舐めやがった。首どころか鼻の穴までベロを入れて。
 でも、いつもみたくだんだんと頭の奥が痺れるみたいになっていた。ハアハア肩で息をして、制服の上からだけど探り当てられた乳首の場所を思いっきり引っ張られたのも弱った。最悪なのに頭がぼーっとして、何も考えられなくなる。詩織マンコがぐっしょりに濡れるのがわかった。心臓はバクバクで、どうして嫌いなハゲ相手に詩織の体をいじられて感じてるんだろって混乱してた。つまりまたあれだ。俺の意思を超越して詩織本来の女の部分が目覚めてったわけだ。つーか、男なら誰でも感じまくる詩織の体がやらしすぎる。
 で、白のパンティーを膝の高さまで下ろされて、制服の上着を首のところまでめくられて、立ったままハゲに乳首を吸われながら股間をグチョグチョにいじられてしまった。指をオマンコの奥まで入れられて、潮を吹くみたいにほじくられる。悔しいけどすげー気持ち良かった、立ってるのも困難になるぐらい。俺はハゲの命令でスカートをたくしあげたまま、腰を小さくくねらせて首を右に倒したり左に倒したりして感じていた。「ああん、やめてくれー。詩織のマンコが濡れるよー」って自然とエッチな声が出ていた。顔は真っ赤になって、額には汗がにじんでた。そこが生徒指導室だってのも頭からすっかり消えていた。
「どうだ。藤崎の処女マンコ、ビチョビチョだぞ」
「うあああ。こんなの反則だー。奥まで入れるな、たのむ指を」
「ふひひ。すごい締め付けだ。指が食いちぎられそうだ。見てみろ、先生の指、藤崎のいやらしい汁でドロドロだぞ」
 マジでハゲの指はネトネトになっていた。こんなに濡れてたのかと自分でも驚いた。膝はスクワットを1000回したみたいにガクガクで、もうハゲに腰を支えられてやっとだった。乳首はハゲの唾液がピアスみたいにキラリと光って濡れていた。
「先生が藤崎の初めての相手になってやろう」
 ズボンを脱いで、チンコを詩織の濡れたマンコに当ててきやがった。スカートはだらりと斜めに垂れ下がって、立ったまま片足に腕を引っかけ、俺を左足だけのつま先立ちにさせて入れようとした。AVとかでたまにある片足立ちファックだ。
 さすがにマズイと思った。っていうか、ハゲみたいなドスケベ変態教師に詩織の処女をやらしてたまるかって強く思った。性格はきついけど、いちおう詩織は学校のアイドルだ。赤いキューティクルな髪を揺らしてあえて怯えた表情で「先生、それだけは許して」ってお願いした、中に入らないよう両手でチンコを掴んで。下手に抵抗したら前みたいに襲われそうな気がしてたし、ここは本物の詩織っぽく従順なふりをして油断させるのが一番だと考えた。
 そしたらハゲのやつまんまと引っかかりやがった。女子に甘いっていうか詩織に弱い。「しかたないな。今日は見逃してやろう。いつか先生の女になるんだぞ」って、スケベな顔でえらそうに言いやがった。あーあ、どうして教師ってこうエロイやつらばっかりなんだろ。

 そんでハゲのリクエストで体操服に着替えて奉仕することになった。(なぜかハゲは女子の体操服を持っていた。俺のときみたいに服装検査だとかいちゃもんをつけて没収してたのかなあ。もちろんハゲの目の前で裸になって着替えた)
 仰向けになったハゲの上に馬乗りにまたがって「先生、詩織のブルマでいっぱい出して」って言いながらブルマの股間で思いっきりチンコを擦ってやった。両手は膝に置いて、困った顔で腰を最高にくねらせて。
「なんていやらしい姿なんだ、ハアハア。全校生徒あこがれの藤崎が、体操服姿でこんなことをして。イイぞ、エロイぞ、藤崎。先生が藤崎のブルマをドロドロに汚してやるからもっと腰を動かせ」
 ハゲのやつ体操シャツをめくって、下から両手で詩織の胸を持ち上げてモミモミ揉んでた。ときどき乳首を摘んで、ねじるようにめちゃくちゃ引っ張って。俺まで思わず「んんー」って顔をしかめて唇を噛んじゃっただろ。胸が先っちょからビリビリ痺れてた。しかもブルマの股間は硬くなったハゲのチンコがズリズリすれてて、大きな黒いシミが出来て、もしもブルマを横にずらして入れられたらどうしようって心配になってた。
(あー、やべー。ブルマごしに詩織マンコ擦れて気持ちいいよー)って思ってた。なんかこっちまでへんな気分になりそうだった。っていうか、なってたけど。
「藤崎、先生に入れて欲しくなったらいつでも言えよ。すぐに大人にしてやるからな」
「や、やだ、先生……詩織のバージンは将来の恋人に捧げるつもり……んんっ」
 適当なことを思わず言っちゃった、詩織っぽくぶりっ子に。あんまりブルママンコにチンコを擦り続けてたせいだ。
「ふうふう。そうか、藤崎は将来の恋人が大切か。真面目な藤崎らしいな。でも、そのまえに先生にマンコを使わせてくれる約束だろ」
 なんか勝手に約束させられたことになってた。床に押し倒されて、左右の足首を掴んで足を広げさせられて、上からブルマの股間をズリズリ摩擦された。
「うううう、詩織の頭がとろけるーー!!」
 そっからすごかった。まるでチンコの摩擦で火を起こすみたいにブルマの上からマンコを刺激されまくった。そのまま犯されるんじゃないかと思って暴れたけどダメだった。ハゲの目が完全に犯罪者の目つきになってた。マジでヤバくて「やめてくれー、やめてくれー」って、逆にそのスリルがたまんなかった。詩織なのに興奮丸出しのへんな顔をしてたと思う。ブチューって口にベロをねじこまれて、意識が朦朧となってた。もうこのままハメられてもいいやって頭のどっかで思うぐらいに。
 そのうちハゲが「ウッ!」ってうなって、ブルマのところに射精した。ビチャビチャって熱い精液がお腹のところまで飛び散っていた。俺はしばらく床に大の字になって呆然としていた。
「藤崎、またこいよ」って、ハゲに何枚ものティッシュを使って体を拭かれながらそう言われた。

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