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11.秘密のスペシャルマッサージ

アクセス数: 2126

作者:しょうきち

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      1

 牧田悠護は、サッカー部の部室でそわそわと落ち着かない気持ちで時間を潰していた。
 牧田は私立一應大学医学部の三年生で、年齢は24歳。ラグビー部に所属し、ポジションはプロップ。身長180センチに体重105キロを誇るプロレスラーや相撲取り並みの体格はスクラムの要である。地方で開業医を営む父親の元何不自由なく育ってきたが、医院を継ぐために幼少期から勉強だけは狂ったようにさせられた。浪人を経て入学した一應大医学部であるが、親元を離れた影響か、入学後は勉強そっちのけの日々を過ごしていたため、更に留年までしていた。
  特に嵌まったのは、医学ラグビー部に所属する仲間たちとの飲み会である。単なる飲み会ではなく、ギャラ飲みアプリで女を呼んで楽しむ。六本木あたりのキャバクラに行くより何倍もコスパがいいので重宝していた。
 勿論ただ喋って飲み食いするだけが目的ではない。
 その真の目的は、女を酔わせてセックスに持ち込むことだ。
 デリヘルを呼ぶより安上がりで時間制限もないし、うまくいった暁には極上の達成感が得られるのだった。
 頭と貞操観念の緩そうなバカ女が狙い目だ。
 酒に密かに高濃度アルコールと媚薬成分の混合カプセルを仕込んでおくと、女はいい感じに出来上がるので、あとはじゃんけんで勝った順に一発ずつハメていく。それが仲間内でのルールであった。
 だが、そんな生活に突如として終焉が訪れた。
 約半年少々前のこと。いつものように仲間四人、牧田の家に集まって駄弁っていると、突如呼び鈴が鳴った。「あれ、今日はギャラ飲みなんて呼んでねえぞ」と訝しみながら玄関を開けた結果、軽率な行動を後悔することとなった。
 玄関を開けると目の前に立っていたのは、一見してその筋の人間であるとわかる、人相の悪い黒スーツの男が四人。四人とも険しい顔つきであった。
「牧田悠護だな? 部屋の奥にはお仲間さんもいるな?」
「へ……? あぁ……、あんたら誰?」
 男たちは制止しようとする牧田を無視して勝手に靴を脱ぎ部屋の中へ入っていった。そしてそのまま四人まとめて力ずくで連れていかれた。屈強なラグビー部仲間の腕力をもってしてもびくともしなかった。連れていかれた先は、古びた貸ビルの一室であった。
 訳も分からずに連れ込まれた部屋には、角刈りで和装の壮年の男が待ち構えていた。男は広域指定暴力団『古式組』の組長で、なんでも以前コマした相手が実は未成年であった上に組長の娘の友人であったらしい。 本気で死の危険を感じる程の恐怖を味わされたあげく、その示談金として一千万円を請求された。
 金については父親に泣きつき全額支払ってもらったものの、その代償としてこうした火遊びは二度としないよう釘を刺されていた。
 医学ラグビー部のヤリ仲間たちはヤリサーの飲み会に顔を出して変態セックスにも付き合ってくれる女をゲットしていた。しかし、なんだかんだそうしたサークルは過激であるとはいえやってる事は自由恋愛の延長だったりするので、アンコ型体型であまりにも圧迫感のある体躯の牧田は相手を見つけられなかったのである。
 だが、女日照りもそろそろ限界であった。
 医学部には地味なガリ勉ブス女しかいないし、ラグビー部は雄度120%の男の世界である。半年以上も女を断つのは、若く性欲を持て余している牧田にとっては耐えがたい苦痛であった。事件の前は週一ペースでギャラ飲みセックスをやっていたので、最早飢餓感にも似た女への欲望が心根に渦巻いていたのである。
 そんな想いを抱きながら町中をプラプラしていると、私立きらめき高校文化祭の宣伝ポスターが目に入った。在校生が指折りの美少女揃いということで有名な高校である。実際に何年か前に駅のホームで同高校の女子を見たことがあるが、目の覚めるようなアイドル級の可愛さだった事をよく覚えている。その女子が今でも在学しているのかは分からないが、目の保養に、あわよくばナンパでも━━と考え、フラフラっと立ち寄ってみることにした。
 そんな中で、衝撃的な模擬店を見つけた。
 3ーA、JKリフレである。
 よくこんな攻めた模擬店が認可されたものだと、自由を尊ぶという校風に息を巻いた。
 興味本位半分、下心半分で半ば眉に唾をつけて3ーAへ向かった牧田は、更なる衝撃を受けることとなった。
 まず目に入ってきたのは、3ーA入口付近にところ狭しと貼ってあったキャストの女子の紹介を兼ねたポラロイド写真である。この顔写真を見て気に入った子がいれば追加料金を払って指名が可能となっているとのことだ。どの子を見ても平均レベルの高さは期待に違わぬものがあり、覚えたての下手な厚化粧を顔中に塗ったくり、100均で売ってるようなアクセをぶら下げた大学のブス女などよりも余程魅力的に感じられた。
 だが、牧田の目を殊更引いたのは、端の方に貼られている一枚の写真であった。名前は「サキ」とあった。ショートカットのさらさらヘアー、はじけるような笑顔。記憶にあるよりも大人びていたが、間違いなく以前駅のホームで見かけた、あの女子高生だ。
 牧田はすかさずこのサキという少女を指名した。だが、
「おっと、すみませんねえ、お客さん。今ちょっとお部屋の方が満杯なんすよ」
 といった返事が帰ってきた。受付をやっているのは安っぽい色の茶髪を短く刈り込んだ男子生徒で、ヘラヘラと軽薄そうな笑みを浮かべながら応対している。
「お兄さん、なんとかならんですかね? ホラ」
 牧田は丸めた五千円札を握らせた。その男子生徒はニヤケ顔をくしゃりと歪めた。そして手書きの簡素なメモ書きを渡してきた。メモ書きにはシンプルな地図が書かれている。
「これは?」
「へっ……へっ、お客さん。それじゃあ、別室へご案内いたしますよ。こちらの部屋、鍵は空いてますんで、中に入って待っててください。準備ができたら、あとからサキちゃん向かわせますんで」
「おお、話が分かるじゃないか」
「こちらの女の子━━サキちゃんですと、コースはスペシャルマッサージのみになっちゃいますけど、それでいいですか?」
「ああ、それでいい」
「あと、くれぐれも他言無用でお願いしますよ。あくまで特別ッスからね」
「ああ、分かってるよ」
 そして指定された部屋へと牧田は向かった。普段は男子サッカー部の部室兼ロッカールームとして使われている部屋のようであった。
 こうした男子運動部の部室は一般的に掃除も録にされず汚れ放題というのが相場であるが、扉を開けた先は意外なほどに整理整頓が行き届いており、ゴミひとつ落ちていない。芳香剤か何かを使っているのか、フローラルな香りすら感じられた。部屋の中にはベンチとウレタンマット(何に使うのか定かではないが━━)くらいしか置かれていない。
 何となくではあるが、消臭剤の香りに混じってかすかに生臭い匂いがするような気がした。嗅いだことのある匂いのような気もするし、そうでない気もする。だが、これからやって来る子━━サキちゃんの事を思うとそのような些末な事はすぐに頭から押し出されていった。

      2

 待っていたのは十五分ほどであろうか。大した時間でもないのに、一分一秒が異様に長く感じられた。これから起こるあれこれを想像すると、胸が高鳴って仕方がない。
 扉がノックされると、牧田はベンチの上で飛び上がりそうになった。とうとう来てしまった。
「失礼します」
 扉を開けると、彼女が━━サキちゃんが入ってきた。写真どおり、いや実際に動く姿を見るとそれ以上の美少女がそこにいた。鈴の音が鳴るような━━とでも言えばいいのか、声までチャーミングさの塊であった。
 服装は上はきらめき高校指定のものとおぼしき体操着に、下は今や全国の小中校から消え去って久しいブルマである。ムチムチした尻から太股のラインがたとえようもなく眩しかった。
「はじめまして、虹野沙希です」
 虹野沙希と名乗った彼女は牧田を見上げると、可愛らしくウィンクして微笑んだ。ピンク色の唇が開き、真っ白な歯がチラリと見えた。小さな顔にさらさらのショートカットがよく似合っている。
「じゃあ、そちらへどうぞ」
 沙希にベンチに座るよう促された。
 牧田が座ったすぐ横に、肩を並べてちょこんと座る沙希。距離が近い。肩だけではなく、胸も腰も太股も、手を伸ばせば触れられそうな距離にある。甘酸っぱい少女らしさを感じさせる体臭に、牧田はごくりと生唾を飲まずにはいられなかった。
「んっ? どうかしました?」
「い……いや、なんでもないんだ……」
 つい見とれてしまっていた。思わず沙希から視線を外していた。
「えへへ、緊張してます?」
「う、いやぁ、その……」
 沙希は牧田の手をとった。
「わたしも」
 頬をニッと持ち上げ、目を細めながら牧田の方を見てくる。はにかんだ笑顔がやけに眩しい。
「あの……お名前、なんて言うんですか?」
「あ、あぁ……牧田です」
「牧田さん……。いいお名前ですね。えっと……凄く立派なお身体してますよね。何かスポーツとかしてたりするんですか?」
「あ、あぁ……。ラグビーをちょっとね」
「そうなんですか、素敵……。わたし、スポーツなら何でも好きなんですけど、うちの高校ってラグビー部は無いから、なんだか新鮮な感じです。二の腕なんてすっごいカチカチ……」
 沙希は牧田の上腕二頭筋にすりすりと指を這わせていった。
「さ、沙希ちゃん……?」
「あ! ごっ、ごめんなさい。……ええと、それじゃあこれからすること、説明しますね。服を脱いでいただいて、そこのマットにうつ伏せで寝てください。こちらを使ってマッサージをさせていただきます」
 彼女はベビーパウダーを手に携えていた。
「……えっ、聞き間違いかな? 服を脱いでって……」
「えっ……? ええ……。そうしないと服が汚れちゃいますから」
 沙希はきょとんとした顔だ。
「脱いでって……、下着も?」
「勿論ですよ? そうしないと汚れちゃいますし、身体をほぐして疲れを取ることが出来ませんから。あっ、恥ずかしがらなくてもいいですよ。はい、タオルです。前はこれで隠しててくださいね。これはあくまでマッサージ。サッカー部仕込みのスペシャルマッサージなんですから……」
 沈黙が流れた。沙希は無垢な瞳をこちらへ向けてくる。
「わたしの事なら気にしなくて大丈夫ですよ。わたし、これでもサッカー部のマネージャーなんです。慣れてますから。練習終わりとか、いつも部のみんなにもやってあげてるんです。結構みんなに人気なんですよ」
「そ、そうなの……」
 沙希はエヘンと胸を張って見せた。強調された胸の厚みは意外なほどに豊かなものがあった。
「……ほ、本当に脱いじゃっていいのかい?」
「もちろんです」
(え~い、ままよっ!)
 牧田は意を決し、パンツを下ろした。

      3

 ウレタンマット上へと移動し、牧田がうつ伏せになってマッサージが始まった。
 沙希はまず、牧田の背中にベビーパウダーをかけてきた。さらさらの状態にして手指を羽根のように使い、はじめはくすぐるように刺激してくる。
「お客さん、こってますねぇ……」
 背中の上では馬乗りになった沙希の手指が這い回っている。言うだけあって流石にうまかった。徐々に背中だけでなく、肩、腰、脇腹、太股と力が加えられてゆく。
 慣れていると豪語するだけあって力の加減は強からず弱からず、丁度いいものであった。それでいてツボはしっかりおさえているようで、五分と経たないうちに体の芯がじんわりと熱くなってきた。
  血の巡りが良くなってくるのに比例するように、頭の中ではよからぬ妄想が浮かんでは消えてゆく。もっと熱くヌルヌルしたローションで全身を使って塗りたくってほしいとか、いっそのこともっとダイレクトにリンパ腺を……際どい部分に濃厚なマッサージを施してほしい━━といったものである。
 もちろん、そんな馬鹿な事を口にして、無垢な少女に軽蔑されるわけにはいかなかった。ただ、黙って揉まれているのも辛く、苦しいものがあった。主に床面と胴体によって挟まれているため、膨張しようにもできない男の機関が━━であるが。
「はい、それじゃ、仰向けになってもらっていいですか」
「む、むむむっ……」
 牧田はうめき声をあげた。股間がひどく苦しかったが、このまま仰向けになると勃起したペニスを彼女の前に晒すことになってしまう。
「どうかされましたか? どこか痛いところでも……?」
「い、いや……」
 沙希が涙目で見つめてくる。何か粗相をしてしまったのではないかと疑っているようだ。彼女を悲しませるわけにはいかないと、牧田は鼓動を乱しながら、ゆっくりと身体を反転させていった。緊張の一瞬である。
 仰向けになった。
 ペニスは完全とまではいかないものの、七部勃ちといったところまで大きくなっていた。
「……あ!」
「ぅ……っ!」
 ペニスが沙希の視界に入った。恥ずかしそうに目を背けながらタオルを被せてきた。
「……あ、あの……。それじゃ、失礼しますね……」
 視線を背けてはいたものの、時折横目でチラチラと股間を見やっているのがわかった。頬を染めながらベビーパウダーを牧田の体にかけ、さわさわと撫でさすってくる。
 首筋、胸、脇腹、太股……と、背面にされていたのと同様にマッサージされてゆくが、うつ伏せの時とは決定的に違うことがある。仰向けなら、彼女の表情や仕草をじっくりと見ることができるのだ。
 沙希は伏し目がちで、決して視線をあわせてこなかった。おかげで彼女の身体を上から下までじっくりと眺めることができた。
 至近距離まで身体を近づけてくると、体操服の生地が透けて見えた。
(うぉっ……、際どい下着……。いや、これは……?)
「沙希ちゃん、ひょっとして体操服の下は水着なのかい?」
「あれ、よく分かりましたね。そうなんですよ。コレ、濡れてもいいように下に着てるんです」
「そういうものなのか……」
 体操服の下に着ているのは、ビキニタイプで布面積が少なめの水着のようである。赤とオレンジのストライプと結構派手な色なので、こうして至近距離だと白い体操着からはよく透けて見える。
 下から仰向けで見ていると、窓から差し込んでくる逆光で彼女のボディラインがくっきりと見てとれる。巨乳とまではいえないものの、悩ましく膨らみ弾力のありそうなバスト、ブルマによって彩られたムチムチと悩ましげな肉付きの腰回りといい、健康的な魅力に溢れており、思わずそそられるものがあった。
 妄想が迸る。
 もしも彼女と犯れたならば……。
 壁に向かって手をつかせて後ろ向きで立たせ、ブルマをずらして勃起しきった男根をあてがう。いやいやと首を振る彼女の懇願を無視して、蜜部にペニスをずぶずぶと埋め込んでゆく。
 経験上、大概の女はペニスを埋め込んでしまいさえすれば大人しくなり、あとは勝手に喘ぎ出す事を知っていた。
 今は黙々と真面目にマッサージを行っている彼女も黙ってはいられなくなるだろう。チャーミングなアイドルフェイスが激しく歪み、ひいひいと喉を絞ってあられもなくよがり抜く。恥じらいながらも次第に腰を振り立てるようになり、ずちゅっ、ずちゅっと卑猥な肉ずれ音が誰もいない部室に響き渡る。それでも真面目な彼女は声を出さないように必死でこらえる。そこに手を回し、横から口に指を差し入れてやる。
 フゥーッ、フゥーッと差し入れられた指を甘噛みしながら声を殺して喘ぎ抜く。やがて卑猥な肉ずれ音はそのピッチを増してゆき、彼女はガクガクと腰を震わせ、恍惚の彼方へゆき果ててゆく━━。
 きっと、最高に刺激的に違いない。

      4

「あっ……」
 沙希が股間のテントを見て目を丸くした。
「やだ。もう、こんなに……」
「うっ、い……いやあ。たはは……」
 牧田は大いに照れた。淫らな妄想に耽ったせいで、すっかり完全勃起状態になっていた。もう沙希の顔をまともに見られそうにない。
「あっあの……も、もしよかったらなんですが……」
 恐る恐るといった様子で、沙希が言葉を継いだ。
「特別な……マッサージ、リンパマッサージというのをさせてもらってもいいですか? 普通のマッサージでは触れない、体の深いところをよ~くほぐしてリンパの流れを良くするマッサージになります。ただ、ほんのすこしだけ……、追加でお代をいただきますけど……」
 牧田は息を呑んだ。胸の鼓動が急激に加速し、うるさいほどに鐘を打つ。沙希は五指を広げて牧田に見せてきていた。つまり五千円払うと、ペニスを直接刺激してもらえるということだ。
「なっ……!?」
「ねっ、させてください。もし満足いただけなかったら、お代はいりませんから……」
 すがるように囁かれ、牧田は答えに窮した。逡巡していると、ふるふると潤んだ瞳でじっと見つめられた。至近距離で見つめあうのに耐えられなくなって、ついに承諾してしまった。
「じゃあ、ちょっとそのままで……待っててくださいね」
 沙希は手についたベビーパウダーをタオルで拭うと、ロッカーからローションの入ったボトルを取り出してきた。
「失礼しますね……」
 沙希は牧田の両膝を開くと、おもむろに両脚を広げてきた。
「えっ、なにをっ……」
「脚をひろげないと、マッサージできないんです」
 沙希に言われ、なすがままに両脚をひろげられた。女のようなM字開脚だ。タオルによって股間は一応隠されてはいたものの、何かの拍子に見えそうな申し訳程度の布面積だったし、何よりこの体勢自体が顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。
 沙希はボトルを開け、ローションをたっぷりと手に取るとタオルの下に両手を忍び込ませてきた。
「……うぅっ!」
 牧田は両目を見開いた。沙希の両手はびっくりするほどヌルヌルで生暖かく、その手で睾丸をそっと包まれたからであった。
「大丈夫ですか?」
 沙希が不安げに尋ねてくる。
「気持ち悪いとか、ありません?」
「だっ、大丈夫でふ……」
 牧田は笑いかけようとしたが、頬がひきつってうまく笑えなかった。最後の方は声が裏返ってしまったほどである。気持ちが悪い訳ではなかったが、なんとも形容しがたい、経験したことのない気分を味わっていた。
 続けて、白魚のような指が肉茎に伸びていった。そそり勃つ男根はたちまちローションまみれにされ、なんとも言えない生暖かさに体の芯がカアッと熱くなっていった。
 沙希が皮を根本へと引き下ろしてゆく。無防備にさらけだされたカリのくびれを、もう片方の手のひらで撫でさすってゆく。皮を引き伸ばされている分先端付近は刺激に敏感になっていたので、牧田は身を激しくよじった。
 彼女の手捌きはプロ並み、いや、それ以上かと思えてくる程に巧みなものがあった。
 皮を引っ張られていたかと思えば肉茎をすりすりとしごきたてられ、更には爪を使って裏側をツツーッとなぞってくる。ねっとりしたローションと、硬い爪の感触の組み合わせが実に刺激的である。
「むうぅっ……うむぅぅっ……」
 顔はみるみるうちに燃えるように熱くなり、脂汗さえ滲ませはじめた。首に何本も筋を浮かべ、息をすることさえも苦しくてしょうがなかった。非常にまずい。このままでは、暴発の危険が……。
「あ、あの……」
 沙希がおずおずと声をかけてきた。
「もう少しだけ追加料金をいただければ、続きを━━最後まですることも出来るんですけど……」
「つっ……つ、続き……最後? そ、それって……まさかセッ……」
「あっ」
 沙希のブルマのポケットから、ラミネート加工された正方形のフィルムが床にこぼれ落ちていた。中央あたりには円形の膨らみがある。
「そ、そっ、それは……コ、コン……」
 沙希は無言であった。その代わり、床に落ちた避妊具を拾い上げると、両手でつまんで顔の前に持ってきた。フィルムの中心にチュッとキスをすると、緊張した面持ちで牧田に向かって差し出してきた。
「受け取って……くれますか?」
 表情だけ見れば勇気を出して憧れの先輩へラブレターを手渡す後輩女子のようでもある。顔全体が生々しくも真っ赤に染まりきっており、切なげでひどく落ち着かないような表情をしていた。
 脳味噌が煮えたぎるように熱い。もはやまともな思考能力は牧田の脳内に残されてはいなかった。
 牧田は息を呑むと差し出されたフィルムを受け取り、その封を切った。
 

     5

 これほど落ち着かない気持ちでコンドームを装着するのは、童貞卒業のとき以来であった。仰向けのままパンパンに膨らんだ亀頭の先端にリング中央部を当てがい、クルクルと根元まで引き下ろす。
「んっ……」
 腰の上にまたがってきた。
 背中をこちらに向けた背面騎乗位だ。体操着の裾からチラ見えする背中には贅肉などまるでついておらず、尻は小さく引き締まっている。
 背面騎乗位の体勢で、沙希は両脚を大胆に開いた。そうしておいて男根を掴むと、切っ先を自分の股間に導いていった。
「……いれ……ますね?」
 沙希が肩越しに振り返って囁く。牧田は両目をくわっと見開きながらぶんぶんと首を縦に振ることしかできなかった。
「はぁっ……んんんっ……」
 沙希が腰を落としてくる。ブルマと水着をまとめて横にずらし、小さく引き締まった尻の中心にそそり勃った男根が飲み込まれてゆく。沙希はまだあまり濡れていなかった。こちらからはまだ愛撫もなにもしたわけでもないので、それも当然だろう。
 沙希は股間を小刻みに上下させながら、少しずつ肉と肉を馴染ませていった。じりじりと切っ先が肉の中に埋まってゆく。ベテランソープ嬢並みのセックス・テクニックに息を巻いた。
 あまり濡れていないせいか、入り口は狭く、異様に締まる感じがした。そういう挿入の仕方だと乾いた肉と肉が擦れ合う、痛みさえ伴う不快な性交になりがちなのだが、沙希の腰使いが巧みかつ丁寧なので、そういったこともなく結合感が深まってゆく。
「んっ、んんんんっ……」
 沙希は苦しげに呻きつつも、根元までくわえこんだ。ふうふうと息をはずませながら、振り返って瞳を悩ましげに光らせる。
「……ふぅ、ふぅっ……わかります? もう入っちゃってるの……」
「えっ……、あぁあ……」
「ふふ、よかった……」
 沙希は牧田に背を向けると、少しずつ股間を上下に動かし始めた。最初の二、三回こそきつい感じがしたが、すぐにヌルヌルになった。腰を振るっている姿を見られ、興奮しているのだ。
「はぁ、はぁあっ!」
 喘ぎ声も先程まで可愛い系の笑顔を見せていた女子高生とは思えないくらいに色っぽい。股間を上下させるピッチを徐々に上げてくる。出たり入ったりする黒い肉棒が、次第に蜜のヌメリで光沢を帯びはじめる。ズチュリ、ズチュリと淫らな肉ずれ音がたち、狭い部室内でこだまする。
「ああぁーっ、いいよおっ、気持ちいいのぉっ!」
「ううう……おぉぉっ……」
 牧田はじっとしていられなくなり、ブルマに包まれた尻肉に手を伸ばした。弾力に富んだ二つの尻丘が、ゴム毬のように押し返してくる。
「んああっ……ああっ!」
 尻肉を揉みしだくと、沙希は切なげに眉根を寄せて声をあげ、腰を激しくバウンドさせた。
「はぁ……んあぁっ……!」
 淫らな喘ぎ声をあげながら、腰を大きく引き上げた。アーモンドピンクの花びらに吸い付かれながら、男根が出てくる。沙希の漏らした発情の粘液で、肉茎はネトネトとした光沢を放っていた。再び沙希が腰を落としてくる。一番奥までくわえこんで、粘っこく腰をグラインドさせる。
 牧田は声も出せなかった。
 双眸を見開き、呼吸も忘れ、ただ目の前で男根をくわえこみ、男の身体の上で踊るエロスの女神を見上げていた。
 なんといういやらしさであろうか。これまでしてきたセックスが一体なんだったのかと思えるほどに、彼女は━━彼女の腰使いはエロティックであった。
 たちまち射精の前兆が押し寄せてきた。
「うああっ……沙希ちゃん、もう……!」
 沙希はピンク色に染まった頬をこちらに向けてきた。
「いいよ、いつでも……。出して……」
「おおおおぉっ……!」
 牧田はブリッジの要領で下から腰を使いはじめた。尻から骨盤にかけて両手でガッチリとホールドし、ズンズンと突き上げた。突けば突くほど新鮮な蜜を溢れさせ、この世のものとは思えないくらい気持ちよかった。
「はぁ……うぅぅっ、来てぇっ!」
「で、出るっ……もう出るっ……おおおおっ……うおおおおーっ!」
 雄叫びをあげ、ずんっと突き上げた。次の瞬間、煮えたぎるような熱い欲望のエキスが尿道を通り抜け、勢い良く爆ぜた。ドクンッ、ドクンと男の精を吐き出す度に、痺れるような快感が男根の芯に訪れた。身体中をガクガク、ぶるぶると震わせ、身を捩りながら射精を続けた。
 喜びのあまり目に涙さえ浮かべながら、牧田は腰を使い続け最後の一滴まで出し尽くしていた。

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コメント

  1. pncr より:

    GWに入って落ち着いたのでまとめて読ませてもらいました。
    美緒・夕子に続いて沙希までも・・・。
    とくに神聖隊の話はよかった。
    なるほどそれなら全国大会でも優勝できそう。
    もしかして、この調子で全ヒロインを網羅?
    しょうきちさんの趣向からして鏡魅羅は絶対出てきそうだし。
    家庭の事情で風俗ってのはありそう。
    詩織まで経験豊富だったらどうしよう・・・。
    しょうきちさんがどんなふうに詩織を描くのか、いまからとても楽しみです。

  2. しょうきち より:

    ブルー様。コメントどうもです。
    お読みいただきありがとうございました。
    当初は夕子、未緒ときて後は詩織で物語を締めようかと思っていたのですが、前書いてグダグダに終わった話のリベンジを兼ねて、やっぱり沙希にも登板してもらうことにしました。
    この調子で全員出せたらいいなとは一瞬考えたのですが、やはり展開上無理があるキャラや、そもそもエッチシーンを書くのが難しいキャラもいて、それは断念しました。古式さんなんかはその典型で、微妙に存在を匂わすくらいの登場に留めてます。

    鏡魅羅については見透かされてるようですいませんが、やっぱり外せないですよね。もうしばらく先ですがちゃんとエッチシーン込みで登場予定です。

    詩織についてはエッチシーンに至る過程をとにかく丁寧に書きたいと思ってます。沙希の話なんかもそうですが、他ヒロインで出てきた要素が少しずつ伏線として積み上がり、クライマックスで結実するような展開としたいなあと考えています。ご期待ください。

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