作者:ブルー
放課後、詩織たち3人は好雄が部長をしているゲーム同好会の部室に集まって作戦会議を開いていた。
「一昨日の様子だと下須先生はメグの行方不明とは無関係だと思うの」
「詩織がそう言うならそうだろうけどさ。あいつが詩織にしようとしたことはマジで頭にきたぜ」と、公人が言った。
まだ怒りがおさまらないのだ。
「公人の気持ちは嬉しいけど、いまはメグの捜索が最優先よ」
「わかってるって。問題はゲスがどうして美樹原さんの写真を持っていたかだよな」
「きっとどこかで入手したんだわ。入手先がわかればメグの足取りに繋がるはずよ」
「それなんだけどさ」と、好雄が写真を机に置いた。
雑貨屋のような場所で愛が制服のスカートをたくしあげている。
慌てて詩織は公人の体を後ろに向くようにした。
「公人は見たらダメよ」
「はあ?」
「メグの名誉のためよ」
「どうして好雄は良くて俺はダメなんだよ」
「とにかくどうしてもなの」
「チェッ、なんだよそれ」
公人は肩をすくめる。探偵団のリーダーは詩織だ。その命令に従わないわけにはいかない。
「注目ポイントは美樹原さんの後ろさ。部屋中にたくさん制服や体操着がかけてあるだろ。女子のばかり」と、好雄が説明を続けた。
「見たことのある制服が多いみたい。この辺りの学校の制服かしら。私たちの学校もあるわ」
「たぶんブルセラショップじゃないかと思ってさ」
「ブルセラショップ?」
「聞いたことない?」
「もしかして制服とか下着を売るっていう……」
詩織は自信なさそうに答えた。
「詩織ちゃんには無縁の場所だよ。でさ、制服とかを買い取る時に服を売りに来た女子の写真を撮るんだよ。この制服はこの娘が使っていましたよーってわかるようにさ。あと、お店の人が可愛いなって思った娘は交渉してビデオを撮影したりするんだ」
「ちょっと待って、好雄くん。メグがブルセラショップを利用していたっていうの?」
「その可能性が高いと思うよ」
「信じられないわ。メグはファミレスも一人で入れないような娘なのに」
「都内のショップをしらみつぶしに探したら、隣町の雑居ビルにある『制服ランド』っていうショップの内装が写真のまんまだったんだよ」
ある程度予想していたとはいえ詩織はショックを隠せない。
「お店の人はメグを知っていたの?」
「それがグレーな商売をしてるだけあって、店長が疑り深そうな奴でさ。ただ、写真を見せたら怪しさ満載の反応だったよ」
「……下須先生はそのお店で写真を手に入れたのね」
好雄の報告を聞いた詩織は、しばらく一人で考えていた。
「ねえ、私が客としてお店に潜入する作戦はどうかしら? 制服を売りに」
「なに言ってるんだ、詩織っ!!」
それまで背中を向けて聞いていた公人が唐突に話しに割って入った。
「びっくりしたじゃない、公人」
「びっくりしたのはこっちだよ。詩織、正気か?」
「好雄くんが行ってダメなら私が行くしかないじゃない。女の子だし制服を売りに来たと言えば警戒されずにお店に潜入できるでしょ。私ならうまく情報を引き出せる自信があるの」
「ゲスの時みたいな目に遭ったらどうするつもりなんだ」
「公人がいるんだし大丈夫よ。前回みたいに外で待機しててちょうだい」
「おいおい」
「もしかしたらメグの監禁場所を知ってるかもしれないでしょ。きっと何か手がかりがあるはずよ」
「だからって詩織が危ない橋を渡る必要はないだろ」
「メグのおばさんは心労で寝込んでいるのよ。警察が動いてくれないんだし、私たちでなんとかするしかないわ」
こうなっては誰も詩織を止められないことを幼なじみの公人は一番理解していた。
「ほんと詩織って正義感が強いよな」
「あら、友達が困っていたら助けようとするのは普通のことよ」
「そういうところもさ」
「えっ?」
「子供の頃から変わらないなって」
「そういえば昔、公人が公園の池で溺れていたのを助けてあげたこともあったわね」
「そんなことあったかな」
「あったわよ。忘れたの? 懐かしいな、うふふ」
「しょうがない。演劇部の友達がいるから変装のための衣装を借りてくるよ」
「うん。そうしてちょうだい」
そうと決まれば行動は早い。公人は詩織と好雄に見送られて部室を出て行った。
「ところでさ、詩織ちゃん」
「なぁに、好雄くん」と、詩織は振り返る。
「こんな時に言うのもあれなんだけどさ」
「うん?」
「ほら、最初に美樹原さんの捜索を手伝ってくれたら俺の願いを1つだけ聞いてあげるって約束だったでしょ」
「えーっと……そんな約束したかしら、私」
「うわー。本気で言ってるの、詩織ちゃん??」
「ごめんなさい。私、メグが行方不明になったって聞いて動転してたから」
「ひどいよー。死ぬ気で頑張ってきたのにさ。学校中を聞き込みをしたり、無断で放送して停学になりかけたし、今回だって都内を探し回ってやっとこさ見つけてきたんだぜ」
「好雄くんにはとても感謝しているのよ」
「自分で言うのもナンだけど、今回は俺ってかなり役に立ってると思うんだよね」
「うん。すごく見直しちゃった。公人はこういう頭を使う作業だとあまり期待できないし。さすが学校の情報ツウを自負するだけはあるわね」
「だったらさー、すこしぐらいご褒美があってもバチはあたらないと思わない?」
「ご褒美って、すごく嫌な予感がするわ」
好雄は大きく息を吸った。
「俺、詩織ちゃんの裸が見たい!」
「えっ????? ちょっと、いきなり何を言い出すのよ????」
「だからさー、俺に詩織ちゃんのヌードを見せてよ」
「バカっ! 絶対出来るわけないでしょ!」
「この通り一生のお願いっ!」
「土下座しても無理です!」
「いいじゃんか、ケチ。減るもんでもないのに」
「減るとか減らないとかの問題じゃないわよ。いったい何を考えてるのよ、好雄くん」
「ハア、全部ただ働きなんだ。これじゃどっかのブラック企業だよ」
好雄はがっくりと肩を落とした。
「ねえ、そんな落ち込まないでよ。まるで私が悪者みたいじゃない」
「生きる気力も希望もなくなったよ」
「生きる気力ってオーバーすぎよ」
「だってさ、詩織ちゃんが約束してくれたのにさ。ウソつきじゃん」
「私はそんなつもりは」
「結局、詩織ちゃんって自分の目的のために他人を利用するタイプの人間なんだね」
「っっ!!」
「あーあ、寝る間も惜しんで協力してきたのに。こんな酷い仕打ちを受けるとは……トホホ」
「……わ、わかったわよ!」
好雄のあまりの落ち込みぶりを目の当たりにして、さすがに詩織の良心が痛んだのだ。
「おっ?」
「そのかわりヌードはなしよ」
「エエーー」
「そうやってゴネてもダメな物はダメよ」
「じゃあさ、かわりに詩織ちゃんのおっぱいを揉ませてよ」
「私の胸を??」
「男らしくヌードはあきらめるからさ、それぐらいいいでしょ?」
「それぐらいって……しかたないわね……今回だけ特別よ」
「やったーー!!」
好雄の粘り強い交渉に根負けして、詩織はしぶしぶ了承した。
一方の好雄は飛び上がって喜んでいる。
「じゃあ、さっそく」
好雄は立っている詩織の背後に回り込んだ。
「ねえ、好雄くん。その前に1つお願いがあるの」
「わかってるよ。公人には秘密にしてくれって相談でしょ」
「う、うん……」
「へへっ、あいつにしゃべるわけないじゃん」
「よかった……」
「じゃ、準備はいい? 触るね、詩織ちゃん」
「えっ……??」
次の瞬間、詩織は愛らしい瞳をパチクリさせて言葉を失った。
好雄の両手がいきなりセーラー服の内側に入ってきたのだ。
ブラジャーに包まれた詩織の双乳をムンズと持ち上げる。
「ちょ、好雄くんっ!? 制服の上からじゃ……!?」
「俺はそんなこと一言も言ってないけど?」
「ンっ……普通に考えたらっ」
「詩織ちゃんが勝手にそう思ってただけでしょ。せっかくのチャンスなのに、制服の上からじゃもったいないよ」
「いやだわ、こんなの」
詩織はうつむいて、好雄に胸を揉まれるのをじっと耐えている。
「はー、すごく幸せだよ、俺」
「好雄くん、もう十分でしょ」
「まだ30秒も経ってないよ」
「こんなのやっぱりいけないわ」
「あと3分だけ」
「3分も??」
「この際だし、直接詩織ちゃんの胸を触っていいよね?」
「えっ??」
「どうせ見えるわけじゃないんだしさ」
「ちょっと自分で決めないで」
慌てた詩織を無視して、好雄はセーラー服の内側でブラジャーをずらした。
直に詩織の胸を掴む。グイグイと交互に絞るようにして触った。
「詩織ちゃんのおっぱいが俺の手の平に吸い付くように柔らかい」
「はずかしいわ、私」
「髪も女子のいい匂いがするね」
「首筋がくすぐったいわ。嗅がないでちょうだい」
「ハアハア、公人に触らせたことないんでしょ?」
「あたり前だわ」
「マジで嬉しいよ。入学した時からずっと詩織ちゃんのファンを続けてきて良かった」
「はあっ、ああっ……まだなの、3分……」
だんだんと色っぽい声が詩織の唇から漏れはじめた。
それだけ好雄の愛撫が巧みなのだ。
(やだわ……好雄くんの手つき、下須先生よりうまいかも……)
思わず詩織はそんなことを考えてしまう。下須の時は嫌々だったが、今回は詩織自身が了承した上で胸を触られている。
セーラー服の内側では、好雄の指が詩織の乳首をクニクニと倒したり爪で引っ掻いたりをして弄んでいた。
「もう時間よ、好雄くん」
壁の時計で3分が過ぎたのを確認して、詩織は好雄の腕から逃げた。
壁際でセーラー服の中に両手を入れてブラのずれを直した。スポーツをした直後のように詩織の顔は真っ赤だ。
「これで約束は守ったわよ」
「うん。やっぱり詩織ちゃんはウソつきじゃないね。明日からも全力で頑張るよ、俺」
「お願いね……好雄くんの協力がないと私も困るもの……」
「公人の奴、遅いね」
「……私、職員室に用事があるのを思い出したわ……先に帰るわね」
好雄と二人きりでいることが気まずくなった詩織はゲーム同好会の部室をいそいで後にした。
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