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6.援交少女ゆうこりん6

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作者:しょうきち

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 キーン、コーン、カーン、コーン……。
 授業終了を知らせるチャイムが、校内に鳴り響く。

「ふぁ……」
 放課後のきらめき高校、朝日奈夕子は、欠伸を噛み殺しながら帰り支度を始めていた。
 授業中は常に寝ているか、何かしらの内職をしている夕子にとって1日はこの時間、放課後のチャイムから始まるようなものであった。
 教科書や文房具など、およそ学習用具らしいものは何一つたりとも入っていない、コアラのキーホルダーをぶら下げたルイ・ヴィトンの鞄を肩に掛け、いつものように繁華街に繰り出そうと教室を後にする。
 夕焼けが校舎を照らし、部活動や塾へ向かう生徒達で混雑する正面入口を抜けると、校門に差し掛かった辺りで夕子を呼び止める影があった。

「よう、夕子。 今帰りか? 良かったらマック寄って、ゲーセンでも行かないか? 前話してた『ボンバーガール』が、やっとうちの市のゲーセンにも入荷したらしいぜ」

 伸びてきた影の正体は、夕子の中学からの同級生にして、腐れ縁の悪友でもある、早乙女好雄であった。二人はよく、繁華街のゲームセンターを渡り歩くゲーム仲間でもあった。

「あれ、好雄? やっほー。 私、今日はこれからバイト入ってるのよ。 ゲーセンはまた今度ね」
 ゴメンね、とウインクする。
「ちっ、しょうがねぇな。 高見のヤツでも誘うか……。 またな、夕子」

 中学からの同級生である好雄は、夕子に負けず劣らずの遊び人であった。高校に入学してからも、時折繁華街に繰り出しては、共に無為な日常を過ごしていた。
 ゲーセンに入り浸る事もあれば、カラオケでオールで過ごし、翌朝眠い目を擦りながら一緒に登校したりした事も一度や二度では無い。
 まさしく悪友といった関係の二人であるが、不思議とこれまでに男女らしい交際に発展しそうになった事は無かった。お互いに異性としては好みのタイプではなかった事と、中学の頃からの微妙な関係性がそうさせていた。

 好雄と別れ、地下鉄に乗り込むと、夕子は手持ちのスマホのダウンロード・リストから、お気に入りの曲をダブルタップした。
 Bluetoothイヤホンから流れる、人気女性ポップシンガーによる軽めのバラード調の曲を聞きながら、スマホを操作してLINEを立ち上げる。
 夕子は、残像が見えそうな程の恐るべき速さの慣れた手つきで、自身のLINEに登録された「パパ①」から、「パパ⑬」に対し一斉にメッセージを送る。
 文面はどのパパ宛も共通で、「○○パパぁ、ゆうこりん、今日は一人で寂しいな。 逢いたくて逢いたくて、震えちゃうよぉ」だった。夕子は次々と送信ボタンを押した。
 
 夕子のスマホに登録されているパパ活の相手は数多く、万事面倒くさがりの夕子は、パパが増えるたびに扱いが雑になっていった。10人を超えた辺りからは、それぞれのパパに番号を振って管理していた。
 ちなみに「パパ⑬」とは、前週に客としてやって来た、前山喜隆のことである。あれから週四ペースで夕子の元に通い詰め、今では最大の太客となっていた。

 この日は17時からJKリフレ『スノーボード』のシフトに入る予定の日であった。
 この店は、名目上はたまたま遊びに来た女子高生が男性客と仲良くなり、スキンシップの延長線上でリフレクソロジー(リラクゼーション・マッサージ)を施すという業務形態ではあるが、実際にはこのように、少女達には明確に割り振りの決まったシフトがあり、太客に対してはメールをバシバシ打って、来店するよう営業をかけているのであった。
 これは、キャバクラ嬢とあまり変わらない営業スタイルである。実際、本格的な水商売への入口のステップとしてもこの店は機能していたのだった。
 高校時代はこの店でバイトし、卒業と共に退店した後はオーナーの紹介で、ガールズバーを始めとした、キャバクラ、ピンサロ、ファッションヘルスといった、水商売・風俗店に身をやつす緒先輩方を、夕子はこれまでにも数多く目にしてきていた。
 ここ、きらめき市繁華街では、遊ぶための金を求める女子高生と、JKと触れ合いたい男達、そして、商売の種である少女達を夜の街に誘う汚れた大人達、それぞれの醜い需要と供給が均衡点を作っているのだった。
 

「おほぉ~ん、気ン持ちいい~ん……」 

 『スノーボード』のトークルーム、備え付けのアロマ・ディフューザーから放たれる、柑橘系の芳香で満たされた室内。
 セーラー服を纏い、自身の背中に馬乗りとなった夕子による足つぼマッサージを受けて、身も心も緩み切った前山喜隆は、中央省庁の重職にあるとはとても思えない、知性の欠片もない蕩けた声を上げていた。
 身に付けているものは、トランクスと靴下だけであった。
 今日のオプションは、アロマオイルを用いた、リンパマッサージのフルコースであった。狭い密室、半裸の中年オヤジと現役JKが密着することを咎める人間は、ここには誰もいない。

 店内規則の緩いここ、『スノーボード』では、夕子を含む幾人かの人気JKは、膝枕やマッサージ等の正規サービスとは一線を画す「裏オプション」と呼ばれる性的サービスで荒稼ぎをしていた。
 一般のオプションの場合は、店との取り分が折半であるが、裏オプションは(名目上)店側が把握していない行為であるため、100%が少女の取り分となる。
 店側はこういった裏オプションの存在を、もちろん把握していたし、特に稼ぎ頭のJK達に対しては推奨さえしていた。
 何故なら、JKリフレのリピーターとなるような客とは、JKと特別な関係になることを求めているのであって、そういった秘密を共有しているという特別感が、男達をより一層JK達にハマらせるということをよく熟知していたからであった。
 そのため、夕子に限らず、一定以上の容姿を持ち、一定以下の貞操感を持つ、繁華街に生きる少女達は、裏オプション・サービスをこぞって客達に持ちかけていたのであった。
 実際のところ、サービス内容と金額はJKによって様々で、夕子自身も他の少女達がどういった金額でどんなサービスを行っているのかは把握していない。
 夕子の場合は、苺(一五)、つまり一万五千円での手コキサービスを裏オプションとしており、倍々の金額(三万円、四万五千円)でフェラチオや素股サービスを更なる裏々のオプションとしていた。素股の更に上、本番サービスについては、今のところ、ではあるがまだしたことがなかった。
 夕子のプロフィール・カードに、カラーペンで可愛らしく描いてある苺のイラストは、裏オプションの存在を、それと分かる人間のみに示すサインであった。
 もちろん、こういったサービスを行うリスクは、何の後ろ楯も持たないJK達にとっては多大なものがある。万が一、行為中に警察のガサ入れを受けたり、タレ込みが入りでもして学校にバレたら、もはや退学は必至である。
 そのため夕子は、決して自分からは求めず、何度も通い詰めた常連、かつ口の固そうな信頼できる相手のみ、裏オプ・サービスを許すことにしていた。

 喜隆の来店は、この日で五回目となる。初回になりゆきで手コキサービスへと持ち込まれて以来、濃厚なヌキヌキ裏オプションを施すこともあれば、普通のサービスと会話だけをして帰る事もあった。
 ただ、前回の来店時には、コンドーム付きとは言え、遂にフェラチオまで許しており、これは多くのパパを抱える夕子にとっても裏オプ解禁速度の最速記録である。
 金には糸目をつけない、強引なスタイルと、恵比寿然とした目付きの敵を作らないような顔立ちが、懐にすんなりと入る一助となっているのかもしれない。

 足つぼマッサージを終え、夕子は喜隆の背中からマットレスにぺたんと下りた。
 女の子座りで夕子が座る。喜隆はごろんと横になり、そのまま夕子の太股の上に頭を滑り込ませた。
 これまでに幾度となく繰り返されてきた、膝枕の体勢である(オプション料金:1500円)。
 マッサージの後の膝枕の流れは、もうお互い、言葉に出さずとも熟知していた。

「ねっ? 夕子ちゃん、頼むよ~。 もう何回も指名したよね? だから~、そろそろヤラして? ね、このとおり」
「ダ、メ、よ」

 見上げる喜隆に、見下ろす夕子。このやり取りも既に3回目であった。他の客も含めると、似たようなやり取りは通算で数十回を超えていた。

「夕子ちゃ~ん、裏オプサービス、いっぱいお願いしたじゃないか。 お小遣い、弾むからさぁ」
「あーん、パパのイジワルぅ。 そんな事言っても、ヤラせてあげませんヨ~だ」

 夕子はベェ、と舌を出す。
 モラルが崩壊し切っているここ『スノーボード』であっても、幾分か警戒心の強いJKであれば、このような未成年に本番行為を求めてくるような客は一瞬でNG出禁客にしているところである。
 だが、夕子の場合はその猫のような好奇心と、より長く気を持たせ、より多くの金を絞り取らんとする、スリルを求めるゲーム的感覚が、ここまで関係をズルズルと引っ張り続けていた。

「…………まだ………、エッチは………ダメだけどぉ、新しい裏オプ、してあげよっか?」
「ひひっ、それってどんなの?」
「ま、見てて。 満足させてあげるから。 ……ちょっと頭、どかしてくれる?」

 喜隆は、夕子の台詞に小さく差し込まれた、「まだ」という言葉に、心の底からの跳ね上がるような期待感を感じた。激しい興奮を隠しつつ、素直に夕子の指示に従って、そのJKらしさに溢れたムチムチした温かな太ももから、頭を離した。

「よい……しょっ。 さ、ここに頭を乗せて」

 夕子は体育座りのような格好から、後ろに身体を倒し、両手を床につけた。そして、両脚を大きく開き、その中心である下腹部の辺りをポンポンと叩き、頭をそこに乗せるように促す。
 所謂、M字開脚のポーズであった。
 短めのスカートの最奥、両脚の中央では、赤い花柄のレースがあしらわれた、BODY FOCUSのTバックが丸見えとなっていた。

「ウホホ、いいのかい? 夕子ちゃん。 それじゃ、頭、乗せるよ」

 スカートの中に頭を入れ、夕子の股間の上に頭を乗せる。細過ぎない適度な腹肉の付き具合、ムッチリとした両太腿に挟まれた頭、そしてフレッシュなJKの秘奥の香りと感触、それら全てが交わった、密閉された夕子のスカートの中を満喫していた。
 夕子はさらに、スカートの上から、喜隆にアイマスクを掛けるように、そっと両目に手を当てる。
「さっ、かんせ~い。 膝枕ならぬ、腹枕で~す。 アハッ」
「ムフゥーッ、こいつは腹枕って言うより、股枕、いや、オマ○コ枕だね。 夕子ちゃん、エロ過ぎィ! こんなプレイはどこで覚えたの? やっぱり彼氏に仕込まれたのかい?」
「ち、違うよ~っ! カレシとかまだいないしぃ。 別の高校の後輩がね、年上のカレシさんに、こんなことするように言われてやったら、スッゴい喜ばれたんだってさ。 そのカレシさん、変態紳士って呼ばれるくらいのエッチな人で、そのコも色んなプレイを仕込まれてるんだって」
「へぇーっ……、世の中には凄い男がいたもんだ。 私も負けてられないなぁ」

 喜隆は何となく、その話に出てくる変態紳士なる人物を想像した。筋骨粒々の性豪AV男優のような人物像が想起されたが、50歳を超える自分の男性自身と比較すると空しくなってくるので、それ以上考えるのは止めることにした。

「それよりも夕子ちゃん、彼氏いないって本当かい? 可愛いんだし、学校でもモテるでしょ?」
「うーん、うちの高校、アタシよりももっと可愛い子、沢山いるしねえ……。 藤崎詩織ちゃんとか、男子はみーんなあのコに夢中って感じ」
「それじゃあ、オジさんが彼氏になってあげよう。 夕子ちゃんのような可愛い子には、私の様な経験豊富な紳士が似合ってるよ」
「ホント~? キーちゃんパパ、何人の女子高生にそんなコト言ってるんだか。 でもありがとね。 そんな事言われたの、初めてぇ」
「ぐふっ、それじゃあ、今度食事に連れていってあげよう。 回らない寿司でも、フレンチでもイタリアンでも構わないよ」
「ウフフ、ありがとね」

 ちなみに、同じような約束をした相手が、夕子には10人以上いるのであった。 

「ねぇ、キーちゃんパパ……、本当にアタシと……H……、したいの?」
 夕子は口元に人差し指を当て、潤んだ目で喜隆を見下ろしていた。ネイル・アートに彩られた爪先が、下唇をなぞる。
 頬は上気し、先程から喜隆の頭を抱く股は、じんわりと汗ばみ、何かを我慢するかのようにモジモジと擦り合わせていた。
 実はこのとき、室内に炊かれたアロマオイルには、夕子が準備したものに加え、喜隆が仕込んだ催淫アロマが仕込まれていた。
 そんな事はつゆとも知らぬ夕子は、自分の胸がなぜ今こんなにドキドキしているのかが分からない。

「ヒヒッ、やっと理性がブッ飛んで来たかな? せっかく彼氏彼女の関係になったんだから、SEXするのは時間の問題なんだし、今しちゃってもいいよね」
「…………ダメ、だよ」
 夕子の拒絶の言葉は、先程よりも明らかに弱くなっていた。
「えぇ~っ」
「そんな事……バレたらさ、アタシ達……もう会えなくなっちゃうよォ」
「大丈夫。 誰にも言わなきゃバレないよ。 二人だけの秘密さ……」
 
 喜隆は、夕子のムッチリとした柔尻から、じっとりと汗ばんだ太股に両腕を這わせ、スカートの再奥、Tバックパンティに指を伸ばす。
「あっ……ダメっ……」
「ホラ、ここもヤりたいヤりたいって言ってるよ」
 喜隆はそのまま、花柄のレースに手を掛け、ズルリと薄手の生地を太股のあたりまで下ろす。そして、恥毛を掻き分け、卑猥な湿り気を放つ夕子の膣穴にめりめりと中指をねじ込んだ。
「んあ! ダメっ! や…あ……んっ!」
「ウヒヒ、キュウンキュウンといい感じに濡れて、いヤラし~声が出てきたね。 ……大丈夫、言わなきゃばれないよ」
 真綿で包み込むように言葉を続け、まるで母親が子供にする耳掻きのように、丁寧に膣穴をほぐしてゆく。
 普段なら流石に手を払いのけるところではあるが、このときの夕子は、押し寄せる官能の渦に身を焦がし、乳首がピーンと立ち、クリトリスがヒクヒクと蠢き、沸き上がる異常な感覚に身を任せていた。
 
「あーん、はぁ……っ! はぁ……んっ」
「それにね、他のコは結構ヤラしてくれるんだよ!?」
「えっ……!?」
「ウヒヒッ、本当だよ。 何度も指名して、いっぱい裏オプションをお願いしてさあ。 仲良くなってから、ちょっと色付けてエッチに誘えば、みんな喜んでパコパコしてるよ。 本当に最近のJKはエッチが大好きだね」
 
「……ウチのお店の子たちが、そんなに……!?」
「ウヒヒヒッ、そうさ、みんな頑張って色んなオプション・メニューを考えたり、覚えたりしなくても、自分も客も気持ち良くなれるんだし、お互いにウィンウィンじゃない?」
「…………」
 夕子は目を伏せ、少し考え込むと、部屋の隅に置いてある、愛用のルイ・ヴィトンのハンドバッグに手を伸ばし、中からゴソゴソとコンドームの箱を取り出す。
「んッ、キーちゃんパパ……」
 夕子は蛇腹状になったコンドームの束から一枚をピッと切り離すと、封を切った中身をネイルで傷つけないよう、細心の注意を払いながらパッケージから取り出し、口元でつまんで見せる。
「おほっ、生ハメでも良かったのに」
 夕子は、取り出したコンドームの表裏を良く確認すると、その中央付近にフッと息を吹き掛け、喜隆の肉棒の先端、亀頭に被せると、根元までズルリと巻き下ろした。
 手慣れたゴム捌きであった。

「……誰にも……、言わないでね」
「ヒヒッ、本当にいいのかい?」
 夕子は太股まで下ろされていたTバックパンティをズリ下ろして右足首に引っ掛け、喜隆の足先、正面に向き直ると、頬を紅く染め、無言で頷いた。
「ウヒヒ、やった! 効果は抜群だったな。 これで夕子ちゃんも私のチンポ奴隷だ。 これからはJKタダマンを存分に楽しんでやるぞ」

「絶対……見ちゃダメよ……」
 ギシィ……という音を立て、夕子はコンドームを被せた肉棒を握り締め、喜隆の腰の上に股がる。
「あんン……!」
 握り締めた肉棒に、クリクリと濡れそぼった膣の入口をピトピトと触れさせる。それだけでニチャリ、ニチャリと、肉棒の先端と膣穴の入口は卑猥な糸を引く。
 僅かな俊巡の後、夕子が思い切り良く、ぐっと腰を落とすと、喜隆の肉棒は柔らかな締め付けに包まれる。結合部はスカートで覆い被されて見えなかったが、何万匹ものミミズが這うような心地よい快楽が、喜隆の息子を昇天させようと這い上がって来るのだ。

「うほっ!! これが夕子ちゃんのオマ○コか。 やっぱり夕子ちゃんも指なんかより本当のチンポが欲しかったんだね。 オマ○コの濡れ具合もさっきより段違いだ。 それにもっとユルユルだと思ってたけど、締め付けもキツキツだ。 アァ……夕子ちゃん……!」
「んっ、ンッ、言わないで! ああンッ、キーちゃん……!」
「コレだよコレ!! グフフフッ。 指名する事5回! 掛けた額は実に157,300円! 遂に! あの夕子ちゃんをッ……!」
「はぁ……はっ!」
「おうッ! …………おおうッ!」
「あっ…………! はぁ…………っ!」
 夕子の締め付けと腰のグラインドは、一層の激しさを増し、額からは珠のような汗が迸る。
 夕子の艶声と、喜隆の喘ぎ声が重なり合う。喜隆はたまらず、魂すら抜き取られそうな程の激しい射精へと誘われた。
 

「はぁ……、はぁ……」
「夕子ちゃん……。 気持ち良かったよ……、へへへ……」

 暫く肌を重ね合い、やがてお互いの呼吸も落ち着いて来た頃、喜隆が夕子の唇を引き寄せ、自らの唇に触れさせようとすると、夕子はスルリと身をかわして起き上がる。
 夕子が喜隆の上から腰を離すと、その手にはたぷたぷと大量の白濁液を溜め込んだコンドームが握られていた。
「ん!? あ……れ? 夕子ちゃん、ゴム……? いつの間に抜いたの?」
「えへへ……、抜いてないよ? だって最初から入ってないも~ん。 ウフ、入ってたみたいでしょ?」
「んな……っ!? つまり素股だったって事ォ!? スカートの中では、手でシテたって事かい?」
「えへ~っ」
 夕子は小悪魔めいた表情で、ペロリと舌を出す。
「スッゴく濡れてたのは?」
「アレはコレ。 ほら、アロマローション」
 夕子の手には、先程のマッサージでも使用した、血行促進効果のあるアロマローションが握られていた。
「ね、ね、気持ち良かった?」
「き……っ…………、気持ち良かった……」
「うふふっ、またね! あ、裏オプ代、ちょ~だい。 45,000円ね。」

 喜隆は、財布からもぞもぞと紙幣を取り出し、夕子にくしゃりと渡し、帰路についた。
 その足取りは思いの外軽い。
 夕子に騙されていた事よりも、この時は身悶えるような射精の満足感の方が勝っていたのだった。
 そう、この時までは。

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