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chapter1~順風満帆の大学生活~
作:クマ紳士連絡
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2019/03/06
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「タマ姉〜!」

「あ、タカ坊」

そろそろ教室を出ようかと荷物を整えていた時に、出入口から名を呼ばれた。でも、私の事をタマ姉なんて呼ぶのは校内には1人しかいない。

「今帰り? 講義は終わったんでしょ? 一緒に帰ろう?」

河野貴明君。私の彼氏だ。高校の時からお付き合いを始めて、九条大学院に私と一緒に進学(私は彼を待って一浪)してくれた。もう離れたくないという私の願いと、向坂家の長女である私に相応しい男になりたいと彼が願ってくれた結果だった。大学一年目の私達は、既に幸せの絶頂だった。校内でも有名なバカップルと噂されたこともある。

……人目もはばからずお互いに呼びあったり、抱き着いたりしてるからね。バカップル呼ばわりされても、仕方ないか。

私は元々彼さえ居れば、場所はどこだろうと関係なかった。けれど最近は彼の方も私に甘えてくるのが多くなった。

「ん〜? どうしようかしら?」

「え? タマ姉、何か予定あるの? 今日はこのまま一緒に家に帰ってさ……」

「帰って、どうするの?」

「それはさ、その……」

顔を赤くしたタカ坊が口ごもる。可愛い反応に思わず抱きしめたくなるが、今はダメだ。

「ごめんね、タカ坊。今日はこれから用があって……」

「環ちゃん、早く〜!」

「あ、貴明君だ。ごめんね。今日は環ちゃん借りるから!」

教室の後ろの席から女生徒が2人近寄って来て、私の両腕を掴んだ。逃がさないとばかりに腕を組まれ、私もつい苦笑い。

「今日はね、2人とお食事に行く約束をしてたの。だから、今日は雄二と出前でも取って食べてて」

私が彼に謝ると、タカ坊は明らかに気落ちしガックリと肩を落とした。その反応が可愛くて、ついつい笑ってしまう。

「ごめんね。明日は一緒に帰れるから。愛してるわ、タカ坊」

額に軽くキスをすると、俺もだよとタカ坊が言ってくれた。私は嬉しくて、すぐにでも抱きしめてあげたかったが、両腕を掴んでいた2人が早く行こうと催促してきた。

九条院にいた頃からのお友達で、A子ちゃんとB子ちゃんは大学院に入ってからも友達になってくれた。

タカ坊にも紹介済みで、私達に対し遠慮なく付き合いをしてくれる。そんな2人がたまには一緒に食事しようと誘ってくれたのだから、断ることは出来ない。いつも私は彼を優先して、2人に付き合って遊ぶことはしない。今回は女子だけの食事会ということで、タカ坊も誘えないのだ。

「じゃあ行ってくるわ、タカ坊」

「行ってらっしゃい。楽しんで来てね、タマ姉」

彼に見送られながら、私は九条院を後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「とりあえず、今日のおすすめを3人前と、飲み物は……私、アイスコーヒーで。B子は?」

「あ、私、ソーダ! 環ちゃんは?」

「そうね……ウーロン茶で」

店員が畏まりましたと、離れて行くとA子ちゃん達はメニュー表を見ながら、はしゃいでいた。

私はそんな2人をよそに、通された部屋に視線を送る。

……お座敷の個室なのね。初めて来たお店だけど、お刺身や揚げ物なんかの和食料理をお出しする店みたい。

入り口付近にはテーブル席もあったが、2人は予約をしていたようで名前を出したら奥へと通された。行きつけの店なのかと思ったが、2人も初めてらしくメニュー表を見ながら物珍しそうに目を走らせていた。

「環ちゃん、そう言えば今日はスカートなんだね。いつもズボンのイメージだから、珍しいかも」

「そうね。たまにはスカートで出かけるのも良いかと思って」

B子ちゃんが思い出したように話を振ってくる。確かに彼女の言う通り、大学ではスカートはあまり履かない。動きやすく、着慣れたズボン系を好んで着ている。タカ坊と一緒に通っていた高校では制服はミニスカートだったが、今はほとんど履いていなかった。

「トップスもさ、何だかオシャレ〜だよね。Vネックのブラウスで色も春らしくて素敵。環ちゃんはスタイル良いから、何着ても似合って羨ましい」

「そんな事ないわよ。私、可愛い系は似合わないし。オシャレって言われても、私そんなにお洋服買ったりしないから」

2人に詰め寄られ、苦笑を返す。そんなに上に担がれても、どう反応していいか困る。2人とはお友達で居たいのに、変な偶像化をされてしまいそうだ。

私の話から2人の目を逸らそうと、声を掛けようとした時だった。個室の襖戸が開き、

「ごめんね〜! 遅れちゃった〜!」

「もう、遅い〜! 遅刻だよ〜!?」

……え?

入り口に立っていたのは見たことがない、男の人が3人。2人に平謝りしながら中に入ってくる。テーブルを挟んで私の正面に座っていた2人が、慌てて私の隣に座る。その空いたスペースに当然のように男の人が3人、座って来た。それと同時に、

「お、可愛い〜! なに、この子? 君らの大学の子? いいね〜!」

「マジじゃん! ね、彼氏いる? 好みのタイプは?」

矢継ぎ早に質問を浴びせかけられる。見れば話し掛けて来た2人の男は肌が色黒で、髪を金髪に染めて耳にピアスを付けていた。さらには相手を無視した無遠慮な物言い、すでに私の苛立ちは限界に近い。

「も、もう環ちゃん困ってるじゃん。質問は自己紹介のあとにしなきゃ!」

「そうだよ。ね、環ちゃん?」

2人が男の人達を諌めてくれるが、私は2人にも苛立ちを感じていた。

「……今日は女の人だけの食事会じゃなかったの?」

思わず視線に力がこもってしまい、2人がたじろいだ。

「ごめんね。実はさ、この間この人達に街で声を掛けられて……今度食事しようって。あっちは3人だからさ、人数合わせた方がって話になってさ」

「軽い合コン? みたいな。黙っててごめん。でもさ、男の人来るって言ったら環ちゃん……」

「……私、帰るわ」

2人の台詞を途中で切り、席を立つ。自分の感情をこれ以上抑えられそうにないし、タカ坊を裏切る行為なんて絶対したくなかった。2人が必死に止めて来るがお構いなしに出口へ向かって歩こうとする。そこへ、

「……帰らない方がいいんじゃない?」

先程まで口を開かなかった男の1人が私を呼び止めた。他の2人と違い、肌の色は普通だったが髪を茶髪に染めて、片耳にはピアス。軽い印象は他の2人と変わらない。私は呼び止めてきた男を睨みつける。

「君はどうか知らないけどさ、お友達は食事楽しみにしてたんじゃない? 場の空気壊してくの?」

「私は」

「男の人が苦手かもしれないけどさ、お友達が悲しむから、食事だけでもしとこうよ」

「……」

馴れ馴れしい物言いだったが、一方的に会話を打ち切って帰ろうとしてしまったのは事実。合コン、というワードに過敏に反応し、タカ坊を裏切りたくない感情から行動してしまった。彼はもちろん大事だが、彼女達も大事なお友達だ。私が帰ることで、確かに2人に迷惑を掛けてしまいそうだし……。

「環ちゃん、やっぱり帰っちゃう?」

2人に泣きそうな顔で見られ、罪悪感が押し寄せてくる。騙し討ちはされたが、ただの食事会と思えばいいだけ。

「はー……。分かったわ。もう少しだけいるわ。ただし、今度からはきちんと言ってね」

席に戻り、座り直すと2人からありがとうと言われた。2人にとっては大事な出会いの一つだし、彼氏がいない2人の前でタカ坊とイチャついてしまってもいた。疎まれてもおかしくはないが、2人はいつも笑って見守ってくれていたし……今日は付き合おう。

「ねえ」

「なんですか」

「君、俺とどこかで会ったことない?」

座り直した正面の席には、茶髪の馴れ馴れしい男。口調は柔らかいが、どこかこちらを見定めているような視線を送ってくる。どこかイヤらしい視線にも思えたが、無視しながら答えた。

「ないわね。私の知り合いに、貴方みたいなチャラついた人はいないわ」

バッサリ切ったつもりだが、男は笑みを返してきた。余裕のつもりかもしれないが、どこか気に入らない。

「そっか、よろしくね。環ちゃん」

男の馴れ馴れしい態度は止まらない。しかし、いざとなれば力でねじ伏せてしまえばいい。

ーー私は、油断なんかしない。
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