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7.悪魔のクリーム

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 恋人よろしく寝室に戻ると、Nは詩織の両腕をベッドのヘッドボードにくくりつけた。
 フルチンで立って、濡れた清純アイドルの肉体を酒の肴にホクホク顔で見下ろしている。

(へへへ、ずいぶんとしおらしくなったもんだ)

 赤い髪の垂れかかる横顔――仰向けで伸ばした両腕をY字状に縛られた詩織は、Nの存在を無視するように視線を部屋の壁に投げつけ、意固地な顔つきをしている。制服も下着も靴下も身につけていない。あるのはトレードマークのヘアバンドだけで、あとは生まれたままの姿だ。

「まだ納得していないふうだな。そろそろ自分の立場をわきまえたらどうだ」

 諭す口ぶりで隣に寄り添う。
 上品な乳房を片手で掴んでグイグイ揉む。乳首をクネクネさせ、覗き込むように横顔を見つめる。
 詩織は依然として唇を真っ直ぐにし固く結んでいた。屹立したピンクの乳首だけが個別の意思をしめしている。

(さっきもかなり弱っていたからな。もう一押しってところか)

 片足立ちでハメ殺したあとに、湯船に二人でつかったのを思い返していた。
 ジャグジー付きのバスタブでまるで親娘のように詩織を膝に座らせて、ずっと胸をモミモミしては横を向かせて唾液をすするキスを強要した。いまや詩織の胃はNの唾液によって満たされていると言っても過言ではない。

「考えてみろ、いまより有名になって、誰もが詩織を羨望のまなざしで眺めるようになる」

 話しかけながら濡れた少女の脇に鼻を押しつける。クンクンと嗅いだ。

「そんなの……まちがってるわ」
「事務所との契約はどうする? O.RやM.Yだって、こうやってスポンサーに抱かれて自分を売り込んだんだぞ」
「あのO.Rさんが! ……それにM.Yさんも!?」
「ショックか、あこがれの先輩が生チン接待していると知って。枕営業なんぞ業界では珍しくないと教えただろ。アイドルはな、ベッドで恥ずかしそうにはにかみながらオマタを広げてはじめて一人前になれるんだよ」

 詩織のあこがれている先輩アイドルの名前を出して説得しつつ、乳房を掴んで耳の穴をペロペロしている。
 おぞける首筋や顎の裏側も舐めた。吸いついてキスマークを残す。それもいくつも。
 美しい詩織の白い肌にNの存在を刻んでいるのだ。

「嬉しそうな顔をしろ。この体にそれだけの価値があると認められたわけだ。自慢してもいいぐらいだ」
「勝手だわ……嬉しくなんかあるわけない」
「せっかく可愛いお顔で生まれたんだ。利用するぐらいしたたかさを持ったらどうだ。アイドルの賞味期限は短い。売れるときに売らないでどうする」
「いや、聞きたくない。みんながみんな、Nさんの言いなりになると思ったら大きなまちがいよ」
「ついさっきもファックされてイッたのはどこのどいつだ」
「くっ……」
「だいたい俺だったから良かったものの、そうでなければそれこそアイドルをセックスの道具としか思わない好色スポンサーにあてがわれていたかもしれないんだぞ。そうなってみろ、どんな変態プレイを強要されていたことか。あいつらはアイドルも高級車やマンションと一緒だからな。どれだけ人気のあるアイドルを買ったかがステータスシンボルなんだよ。それでも良かったのか」

 酸味の効いた言葉を並べて懐柔を迫る。
 しかし、肝心の詩織はといえば断固無視を決め込んで聞く耳を持とうとしない。

 当然である。詩織にとってNは憎むべき犯罪者なのだ。暴力をふるわれたとしても簡単に心まで屈服するわけがない。
 くわえて詩織は、Nがこれまでもてあそんできたアイドルと違い芸能界に未練を感じていなかった。すぐにでも自由になって、親しい友人やクラスメイトのいるきらめき高校に戻り、普通の高校生活を送りたいと願っている。
 これはNにとって最悪ではなくとも非常に都合の悪い状況だった。下手をすれば明日の撮影をエスケープされるかもしれない。

(やはりアレを使うか)

 片手で前髪を撫でつけ、目つきをギラつかせる。
 隣で体を横に転がして、ベッドサイドの引き出しを手探りに探った。小指大の銀色のチューブを握る。
 詩織の足もとに回り込むと、細い足首を掴んでガバッと広げさせた。

「どちらにしても枕営業をすることになるんだ。せっかくの商売道具が使い物にならなくなったら困るだろ。傷に菌が入らないよう消毒の薬を塗ってやる」と言った。
 仰向けのまま膝を立てさせて女神も恥らう美麗なM字を作らせる。
 チューブから白いクリーム状の薬品をひねり出すと、指先に乗せて閉じ合わさった秘部に当てた。

「ひやっ」と肩を浮かせる、詩織。
 首だけを起こして不快げに眉をひそめる。
 が、何も言わずに倒した。抗議するだけ無駄だということを身をもって知っているからだ。
 憮然とした様子で天井を真っ直ぐに見つめている。

「アイドルはここの身だしなみも重要だからなあ。日ごろの手入れを怠るなよ。ボーボーのグロマンでみろ、イメージががた落ちになっちまう」

 クリームを薄く引き伸ばし、恥丘全体に薬品をまぶした。
 閉じ合わさった二枚貝をニチャリと開帳する。
 かき分けるように複雑に入り組んだ小陰唇にぬりたくると、肉ビラをより分けて裏側にまで薬品の染みた指腹を進める。
 クリトリスの包皮を剥いてぬりこんだ。
 途端にしこりを帯びて充血し、ヒクつきはじめた。モゾモゾと腰をもじつかせる。
 詩織の防衛本能が不穏な空気を敏感に察知したのだ。落ち着きを失い、とっさに脚を閉じようとする。

「動くな」
 Nが腰横をビシャリと叩いた。
「じっとしてろ。ケツに指を突っ込まれたいのか」

 狭い膣口にクリームの指先をズップリと突っ込む。
 ズブズブと出し入れしながら、内側で指を折り曲げて上下左右に動かした。奥までまんべんなく膣壁に薬効を染み込ませる。
 指を引き抜くと、クプッと糸を引いた。
 ヒクヒクして、ドロリ愛液が溢れる。可憐なアナルまで垂れ、500円硬貨サイズにシーツを濡らした。
 パクパクと呼吸をはじめ、薄い肉ビラが血色も鮮やかに染まる。左右対称の美マンがネットリと口を開いた。

(真っ青な顔をするぞ。バカにした態度も見納めかと思うと惜しいが、これで詩織も終わりだな)

 ニタニタ目を細める。
 詩織に塗った薬は消毒薬などではない。アンフェタミンを多く含有するいわゆる催淫剤なのだ。Nはこれを夜の盛り場で手に入れた。
 即効性が高く、効果は性欲と性感の大幅な増幅、思考の麻痺とそれにともなう判断力の低下で、性的経験のない少女でも性器が熱く疼いてイチコロになるという悪魔の代物だ。副作用として常用性が高く、多用すると失神や開口障害など精神疾患を引き起こす可能性もあるのでさすがに使用をためらっていた。
 塗られた本人はまだ気づいていないが、すでに詩織の秘部は止め金が壊れたように愛液をダラダラと吐き出して悲鳴をあげている。

(悪く思うなよ。これもドラマを成功させるためだ)

 立ち上がると寝室のカーテンを閉め、エアコンの設定温度を上げた。全裸の詩織めがけて温風が吹き付ける。
 変化の様子をじっくり眺めている。

「ン、ンン~~」

 詩織が両腕をくくられた状態で身悶えに体を揺らした。
 腰を捩って、踵でシーツを蹴るようにして足を動かす。膝を曲げ伸ばししモジつかせる。
 白い肌の太股が赤らみ、じっとり汗がにじむ。白い胸の起伏が静かにだが上下の運動を早め、呼吸が荒くなってきた。

(そらはじまった)

 好色魔の嗅覚でNはそそくさとベッドの端に移動し、身を低くして腹ばいになる。目線を枕とほぼ同じ高さにした。
 そうして匂いを嗅ぐように詩織の足先をわずかに持ち上げ、足の裏をベロベロと舐めはじめた。繊細な足の指と指の間にベロを差して稜線をなぞり、一本ずつ口に含んでチュバチュバ丁寧にしゃぶり洗う。
 足の裏の性感帯を時間をかけて刺激して、催淫剤の薬効が全身に回るのを眺めているつもりなのだ。

 体内に欲情のマグマを抱えた少女には、焦らして興奮を煽る間接的な愛撫が効果的である。
 なによりローアングルに見あげるだけで、汗ばんで苦悶する清楚な顔立ちと対比して、上品なオマンコが浅ましく蠢いて、媚薬の影響でしどけなく愛液を垂らし、ムンムンと牡を誘う牝のフェロモンをかもし出しはじめる一部始終が鑑賞できるという楽しみがある。
 欲情が理性のラインを上回れば出番だ。少女は熱病に冒されたようにとろけ肉を摩擦するセックスで頭が一杯になる。
 もうすぐ詩織もそうなる。心ではどんなにNを毛嫌いしていても、セックスがしたくてしたくてたまらなくなるのだ。
 ましてやいまの詩織は絶頂の味を覚え、肉門を貫かれる女の悦びを身に染みて知っている。禁断症状にも似た悦楽の衝動に抗えるはずがない。

(待ってろよ。その生意気な口で俺の女になると言わせてやる)

 Nのエゴイスティックな視線が鋭い剣先となり美しい詩織の肉体を貫く。
 枕に乗せた首を右に左にと忙しく倒し、詩織は折り曲げた足の指先を、たえず開いたり閉じたりをしていた。熱い吐息をもらしている。

「ああ……、おかしいわ……」

 かすれた声で違和感を口にする。熱病に冒された表情で、愛らしい瞳を不安げに揺らした。
 とにもかくにも体がカッカ、カッカと熱いのだ。まるで真夏の砂浜で直射日光を浴びているようだった。
 とくにNに消毒薬を塗られた秘部が虫眼鏡を通して光線を当てられているように熱い。最初にスーッと体温を奪われる感覚があったのちに、ヒリヒリと着火し、それからずっと近づけられたロウソクの炎で炙られている感覚があった。
 首をもたげて確認しても、あるのは多大な汗に濡れ光る自己の肉体と、いまも執拗に足裏をしゃぶるNの頭髪が見えるだけで、股間にライターやロウソクなどの火器類はありはしなかった。
 だがアソコが熱いのはまぎれもない事実なのだ。しかもそれは時間がたつにつれ、体の中心から全身へと確実に広がっている。原因があるとすればNが塗った薬しか考えられなかった。

「ねえ、Nさん……さっきの薬、ほんとに消毒薬だったの?」

 どっと押し寄せる気だるさに耐え、どうにか疑いの眼差しでそう尋ねた。
 触れられてもいないのに胸がドキドキと高鳴る。足の裏を舐められるのが気持ちいい。男性に足裏をねぶられるのがこんなに気持ちいいものだと高校生の詩織は知りもしなかった。
 酸欠のように意識が散漫として、乳首がピアスをされたようにジンジンと痺れている。

「それがどうかしたのか」
「でも、体がへんです……」
「副作用かな。気のせいだろ」

 すっとぼけているNは顔を上へと動かし、詩織の踝から脹脛を舐めた。
 少女のすらりと引き締まっているのにほどよく筋肉のついた白い美脚。膝の頭だけでなく、片足ずつ天井に向けさせて膝の裏まで野良犬のように舐めている。甘い香りのする白い肌で汗と男の唾液が混じりあう。

「気のせいなんかじゃありません。なにかわたしの知らない薬を塗ったんだわ。なにを塗ったの、教えて。教えなさいよ!」

 余裕がなくなり、かなり焦っている様子で真っ直ぐにNをにらむ。

「どこがどうおかしいか聞かせてほしいもんだ」
「あ、あそこが……」
「あそこが?」
「しらない」
「それじゃあ答えようもない」

 判然としない詩織があきらめて後頭部をクッションに下ろすのを見届けて、両膝を外方向に押さえて開かせた。あいだに顔を割り込ませる。
 真珠の汗を舐め取るように、ムッチリとした太股に唾液を乗せた舌でベロベロ這わせる。
 舐めながら抱え込むように腿肉を掴んでグニグニ揉んだ。張り詰めて吸い付くような肌の感触に、女子高生ならではの若々しさを堪能する。
 すぐ目の前に、上品でありながら牡の受け入れ準備の整ってドロドロに爛れた肉門が見えていた。あえてそこには触れようとしない。内股の恥骨筋まで優しく口付けして、股間をスキップして逆の内股をむしゃぶるようにねちっこくねぶる。

「あ、ああー、お願いよ、Nさん」

 また詩織が首だけを起こした。
 今度は困惑した表情で睫毛の先をピクピクさせている。
 そのままクンニしてと言いたげに、甘え口調のおねだり声を発した。
 色っぽい仕草で無意識に腰をせり動かして、間接だけで静かにくねらせている。媚薬漬けになって発熱状態になった秘部を大胆にアピールしているのだ。
 ほころんだ濡れた肉ヒダ、もし両腕が自由であるならば詩織はすぐにでも熱痒い秘部に自分の指を突き立て、Nの眼前であろうとも破廉恥な自慰に耽っていただろう。
 それほど詩織の状況は逼迫していた。焦れるに焦らされ、泣きそうな顔をしている。

「苦しいか。オマンコ舐めてほしいだろ」
「おねがい……いじわるしないで」
「いっそのこと一生奴隷になる契約書にサインしてみるか。ずっとこのままだと言ったらどうする」
「そんな、無理です……このままなんてわたし、気がおかしく……」

 そこまで言いかけて口を閉ざした。朦朧とする意識の片隅で、やたら脳裏に引っかかることがあったのだ。
 異様に感じやすくなった体に、際限なくわき上がる情欲、動悸・発汗・めまい・暑苦しさ。そのどれもが処女をレイプされるきっかけとなった昨日の台詞あわせのときの不可解な状況に酷似していた。

 ハッとして、まさか……という思いがよぎる。
 眉間を寄せてNをにらんだ。ポロポロとアクアマリンの涙を頬に流す。
「昨日の――。昨日の紅茶にもなにか入れてたのね!!」と叫んだ。

 Nの動きが止まる。詩織の両脚を抱えた状態で肩を揺らして笑いはじめた。

「フハハ。いまさら気づいたか」

 歯を見せて、あっさりと認めた。

「もっと早く気づくかと思ったが、あんがい鈍いところもある」
「ああ、やっぱり……どこまで卑劣な!!」
「油断したのが悪い。ここは仲良しクラブじゃない。それよりいいのか、オマンコにハメてほしいんじゃないのか」
「だれが…あなたなんか」
「ムキになるな」

 股間にフッと息を吹きかける。
 それだけで詩織は両脚をピーンとつま先まで突っ張らせ、背中をベッドから浮かしてコントロールを失い痙攣する。
 ハアハアと肩で息をして、オーバーヒート寸前の瞳で天井を見つめた。悔しげに歯を食い縛る。全身の神経がむき出しになったように鋭敏になっているのだ。

「いろいろ勉強になるだろう」
「んっ……わ、わたし、軽蔑します」
「軽蔑もいいが、どうせ詩織もいつかは誰かにハメられてたんだ」
「そんなこと理由にならないわ」
「いい女がいればヤリたくなる。あいにく気に入ったアイドルには手を出さずにいられないタチなんでね」

 そう言うとNは、リモコンを使って寝室に据え付けられた大型モニターのスイッチを入れた。
 映し出されたのは、詩織がデビューシングルを発表するときに撮影したプロモーション兼イメージビデオだった。
 白いワンピースを着て街角を歩いたり、スタジオでレコーディングをする風景が流れている。
 他にも真剣な表情をした詩織がきらめき高校の制服を着て教室で勉強をしたり、体操服に着替えて鉄棒や跳び箱をしたり、薄いピンクのレオタード姿でダンスの練習をしたり、ごく普通の高校生活に織り交ぜて清純可憐なイメージを強調する盛りだくさんの特典映像が収録されている。どれもまだ極彩色に彩られた芸能界の暗部を知りもしないピュアな頃の詩織だ。

「これを見せられて我慢できるか? 虫も殺さない顔でうまそうな体をしてるじゃないか」

 健康的な体操服姿の詩織が1人でストレッチをしている。両手を膝に置いた状態での屈伸運動で、ブルマーのお尻を元気に上下させている。カメラはその丸み帯びたブルマーを後ろから舐めるように撮影している。
 カメラに気づいた詩織が振り向く。はにかんで手を振った。

「ほんの前なのにえらく懐かしいよなあ。感慨深いものがあるだろう」
「た、ただのPVよ」
「ファンがなにを想像するか考えてみろ。コンサートもそうだ。どうしてファンはああも熱狂的に盛り上がる? チャンスさえあれば詩織とセックスしたい願望をもってるからだろう」
「……ちがうわ」

 眠気が増すように意識が薄れ、それに比例するように喉が渇きを覚える。
 詩織は生気をを失いつつある虚ろな瞳で、バージンだった頃の自分が映し出されるモニターをボーっと眺めていた。
 その当時には気づかなかったが、たしかに歌やダンスよりもサービスショットに重きが置かれ、カメラはやたら詩織の胸やお尻や股間や太股などをローアングルで撮影している気がする。
 こういったPVをファンの男性が大勢眺めているかと思い、ゴクリと唾を飲み込んだ。

「アイドルは花だ。その花が綺麗であれば綺麗であるほど大衆はイメージを作り、汚したいと思うもんなんだよ」

 枕もとに膝立ちのNは男根を詩織の鼻先につきつけた。半開きになった桜色の唇に押し付ける。
 詩織はまったくの無抵抗にそれを咥えた。

「ン、ンン……ンム」

 呻きに似た声をもらして頬張る。
 端麗な横顔で淫らに頬をへこませてすぼめ、虚ろな瞳でモニターを眺め、唇を竿に巻きつけた。
 涎を垂らして、下からしゃぶり舐めて、ジュプ…ジュルルと浅ましい音をさせた。

「これが欲しくてたまらないだろ。俺の女になると誓えばすぐにハメてやるぞ」
「ンッ……ムウ、ンア……」

 自分勝手に腰を前後させるシャフトによって脳を揺さぶられる。たえず脚を擦り合せ、自分で自分の股間を刺激していた。
 理性と情欲のせめぎあう身をうだる熱帯夜のように悶え、両腕を縛る縄をきしませる。頭がクラクラとした。ほんとうに気が狂いそうな気がした。

(ああ、もう我慢できない! はやく、はやく、誰でもいいからわたしのあそこに太くて硬いのを入れて!!)

 心のうちで叫んでいる。
 Nの手に頬を優しくなぞられ、詩織の心がぐらっと揺れた。
 口の男根を吐き出し、自分で脚をパッカリ開いて、腰を浮かした。もう忍耐の限界だった。

「……の女にしてください」

 小さく震える声。視線を逸らして、悔しさに唇を噛みしめる。

「よく聞こえないな。はっきり言ったらどうだ」
「そんな」
「いやならべつにいい。詩織のPVをズリネタにオナらせてもらうさ」
「待って……そんなのダメ! こっちに入れて。お願い、詩織をNさんの女にして!!」

 汗ばむ全身を真っ赤に声を荒げる。もうなりふりなどかまっていられなかった。
 身を捩るように両腕をくくられた上半身はそのまま、グッとさせた両足のつま先で重心を支えて背中を浮かせ、曲げた両膝を左右に開脚したポーズでNを見つめた。一刻も早く熱源を静めてもらおうと、催淫剤の効果によって濡れそぼってとろけた秘部をさらしている。Nの前で清純派アイドル藤崎詩織が甘い蜜が垂らす。髪が赤いベールとなって広がっていた。

「そこまで言われたならしかたない。その言葉忘れるなよ」

 ついに詩織の口から女になる約束を取り付け、Nは内心狂喜乱舞している。
 悠然と詩織の両脚を抱えた。
 禍々しく反り返った男根を溶解した蜜壷の中心部にあてがう。美しい詩織の泣き崩れた表情を観察しながら、ゆっくりと体重をかけた。濡れた二枚貝と花びらがこじ開けられる。

「んんんーー」

 モニターでは赤いステージ衣装を身にまとった詩織が、はじめて出演した音楽番組でデビューシングルの『教えてMr.Sky』を熱唱する映像が流れていた。
 マイクを片手に、可憐な振り付けでダンスを踊って、澄んだ歌声を響かせている。くるりとターンをするとスカートがふわりとあがって純白のショーツが見えた。清楚なアイドルスマイルでブリッコっぽくウィンクをする。

「ああ、ハアアー」

 PVとうって変わり、色を帯びたねばりつくような詩織の喘ぎ声が昼の寝室に響いた。
 悪魔の契約のファックで奥まで串刺しにされ、若くて白いしなやかな肉体でえびぞりに仰け反りかえる。
 媚薬が効いたところで、焦らすだけ焦らされていたのだ。一瞬で意識がスパークした。待ちわびていた男根のドッキングに媚肉がネットリと絡みつく。ヌメヌメと蠢いて、少女の蜜をあふれさせながら幾重にもまとわりつき、ギュウギュウと締め上げた。

「嬉しいか。これがずっと欲しかったんだろ」

 興奮するNの問いかけに、一足早く登りつめた詩織は、恥じらいを忘れて泣きじゃくるように何度も首を縦に振った。
 縛られた腕で拳を作り、足の指を開いて、白い喉もとを見せて、早くも肉牝の享楽にどっぷりと身を浸している。オマンコが心臓麻痺を起こしそうなぐらい強烈に痺れていた。

「ずいぶん我慢してたみたいだな。しょせんアイドルはオマンコで価値が決まるんだ」

 突き刺さる男根がしとどに濡れた蜜壷をかき乱す。熱くネトネトと包み込んで、まるで型を取ったようにピッタリフィットしている。中では熱い電流を放つ官能が渦巻いていて、軽くピストンされるだけで詩織は腰が砕けそうなほど感じるのだ。

「言ってみろ、詩織は誰の女だ」
「くぅぅ、Nさん、詩織はNさんの女です!!」
「これから毎日ファックしてやるからな。控え室だろうがスタジオだろうがハメまくってやる」
「ンンッ、ハア、ハアン」
「学校でも忘れるな。いつでも生ザーメンを注入できる準備をしてろ」
「はあ、んあ、ンクーー」

 まともに返事すらできない。
 愛液と混ざりあった媚薬クリームが突き込みによって膣内に拡散し、皮下層に浸透することによって効果を倍増しているのだ。さらにとろけ肉には摩擦を受けている。これでは経験の浅い詩織が受け止め切れるはずもなく、脳神経が崩壊しかねないエクスタシーの連鎖にみまわれていた。
 牡の振動で汗に濡れる乳房が揺れる。イッてはイキ、またイクという繰り返しだ。

「あ、あー、どうして、どうしてよ!!」

 気がふれたように赤い髪を振り乱し、縛られた若い肉体を波打たせる。感度を高めるばかりの肉交に戦慄さえ口にしている。
 Nが憎くて憎くてたまらないのに、そのNに抱かれて昇りつめる女の悔しさ――。
 自身はそう思っていなくても、きらめき高校のパーフェクトガールと崇められ、すべてをソツなくこなしてきた詩織には、すくなからず大人を舐めていた面が否めなかっただけによけい惨めに感じられる。

(くああ、頭が真っ白よ……アソコが気持ちいい……こんなのウソ、信じられない)

 業火となって燃えさかる炎に身を焦がし、詩織はただただ歯を食い縛って精神を蝕む退廃としたセックスに翻弄される。
 さながら生きたまま火あぶりにされるビーナスのようにのたうち、髪を振り乱し、両腕の縄を軋ませ、息を切らせて荒い呼吸で喘いでいる。
 見下ろすNに、曲げた腰を浮かすような状態で投げ出した両足を肩に乗せるようにのしかかられ、ベッドのスプリングを使ってねじくれたドリルを垂直に打ち込まれると、緋色の疼きが脊髄を駆け上り、バチバチと視界が白銀に染まる。自然と甘い音色が次から次に口を飛び出すのだ。
 体の一部分を繋げているだけのはずなのに心までとろけてしまう。

「いい具合に育ってきた。これなら金持ちリピーターが列を作るぞ」

 身の毛もよだつNの台詞が遠くに霞んで聞こえる。
 ズンズンと響く内臓を抉る振動とあいまって、薬物セックスの饗宴に詩織の心が傾斜する。
 肉の蜜壷がとろみを増し、アン! とあご先を突き上げ腰をくねらせた。唇を湿らせる。
 体から余分な力を抜いて、肩に抱えられた足をプラプラさせる。
 Nの顔が近づき、詩織はうっとりとキスをした。

「ムウー、フウウー、ン、ウー」

 白いヘアバンドを揺らして、自分の意思で舌を絡める。
 唾液を流し込まれると、喉を鳴らして従順に嚥下した。
 中年男独特のねちっこいピストンに合わせ、詩織の可憐な花びらがキュンキュンと鳴いた。最深部まで刺し貫かれては、ほころんだ肉ヒダを咲かせ、膣どころか子宮の奥まで女の悦びに満たされる。

「くあ、締まる。抜けなくなったぞ。またイッたな」
「ンアー、はずかしい」
「いやらしいオマンコが食いついてはなしやしない」
「ハアアン、ンク、やあ、いわないで」
「いまの感覚を忘れるな。明日は最高の画が撮れる」

 緊張の緩んだアイドル顔を見せはじめた詩織を満足そうに眺め、乳房を片手で掴んで揉んだ。首筋から耳元に吸いついてしゃぶる。こうして詩織をファックしているあいだにも辣腕プロデューサーのNは、明日の撮影について考えをめぐらせているのだ。

「ふうう、もっと…ン、ゆっくり」
「甘えるな。このチンポの味と形をしっかり体で覚えろ」
「ン、アー、ああー」
「いいぞ、その調子だ。意識をファックされるオマンコに集中しろ。なにもかも忘れてしまえ。詩織は日本中のザーメンを搾り取る国民的スーパーアイドルに生まれ変わるんだ」

 抜ける直前まで引き抜いて、グッチョリ振り下ろす。
 詩織は首を右に左に振ってはヒィヒィ喘いで赤い髪をばっさりと振り乱し、のたうち狂い、両腕を縛る縄を軋ませている。Nに騙されて処女を奪われたことや夜通し泣き続けて瞳を泣き腫らしたことも忘れ、セックス依存状態になっている。あるのは、この身も狂う肉欲の疼きを静めてくれる存在はNだけだという諦観だけだ。

「どこだ、どこがイイんだ。大きい声で言ってみろ」
「だっめえ、だめだめええー」
「だめじゃわからないだろ。オマンコと正直に言え」
「ヒィ、ヒィィー、んぁー、こわれるううう」
「むぐぐ、さすがのじゃじゃ馬もまともにしゃべれないほど頭がイカレやがったか。こっちもそろそろ……このまま中に出してやる」

 縦横無尽に腰を送っていたNが体重を預け、汗ばんだ肌と肌とで詩織と密着する。
 美顔を押さえて、唇ごと食らい尽くすようにむしゃぶった。
 押し付ける腰のピッチを早めた。巻き込んだ肉ヒダをめくって、子宮口でグリグリねじる。
 燃え上がった詩織の全身がざわざわとざわめいた。

「天国のオマンコアクメを味わえ、詩織っ!!」

 完全勝利の雄たけびを上げ、男根を奥までねじ込んむ。ドバッと射精をはじめる。

 詩織は「んんーー、イクーーー!!」と感情を振り切るヨガリ声を絞って、ブワッと背中を浮かせた。
 強烈な電気ショックにのたうつ痙攣をおこなう。足をピーンとさせて、つま先の指を開いてググッと曲げた。
 トローンとした瞳を宙にさまよわせる。清純派アイドルの子宮に灼熱のザーメンがふたたび注入された。

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