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9.プレゼント

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作者:ブルー

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 おじさんが私とひびきにプレゼントをくれたの。
 おじさんがくれるって時点で予想はしてたけど。

「へえー、なにかしら」
「開けてみなよ」
「うふふっ、楽しみ~」
 リボンで綺麗にラッピングされた袋を開けると、レースの飾りがついたシースルーの黒い下着セットがあったの。どれぐらいスケスケかっていうと、指でつまんで持つと向こう側が見えるぐらいスケスケなの。
 ひびきも同じようなランジェリーだったわ。色は赤よ。
 ひびき、真顔で絶句してた。
「うわ~。今度はスケスケね」
「気に入ってもらえたかな」
「気に入る気に入らない以前に、スケスケすぎじゃない?」
「それがいいんだよ」
「いやいやいや。あいかわらず独特のセンスにはついていけないわね」
「人気の3年生の美人コンビがスケスケのセクシーランジェリーを身につけてると思ったら興奮しない?」
「身につける側としては、心細いことこのうえないわね」
「で、さっそくだけど明日は二人ともこいつを身につけて登校してもらえるかな」
「はい?」
「だから、このスケスケランジェリーで学校に行くんだよ」
「むっ、むりよ! 誰かに見られたらどうするの!?」
「そのスリルがたまらないんだよ」
「スリルって履くのはおじさんじゃないじゃない」
 もう無茶苦茶よ。おじさんの提案にはいつも驚かされっぱなしだわ。

「どうする、ひびき?」
 ひびきを見ると、まだ固まってたの。
「どうするって……」
 ひびき、そのまま黙っちゃった。
 最近のひびきはほとんどおじさんに逆らえないの。たぶんおじさんに何度もイカされたり恥ずかしい姿を見られたせいだろうけど。いいなり状態に近いわね。

「証拠の写メも忘れないようにね」
「はあ……。断るとまた私たちをいじめるつもりなのね」
「そうそう、よくわかってるねえ。電マでイカし続けの刑とクンニの刑、どっちがいいかな」
「むむむ。いたいけな乙女としては、どっちもお断りしたいかも」
「アナルパールにする?」
「そっちはノーサンキューよ」
「まあ、はるかちゃんは電マの刑がとくにお気に入りみたいだしね」
「ふぅ、あれはほんとかんべんしてほしいかも。全身に響いて頭がおかしくなりそうなんだもの」
「今日もすごかったねえ。腰をビクビク揺らして、アヘ喘ぐ、はるかちゃん。バージンピンクのマンコをヒクヒクさせてさ」
「あーん。やなことを想像しないでよ、もう」
「それじゃ、追加サービスでスケスケランジェリー姿を学校の男子に見せるってのはどうかな」
「またまた。ご冗談を」
「みんな、はるかちゃんとひびきちゃんのセクシーランジェリー姿を見たいと思うよ」
「そういう問題じゃないでしょ」
「口の堅い男子を選んでさ」
「むーりーー!! 断固拒否するわ」
「してくれたらご褒美に何でも欲しい物を買ってあげるよ。卒業旅行にアメリカ旅行とか行きたくない?」
「えええっ!? ほんとに?」
「ほんとほんと。考えてくれる?」
「うーーん……せっかくなら、ヨーロッパのほうがいきたいかも。あっちには親戚もいるし」
「いいねえ、ヨーロッパ。はるかちゃんにぴったりだ」
「ふふふ~ん。ヨーロッパ旅行♪ でも、口の堅い男子っているのかしら……??」
「そこは、3月には卒業なんだしさ」
「それでもねえ……」
 まったくとんでもない難問をつきつけてくれたわ。

*************************************

 いろいろ考えたあげく、私とひびきはおじさんにもらったスケスケのランジェリーを身につけて登校することになったの。とりあえず下着は下着よね。
 すっごくスースーしてて、ほとんど制服の下は裸で登校したみたいな感じだったわ。
 階段はとくに注意して、両手でしっかり押えて上り下りしたの。ひびきもいつもよりおとなしくなったみたい。ほとんど教室の椅子に座ってたわ。

 で、ランジェリーを見せてあげる男子を誰にするかだけど、そこが大問題だったの。
 まず最初に考えたのが同じ3年生の男子ね。仲のいい男子で口の堅そうなクラスメイトもいなくはなかったけど、これは却下したわ。だって、同じ教室で顔を合わせるのを考えるととてもできるわけないもの。
 となると学年が別で階が違う後輩ってことになるのよね。あとはなるべく従順そうなタイプ……。
 パッとあの子の顔が浮かんだけど、すぐに首を振ったの。それ以外だと……ハナヂ王子?

(あー、あの子ならいけそうかしら……)
 ハナヂ王子は、二年生の男子で見た目はそれなりなんだけど、自意識過剰なところがあってタイプじゃないの。本名はたしか……花園公園? 花沢工事? 忘れちゃった。とにかくハナヂ王子よ! まえに1回ラブレターをもらったの。秒殺で振ったけど。

 ひびきにハナヂ王子をポンプ小屋に呼び出してもらって、私はあとから合流することにしたの。あそこなら誰にも見つからないし、おじさんの指令を実行するにはうってつけの場所でしょ。
 下駄箱で靴を履いて、体育館の脇を横切ろうとすると見覚えのある女子生徒を見かけたの。
「あら、梨穂子ちゃん……?」
 私の呼びかけに桜井梨穂子ちゃんは遅れてびっくりしたの。
 驚いた顔で「も、森島先輩!?」って振り向いたわ。

 梨穂子ちゃんは一つ下の2年生で、橘くんの幼なじみ。ぽっちゃりしてるけど、すっごーっく可愛いの。ぽやぽやしてるところとか愛嬌があるわ。容姿もイケてるし、こんな子がフリーなんてうちの男子の目は節穴ね。
 でも、どうして梨穂子ちゃんが体育教官室のドアを叩こうかしていたのかしら……?
「そこって体育教官室よねえ? なにか用事?」
「用事っていうか……」
 梨穂子ちゃん、急にオロオロしだして答えにくそうにしたの。私の目を見ようともしないの。まずいことを聞いちゃったみたい。
「Y先生に呼ばれちゃって」
「Y先生に? へえ~」
「あの、森島先輩は見学ですか?」
「あ、うん。そんなところ」
「??」
「ねえ、Y先生は気をつけたほうがいいわよ」
「……はい」
 私、忠告したつもりだったんだけど、梨穂子ちゃんはシュンとして暗い顔をしたの。
 なにか辛いことがあったみたい。
「はあ~……Y先生にあんなことやこんなことされたなんて森島先輩にいえないよぅ(ボソッ……」
「え? なぁに?」
「ううん。な、なんでもありません。あはっ、あははっ」
「でも、いま私にはいえないって聞こえたような……?」
「き、気のせいですよ」
「ふ~ん。それならいいけど」
「あ、私、行きますね」
「ええ」
「話を聞いてくれて、ありがとうございました」
 梨穂子ちゃん、屈託のない笑顔でぺこりっておじぎをしてたけど、どこか無理をしてる顔に見えたの。
 体育教官室のドアをノックして「失礼しま~す」って入っていっちゃった。

「あら、これは何かしら……?」
 梨穂子ちゃんが立っていた場所に落ちている物を見つけたの。
 拾ってみると包装された避妊具だったわ。
「これってコンドームよねえ? もしかして梨穂子ちゃんが落としていったの……?? まさかねえ」

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