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2.援交少女ゆうこりん2

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作者:しょうきち

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 朝日奈夕子は、私立きらめき高等学校に通う16歳である。

 共働きで放任主義の両親に育てられた彼女は、寂しさを紛らわすかのように、中学の頃から流行を追いかける事に命を懸けており、放課後や休日は繁華街で遊んで回る日々を過ごしていた。
 やがて、時には学校をサボることも日常茶飯事となり始め、ファミレスやカラオケボックスで外泊することも増えていった。
 そんな彼女が男遊びを覚え、次第に悪い遊びにも嵌まり出し、遂には遊ぶ金欲しさに援助交際に手を出すに至るのは、そう時間がかからなかった。

 夕子は繁華街でチャラ男や中年オヤジと歩いているところを誰かに見られても、特に憚る事もなく、実に無頓着であっけらかんとした態度を崩さず、誰に対してもサバサバとしていた。
 そんな彼女の態度からは噂が噂を呼び、中学を卒業する頃には心ない女子グループから、「歩くラブホ」「援交百人切りの夕子」「クラス全員童貞食いの夕子」などと呼ばれていたとも言われているが、これらは流石に噂の域を出ない。

 それからきらめき高校への進学後には、彼女は遅刻と赤点の常習犯となっており、奔放さと生活態度の悪化ぶりには益々磨きが掛かっていた。
 もちろん援助交際も日常的に続けており、お気に入りのバンドのライブに行ったり、欲しいアクセサリーやバッグがある等、ちょっと金が欲しいとなれば、スナック感覚で金を持っていそうな中年オヤジに声をかけていた。
 夕子の「客」には、一夜限りの相手もいれば、継続的なパパ活相手もおり、彼女のケータイには年齢や職業、肩書などにおいて、実に様々な男が登録されていた。
 また、愛用のプラダのバッグにはコンドームや煙草等を常備しており、教師に見つかれば一発停学は免れない。そんな彼女が何故生活指導の教師にせいぜい小言程度で見逃されているのか、何故留年せずにいられるのか。この疑問に答えられる者はきらめき高校にはいなかった。

 一部の女子生徒からは、「生活指導のセンセーは夕子の以前からのお得意様であるため見過ごされている」「又は援交をネタに脅されているため追求を免れている」「理事長すら夕子の客の一人だ」などと、ひどい陰口を叩かれていたりもしたが、これらもやはり、あくまで噂の域を出ない。

 いずれにしろ、朝日奈夕子について間違いなく言える事は、彼女がトンでもないビッチであり、享楽的で刹那的。朝から晩までヤりたい放題、遊んで回って日々を過ごしているという事なのである。

 ダブルベッドの上、夕子は先程つけたばかりのメンソールの火を消し、気だるげに煙を吐き出した。
「好雄のメッセ……、あのバカの事なんてどうでもいいけどさ。ふーっ。ま、楽しそうだし乗ってやろうかな」

「……キーちゃんパパに電話しよ」
 LINEを起動し、登録された「パパ⑬」と書かれたアイコンをタップすると、数コールの後に電話の向こう側から声がする。
「もしモーし、ユウコちゃん?」
「もしもしぃ? キーちゃんパパぁ?」
 夕子は電話先の中年オヤジ相手に、甘ったるい媚びたアニメ声で囁く。

「どうしたの? パパまだ仕事中なんだけど?」
「んーっ、ユウコぉ、パパにスッゴク逢いたくなっちゃってぇ、パパのおちんちん欲しくてぇ……もう浮気しちゃいそう。もうパンツまでぐっしょりだよぉ……」
 電話の向こう側まで聞こえるように、ベッドの上でクチュクチュと下品な音を立てて股間をまさぐる夕子。
「おほーっ。ユウコちゃん、おじさん、仕事なんか今すぐ終わらせてすぐ行くね。ゆう活だぁ! 働き方改革だぁ! いつものホテルでいいかな?」
「はぁ、はぁん、いつものホテルね。おまんこ写真あげるからぁ、カッチカチにしてきてね。ね、早くパコパコしたぁい。すぐに来てぇ」
 通話を終え、自らのスカートをたくし上げ、写メをパシャリと撮影した。

「さ、送ろ。んしょ、これでよしっと」

 夕子はラブホテル「キラー・コアラ」を後にした。

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