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2.朦朧とする意識の中で

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作者:メルト

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 あれ……ここはどこだろう。

 朦朧とした意識の中でうっすらと目を開ける彩花。
 『おっと、目を覚ましてしまったかな?』
 まるでもやが罹ったような映像を見ているような感覚の彩花に気づいた男が近寄ってくる。

 動けない……
 『ふふふ、どうやら麻酔の量が少し足りなかったみたいだね』

 身体を動かそうとするが指一本動かせない彩花の顔の上で手を動かし彼女の意識が朦朧とした状態であると確認した男は
 天井から吊るしてある4つの点滴用のパックの接続口を確認する。
 『神薙 彩花、君は実に素晴らしいね。
どういうわけか、君の身体は多少の生体調整や手術を行えば多くの異星人との交配が可能だ
これは、本当に素晴らしいことだよ。なんせ多くの地球人に大半は異星人との交配を行うと
異星人の子供が胎内で成長する過程でショック死してしまうなんてケースが大半でね』

 何を言っているんだろう……

 目の前にいる男が言っているのはぼんやりと理解はしたが聞いたこともない言葉で、さも嬉しそうに話している様子に嫌悪感を
感じていた彩花は無意識に動かない指を動かそうとした。

 『このパックにはいっているのは、ヤモールの疑似体液というやつでね注入した生物の身体をヤモールの身体に一時的に近づける
代物なんだよ。そして今、それを君の卵巣と子宮に注入しているところだ
 わかるだろう、君の下腹部に刺さっている3つの針から流れる液体が身体をヤモールのメスに変えていることに』

 よく分からない専門用語を織り交ぜながらはなす研究員の会話をぼんやりと聞いている彩花の思考がだんだんと鈍くなってくる。
指を動かすどころか思考すらもできなくなってきた彩花の様子を見た男は嬉しそうに語る。

 「ふふふ、どうやら、長話に疲れてしまったようだな。ゆっくりと休むといい。 次起きた時には君に求婚するヤモールのオス達の求愛が待っているだろう
しね」

 そんな言葉を聞きながら彩花は睡魔に眠りを委ねた。

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