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6.プールで撮影

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作者:ブルー

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 二日目の撮影はホテルのメインプールを貸切で行われていた。晴れ渡った青空ではまぶしい太陽が輝いている。ジャングルの泉を模した広々としたプールの周りには大きな葉を広げた南国特有の樹木がずらりと生え、白いデッキチェアーがところ狭しと並んでいた。精密なシャッター音が潮風とともにランディングしている。
 ベージュ色のタイルが敷き詰められたプールサイドを、スクール水着を着た詩織が両手で掲げたスポーツタオルを風にはためかせながらゆっくりと歩いていた。スポーツタオルはどこにでも売っている物だが、着用しているスクール水着は普通のスクール水着ではない。一見するとデザインはきらめき高校のとまったく同じだがサイズがひと回り小さく、生地も極薄の特注品となっている。そのせいでたおやかな胸の膨らみやほどよい筋肉筋肉の隆起や腰のくびれはおろか、ポッチリとした乳首の浮き上がりや秘部の陰影までがエンボス加工されたみたいに浮き彫りになっていた。
 その大胆なスクール水着姿を可憐に着こなし、真夏の太陽にも負けないきらめくアイドルスマイルを浮かべ、要求されるポーズをテキパキとこなしていた。そこに昨夜サイパンの街で二人組みの外国人にレイプされかかったショックは見えない。ハツラツとした輝きを増していた。
 プールサイドに立った詩織が片手を腰に当てたカット。蔑むような視線をカメラに注いでいる。
 風になびく赤い髪をかきあげた仕草の写真。くすくすと清純に微笑んでいる。
 デッキチェアーに寝そべって、キュートなサングラスをしている写真をパチリ。左足を伸ばして右の膝だけ立てていた。
 フルーツの入ったトロピカルドリンクをストローを使って飲む様子も撮影した。デッキチェアーをまたいで座って、ソフトクリームを舐めている。
 どれもアイドルの写真集によくあるカットばかりだ。普段着ているスクール水着ということもあり、ナチュラルな感じで写っていた。
「まぶしいね~。すごくキュートだよ。自然な感じがしてて親近感が伝わってくる」
 日よけの麦わら帽子をかぶった青山がカメラを動かしながら話しかけた。立ち上がった詩織に両手を膝について胸元を強調したポーズを要求する。
「ありがとうございます」
 タイトなスクール水着に引き縛られ、胸の谷間が窮屈になって見えている。
「昨日はぐっすり眠れた?」
「……はい、おかげさまで」
 含みのある質問に詩織はキューティクルな髪先を指で弄りながら受け答えた。頬が少し赤くなった。夜遅くまで二人きりで過ごしていたのだ。お尻の奥にはついさっきまでアナルプラグを装着していた残り火が燻っている。
「初めての海外だとなかなか眠れない子もいるからね。さすが噂の逸材だ。大物はちがうねえ」
「そういうのじゃ……からかわないでください」
「夏休みはもう海に行ったのかな。宿題は終わりそう?」
「宿題は、残りは数学の課題ぐらいかな」
「早いな。すぐに済ませるタイプなんだ」
「残ってると落ち着かないし。海は行ってないけど、近くの市営プールになら友達と行きました。あとは仕事が忙しくて」
「彼氏と?」
「ち、ちがいます。親友のメグとです」
「へぇ~。メグちゃんって友達がいるんだ。その子も美人?」
「はい。すごく可愛くて、とってもいい子なんです。ただちょっと人見知りで」
「それだと二人で撮影とかは難しいかな。美人だし、友達といるとナンパされたんじゃない。あ、プライベートは変装ぐらいしてるか」
 詩織は両手を後ろにして立って、ややうつむき加減で軽く足を交差させた。肩にかかった赤い髪が揺れている。「プールだったから」と小さい声で返事をした。
「じゃ、ナンパされたでしょ」
「ご想像にお任せします」
「まさかナンパされた相手とウォータースライダーでもすべったのかな。で、そのときはどんな水着着てたのかな」
「それもご想像にお任せします」
「ハハハ。いいじゃないの、水着の種類ぐらいさ。こっそり教えてよ」
「もう……普通のビキニタイプです」
「そうか。スタイルのいい子はビキニが一番だよね。見てみたかったな、詩織ちゃんが友達とプールではしゃいでるところ」
 世間話をしつつもシャッターを押す青山の指が止まることはない。ポーズを取らせた詩織の周囲を忙しく動き回ってカメラを構えてレンズを向けていた。その周りではすでに汗だくになったスタッフらがレフ板を持ち上げて取り囲んでいる。
「シャワー浴びようか。首に当てる感じで。そうそう、こっち向いて~。目線もこっちで~」
 プールサイドでシャワーを浴びる。大量の水滴がスクール水着のボディラインをすべるように流れ落ちる。水を吸ってスクール水着がじわりと透けはじめた。可憐な乳首に胸のふくらみ、健康的に浮いた肋骨のライン、引き締まった腹部と、まるで赤外線撮影されているようにスケスケになる。水を吸収すると半透明になる特殊素材で作られたスクール水着だったのだ。抜群のプロポーションの肉のつき方まで如実になる。赤い陰毛のかげりの下方では、ピッタリと頑なに閉じ合わさった割れ目も透けていた。透過率が50%に抑えられているだけで、光の加減しだいではほとんど全裸に近い。
「おおお~」
 スタッフたちから静かなどよめきが起こった。撮影に集中して気づいていない詩織には何のことかわからない。キョトンとした様子で不思議そうに小首をかしげていた。
(スゲー、スケスケだよ)
(今回は仕掛けが凝ってるな、先生)
(胸でけー。アンダーヘアどころか、可愛いマンコがバッチリだぜ)
(詩織ちゃん気づいてないのか、あんな無邪気な顔をして。すごい罪作りな子だよ)
 声には出さないが、それぞれが心中で穏やかでない。突き刺すように詩織の体の隅々を眺めていた。口端で笑っているのは青山だけだ。
「いいよ~。すごく輝いてる。スクール水着の女王だね。世界で一番スクール水着が似合う女の子だよ。片手を後ろで逆の肘を持って、得意のしおりんスマイルしてみようか。そうそう。ちょっと首を斜めにしてね。いいねー、可愛いねー、バッチリだよ」
 青山は褒めちぎってスケスケ状態の詩織の詩織の全身を縦横無尽に撮影する。カシャカシャとシャッターを押した。濡れたスクール水着が角度によって光を反射する。詩織はまっすぐに青山の構えるカメラを見つめていた。唇を尖らせて、ちょっと拗ねた表情を作る。見ようによっては、お風呂上りに裸を覗かれ、拗ねているみたいな表情だ。
「拗ねた顔もグッとくるね。見てて胸がキュンってするよ。じゃ、そこに寝転がってくれるかな。それでガバーっと脚を開いてね」
「こうですか」
「うん、そうそう。素直だね。もっと大胆に開こうか」
「はい」
 仰向けになった詩織は両足をパッカリと開いた。
 青山もプールサイドに腹ばいになって地面スレスレの高さで、股間から顔の方向に向けてピントを絞る。曲げた両腕を胸の辺りに置いた詩織は、不安そうに恥ずかしがった顔を見せていた。そのままパシャリと赤い恥毛に彩られた土手の盛り上がりと閉じ合わさった花びらをドアップに撮影する。まさか秘密の場所の内側まで撮影されていると知らない詩織は、同時平行作業のイメージビデオのカメラに向って無邪気に手を振っていた。撮影しているのはもちろん安岡だ。寝転がったまま曲げた右足の膝を胸のところで抱えたポーズをする。清純にはにかむ。秘密の媚肉がプニッと歪んだ。

 ヤシの木をバックにひと通り写真を撮ってプールに飛び込む。詩織一人だけのプールを平泳ぎやクロールや背泳ぎで自由に泳ぎ回る。バシャバシャとバタ足をする。静かだったプールが波紋を打ち、魚の鱗のように太陽の光を反射している。
 大きなシャチの浮き袋をプールの真ん中に浮かべて、詩織がそれに跨って乗った。濡れた赤い髪が背中に貼りつき、プールの水を吸ったスクール水着はさらに透明の度合いが強くなる。詩織は青山の指示でシャチの背中で無邪気に腰を振りはじめた。バシャバシャと水しぶきをあげた。カメラに向って手を振る。前後に体重移動を行うたびに詩織の股間はシャチの背びれ当たって擦れていた。
(やだ、背びれが当たって変な気分になっちゃう)
 スクール水着のアソコがジュンと濡れる。ちょうど股間の当たる部分に背びれの突起がいくつもあるのだ。それが秘唇やクリトリスに擦れて、どうしても意識してしまう。詩織は撮影を忘れて、大きなシャチの浮き袋の背中にしなりをつけて股間を押し付けた。その姿をプールサイドに残っている青山やイメージビデオ用のカメラが撮影している。
 最後にプールサイドに寝転がった詩織が左手でスクール水着の股布部分を横によじってマンチラして、照れ隠しのアイドルスマイルでカメラに向って明るくピースサインをした。右目でウィンクする。

「オーケー! とびきりのサービスカットだ。しおりんスマイルいただき!」 
 構えていたカメラを下ろす。午前の撮影が終わったのだ。スタッフから「おつかれさまー」の声が飛んだ。
「いいカットがたくさん撮れた。昨日より顔つきに艶が出てきたよね。撮っててドキドキしたよ」 
 立ち上がった詩織に駆け寄り、青山はガウンをかける。バスタオルを使って詩織の体を拭いた。
「あの、自分でします」 
 赤い髪までプールの水に濡らした詩織は少し疲れた顔をしていた。青山の手よりも最後に撮影したカットのほうが気になっていたのだ。
「気にしない気にしない。可愛い女の子の体を拭けるのがこの仕事の楽しみでもあるんだからさ。そうだ、午後の構図とかアーティスティックな面について確認しとこうか」
「え……また打ち合わせですか」
「そうだよ。午後の撮影が最後だろ。細部までつめとかないと。表紙は昨日撮った制服姿でスカートをたくしあげているのを考えてるけど、広告用にもっとインパクトのある奴を撮らないとね。知ってると思うけど写真集やイメージビデオはジャケットの印象でかなり売り上げが変わってくるだろ」
「そうですね。でも」
 詩織は視線を斜めに落とした。青山の言う打ち合わせが普通の打ち合わせでないことを知っているのだ。
「詩織ちゃんだってお金を払って買ってくれるファンの人達に喜んで欲しいでしょ? 最後までベストを尽くさないと。ここで手を抜いたらせっかくの作品が台無しになる」 
 青山はしぶる詩織の胸を押し揉んで説得にかかる。濡れたスクール水着のポッチリを指で挟むとクネクネと感度を調節するように左右に動かした。それだけで詩織の頭はボーッとする。
 詩織はゴクリと唾を飲み込んだ。「わかりました……ファンのためなら」と目元を赤らめてうなずいた。

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