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31.SMプレイ

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作者:ブルー

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「ああん……ふぅ、ふぅ」
 両腕を背中に縛られた詩織ちゃんが、疲れてフローリングの床にしゃがんでいる。
 下半身裸で、制服もめくれてはだけ、大きな胸は後ろから回された縄によって根元から絞られさらに大きく膨らんでいた。
 汗を吸った赤い髪はほつれ、顔のあちらこちらに張りついている。
 私はそれを息を荒げて見下ろしていた。
 手には、彼女の顔から取り外したばかりの鼻フックがあった。
 詩織ちゃんの両腕は縄で縛られたところから先が赤紫色に変色しており、床に散らばるバイブやローターやムチなどが調教の激しさを物語っていた。
 さきほどまで天井から吊して、縄に挟まれたおっぱいの乳首を洗濯ばさみで挟んだり、糸で結んで引っ張ったり、全身を玩具のムチで叩いたりしていた。
「最後までよく頑張ったね。褒めてあげるよ」
「うう……腕の感覚がない」
「今度は本物のピアスをプレゼントしようか。詩織ちゃんならすごく似合うと思うよ。おやおや、股間がビチョビチョだね」
「ああっ、やだ……どうしてなの」
「SM責めが嬉しかったんじゃないの。勝手にこんな雑誌に載ったりしてさ」

 床には一冊の雑誌がページを開かれて転がっていた。
 今週発売された、『月刊ときめき通信』というJK専門のエッチな雑誌だ。
 その見開きページに、でかでかと制服姿の詩織ちゃんが写っていた。私も知っている駅前の噴水をバックに、両手を体の前で重ねて清楚に微笑んでいた。
 横には大きな見出し文字で【超美少女『藤崎詩織 17歳』降臨! 緊急撮り下ろし!】と書かれていた。
 次のページでは、人のまばらな駅のホームで両手で学生鞄を持ち、一人で電車を待っている遠目からのカット――。
 その次のページでは、いまにもクラシック音楽が聞こえてきそうなカフェでお茶をしている姿を横から撮影していた。テーブルにはティーカップが置かれて、窓からは明るい日射しが差していた。
【赤い髪にヘアバンドがぴったりの彼女は、誰もが知る学校の人気物。将来の夢は好きな人のお嫁さんになること】
 そう書かれていた。

 公園らしき場所で、水飲み場の蛇口に顔を近づけて飲んでいるアップの写真もあった。片手で耳元の髪をかきあげ、水に唇をつけている。ともすればフェラチオのシーンを連想させるカットだった。
【この日の天気も良かったせいかカメラを向けると天使のように笑う。学校に好きな人はいるの? という質問に彼女は恥ずかしそうに「いません」と首を振っていた。文句なしに本誌最強ヒロインの登場だ】

 両手を膝について身を屈めているカットでは、弾ける笑顔をした詩織ちゃんの表情越しに、あからさまにセーラー服の首元の隙間を狙っていた。おそらくカメラマンの指示なのか、あるべきはずの胸当てをしていなかった。そのせいで見ているこっちがドキッとするような胸の谷間が大胆に覗いていた。
【屈みブラチラをしてくれという本誌カメラマンの無茶ぶりに、はにかみながらも素直に応えてくれた彼女。その無防備な仕草に思わず胸キュン!】

 最後は芝生の場所にしゃがんでいる写真で、指先を曲げた左手をやや斜めにした顔先に当てとびきりの笑顔で微笑んでいた。スカートの奥には、ムチッとした太ももに挟まれて純白のショーツが写っていた。いわゆるしゃがみパンチラだ。詩織ちゃんはパンチラショットを撮られているのに気づいてないみたいに、その愛くるしい瞳をまっすぐに注いでいた。
【継続してモデル交渉中! 次号はピュアな彼女のさらに大胆な姿が見れるかも!? ファンレターは編集部宛まで】

「恥ずかしくないのかい、スケベ雑誌のモデルになったりして」
「ああっ、ごめんなさい」
「謝っても遅いよ。いまごろ学校の男子だけじゃなくて、日本中の男たちが詩織ちゃんのパンチラをオカズにマスをかいてるよ。どうしてこんな写真を撮らせたの」
「普通のマンガ雑誌ですって、言われて……」
 詩織ちゃんの弁解はわからなくもなかった。
 撮られた写真自体そこまで過激というわけではないし、校則違反にもならないだろう。今日日のマンガ雑誌ではグラビアなどあたりまえだ。純粋にカメラマンの言葉を信じたとしても無理はない。
 ただ載った雑誌が問題だった。
 他のページのグラビアには、水着や体操服の写真の他、詩織ちゃんと同じぐらいの年齢と思われる少女が思わせぶりに制服を脱いでたり(下着見せ)、ベッドに四つん這いになったり、考えつく限りの猥褻なカットが載っている。そうして最終的には撮影していると思われるカメラマンにハメ撮りされる。マニアックかつコアな雑誌だった。
 おかげでまだ学校に知られていないのが不幸中の幸いと言うべきか。私はたまたまそれを行きつけの本屋で見つけた。

「それにしても、この本を見たらみんな詩織ちゃんのことを真面目でピュアな女の子だってイメージするんじゃない? 当然、処女だってさ」
「ごめんなさい。そんなつもりなかったのに……」
「それだけ詩織ちゃんは男の理想通りの女の子なんだよ。いつぐらいに撮られたの?」
「二週間ぐらいまえ、帰ってるときに」
「名刺もらったの? 携帯の番号も教えた?」
「は、はい」
「とにかくそのカメラマンとは絶対に一人で会ったらダメだよ。携帯も着信拒否だ。これ以上、詩織ちゃんの貴重なパンチラを全国のやつらに見せるのはけしからん!」
 詩織ちゃんは、そのカメラマンがどんなに危ない相手かもわかっていないようだった。
 とりあえず私との約束にはうなずいてくれた。

「ほんといつもハラハラさせられるよ。スケベな男をどんどん呼び寄せる」
「ごめんなさい」
「まあ、そこが魅力でもあるけどね」
「これからは気をつけます……」
「フフッ。今日は謝ってばかりだね。ついでに例の件も頼もうか」
「はい??」
 詩織ちゃんが不思議そうに眉をひそめる。
「明日、沙希ちゃんとメグちゃんを連れてきてもらえるかな」
「……え?」
「一緒に勉強しようとか言って誘えば来てくれるだろ」
「どうして沙希ちゃんたちを……??」
 心配そうな声だった。
「もちろんハメハメして、詩織ちゃんと同じ目に合わせるためだよ」
 両腕を縛られている詩織ちゃんが立ち上がる。
 ヨタヨタと私のところへ歩いて、必死な面持ちで見上げた。
「だ、だめっ」
「まさか忘れたとは言わせないよ。海水浴のとき言っただろ? それとも白状する? 詩織ちゃんの秘密をすべて」
「ああ……うそだと言って」
「心配しなくても無理矢理とかはしないよ。二人もエッチに興味があるって教えてくれただろ?」
「そ、それは……沙希ちゃんもメグも男の人と付き合ったこともないのに」
「だからだよ。この私が詩織ちゃんの次に人気のある沙希ちゃんと、まだ子供っぽいメグちゃんの体をむしゃぶり尽くして、マンコの奥からセックス慣れしたJKに変えようとね……グフフ」
「ううっ……沙希ちゃんたちがかわいそう」
「胸が痛む? 詩織ちゃんは私とこういう関係になって後悔してるのかな?」
「くっ、そうじゃないけど……」
「だったらさ。親友の二人も仲間にさ。どのうち女の子は経験するんだよ」
「でも、どうやって……メグは男の人の前だと……」
「そこは詩織ちゃんがうまくアシストするって寸法さ。詩織ちゃんの言葉なら二人とも従うでしょ」
「やっぱり、自信がない」
「じゃあ、明日はスカイプで紹介する形にしようか。それならメグちゃんも平気だろ。ネットで知り合ったおじさんにパンティーを見せたらおこづかいがもらえるのよ、とか適当に話を持ち出してさ」
 私は落ち着かせる意味で、彼女の頭を優しく撫でた。
 詩織ちゃんは静かに私の胸に頬を当てていた。
 親友の二人を私に売る決断に、ピュアな心がひどく痛んでいる様子だった。
「私の奴隷ならできるはずだよ」
「ああ……二人にひどいことをしないって約束してくれますか?」
「ムフフ、いいよ。詩織ちゃんの大切な友達だからね」
「わかりました……やってみます」
「それでこそ詩織ちゃんだ。うまくやったら詩織ちゃんにもご褒美をあげよう」

 ヨシヨシと、縄で縛られている詩織ちゃんを抱きしめる。
 明日はおちおち仕事をしてられないな、と私は思った。

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