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3.レオタード

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作者:ブルー

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「次はレオタードに着替えようか」
「南、持ってないわよ」
「ちょうどこっちで用意しといたからさ。これに着替えてくれる」
「やけに準備がいいな……」
「着替えるのはここで」
「えっ、カメラの前はちょっと」
「時間がもったいないよ」
「でも……」
「ほらほら、どうせ下着も見せてくれたんだしさ」
「……」
 南はしぶしぶ男に渡されたレオタードに着替えた。
 着替えている途中、南はずっと背中に男の視線を感じていた。
「このレオタード、胸元がすごい開いてるわ」
「そういうデザインだからね」
「生地も薄いみたい」
「そっちのほうが南ちゃんの若さが出てて魅力的だよ」
「そうかな……」
「いいよー。最高だ。やっぱり南ちゃんはレオタード姿が一番だね」
「あの……サポーターは?」
「サポーター?」
「レオタードの下につけるやつ」
「あー、ド忘れしてた。ごめんね、次は用意しとくからさ」
 男のわざとらしい言い訳に南は落胆の色を隠せない。
(透けてないかな……心配だな)
 不安げに身につけたレオタードを確認する、南。
 しかも、男が汗のかわりだといって霧吹きをかけていた。
「目線はこっちだよ、南ちゃん」
「は、はい……」
「心配しなくても何も見えてないからね」
「だと、いいけど」
「ちょっと膝を開いて床に座ろうか」
「ここですか?」
「そうそう。たくさんのファンが見てると思って笑顔ね」
「はい……」
 南は男に指示された通りに足を開いて床に座った。
 グラビア撮影の時のようにスマイルをする。
「いいね。可愛いよ。ほんと南ちゃんは新体操の妖精だ」

イラスト『月夜のリボン』さん

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