しょうきち

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (10/18)　次　＞＞　10月に入り、暫くが過ぎた頃。　秋風が冷たさを帯び、校門脇に植えられた落葉樹も紅く染まる、そんな季節。　放課後。終業のチャイムと共に帰宅の路に就く生徒、部活へ向かう生徒...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (9/18)　次　＞＞　青みがかったショートヘアが、９月の夜風を受けてパタパタと揺れていた。セーラー服を通り抜ける秋風は心地よいものがあり、このままずっと眠り続けていたかった。　沙希は夢を見てい...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (8/18)　次　＞＞　夜の東京都心。　シンの駆るバイクは、環状八号線を流すように走り続けていた。ちらほらと見える街灯やマンションの光が、次々と後方へと流れては消えてゆく。　後部シート上にはヘル...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (7/18)　次　＞＞　『グリーニー』と呼ばれる薬品がある。　名前の通り緑色のカプセルが特徴のこの薬は、服用すると興奮状態となり、集中力アップ、疲労回復、沈痛作用等の効能があると言われており、日...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (6/18)　次　＞＞　沙希を背に乗せたバイクが向かった先は、東新宿にあるタワーマンションであった。　建物の造りは正面一面がガラス張りで、階数は30階以上はあろうかという高さである。地上にはよく...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (5/18)　次　＞＞　あれからおよそ１ヶ月が過ぎた。　沙希はあの一件以来、殊更無為に日々を過ごしており、気付けばあっという間に夏休みも終わり、二学期が始まっていた。　その間は未緒とも会っていな...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (4/18)　次　＞＞「うう……うあぁぁン、嫌ぁッ！」「ああ……沙希ちゃん、出すぞっ！」「ああっ……また……」　意識を取り戻した後も、沙希は再び犯されていた。そしてそれは、日が落ち街が夜闇に飲み...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (3/18)　次　＞＞　マサとシンの２人組は、受付の店員とは気心が知れた様子であった。マサが軽く目配せすると、店員は心得た様に軽く口元を歪め、シンにリモコンと鍵を手渡した。　そして案内された個室...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (2/18)　次　＞＞　あの試合から一週間が過ぎていた。　きらめき高校は終業式を終え、既に夏休みへと入っている。「はい沙希ちゃん、持ってきたよ。この間は残念だったねぇ」「うーん、あそこでもっと早...

作者：しょうきち＜＜　前　　堕ちた勝利の女神 (1/18)　次　＞＞「ワー、ワァーッ！」　７月下旬。東京都新宿区明治神宮外苑、明治神宮野球場。うだる様な猛暑の中、この歴史と伝統ある球場はひときわ大きな熱気に包まれていた。　この日行われている...