あやなチャンネル 7

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「ご用件はなんでしょうか、先輩」

「以前から気になってたんだけどさ、俺と付き合わね?」

「ごめんなさい」

「ぐあっ、秒殺!!」

昼休憩の教室ーー。

綾菜はクラスメイトの、のぞみとおしゃべりをしていた。

「モテ埼先輩、なんだって」

「んー、べつに」

「ありゃりゃ。その様子だと、女子人気ナンバーワンの先輩も返り討ちか。さすが我が校の誇る撃墜王ね。今月だけでいったい何人の男子を泣かすつもり」

「からかわないでよ」

「もったいないもったいない。あたしなら映画どころかホテルでも喜んでついていくのに。サッカー部のエースストライカーで長身の先輩のどこが不満なわけ」

「わたしは彼がいるし。それに、ああいうタイプはちょっと苦手かも」

「お堅いというか真面目というか。綾菜は昔からそうよね。いいじゃない。隠れて付き合えば。転校したんだしバレっこないわよ」

「他人事だと思って無責任なことばっかり」

「そういえば、B組のいくみが経験したらしいわよ」

「陸上部の?」

「夏休みに海で知り合った大学生だって」

「意外。走ることしか興味なさそうなのに」

「のん気なことをいってていいの。クラスの女子の半数は経験済み。いまだにお子様なのは、綾菜ぐらいかも」

「そういうのぞみはどうなのよ」

「あたしはとっくに経験済み。相手はバイト先の店長」

「ウソでしょ。聞いてないわよ」

「すこしは焦った?」

「う、うん……」

「ふふっ、年上の男性はいいわよ。女性の扱いを熟知しててやさしくリードしてくれる。綾菜は元々ファザコンだし、はじめてエッチする相手は年の離れた大人が断然オススメ」

「やめてよ。高校生だし、まだわたしには早いわ」

「もしかして、いまどき恋人のために操を立てるのが正義とか思っちゃうタイプ? 大学生になっても、まだ処女ですなんていったら笑われるわよ。処女と童貞のカップルでぶっつけ本番なんて目も当てられない。彼氏のためにも綾菜が経験を積んでたほうが絶対にいいわよ」

「そうなのかなぁ」

「だまされたと思って試してみなさい。経験者がいうんだからまちがいなし!」

「……いまいちピンとこないかも」

掃除の時間の中庭――。

「おい、桂木。背中にでかい虫がいるぞ」

「エエエ、わたし、虫が苦手なの!! おねがい取って!!」

「わかったから落ち着け。暴れたら取れないだろ」

「はやくはやくして!!」

「ねえ、まだ?」

「色は白か……」

「きゃああ! どこを見てるのよ!!」

「いやぁ、すばしっこいヤツで」

「そんなところにいるわけないでしょ。これだから男子は!!」

「ご、ごめん」

あやなチャンネル 1|ブルー
桂木 彩菜(かつらぎ あやな) 青葉高校2年 新体操部 得意科目:英語・音楽 性格:だれにでもやさしくて明るい・すこし天然 鏡の前で身だしなみのチェック。 朝食はハムエッグにトーストとサラダを食べた。 階段の下から「早くしないと遅刻するわよ...

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