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2.盗撮

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作者:ブルー

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 昼休憩――。
 公人が教室でのんびりしていると好雄がやってきた。
「暇そうだな。食堂に行かなかったのか」
「めんどくさいから購買部のパンで済ませた」
「青春真っただ中の高校生がぼっちかよ。さびしいねー」
「うるせー」
「ボッチマンのおまえにいいのを見せてやろう」
「新作のゲームで買ったのか?」
「もっと価値のあるのだよ。ほら」
 好雄はスマホの画面を公人に見せた。
 体育館の練習場で、青と白のレオタード姿をした詩織がフープを手に真剣な表情で練習をしてる画像があった。
「新体操部の練習を盗み撮りしたのか」
 詩織は新体操部に所属している。
 2年生ながら都大会で入賞するほどの実力の持ち主だ。
 放課後には専用の練習場で汗を流している。
 詩織が入部して以来、放課後になると見学者が殺到したため、いまでは関係者以外立ち入り禁止になっている。
「なんだよ、見たくないのかよ」
「そうはいってないだろ」
「こんなのもあるぜ」
「うお!」
 レオタードの食い込みを指で直している画像に、思わず公人はくぎ付けになる。
 レッスンをした直後で、詩織の色白い肌は薄っすらと汗ばんでいて色っぽい。
「バッチしだろ」
「好雄は盗撮の天才だな。ナンパは失敗してばかりだけど」
「一言多いだろ。またいいのが撮れたら見せてやるよ」
「あんまりやりすぎるなよ。バレたら殺されるぞ」
「そんなヘマするかよ。あーあ、詩織ちゃんなら絶対トップアイドルになれたのに」
「まだいってるのか」
「このビジュアルだぜ。国家レベルの損失だと思わないのか」 
「本人にその気がないんだからしょうがないだろ」
「お前はいいよな、幼なじみだし。うらやましい奴だぜ、まったく」
「幼なじみつっても、家が隣ってだけだしな」
「詩織ちゃんが他の男と付き合ってもいいのか。俺なら速攻で告るぜ」
 家族ぐるみの付き合いで、物心がつくまえから一緒に育ってきた。
 公人にとって詩織はあこがれの少女だ。
 一方の好雄は、高校に入学した時からの大ファンだ。
 校内には非公認の詩織ファンクラブまで存在する。
「詩織は高校の間は彼氏は作らないってさ。いまは勉強と部活に忙しいんだろ」
「それでこそきらめき高校のマドンナだよな。勉強もできてスポーツも万能、おまけに性格もいいし。まさに高根の花だよ」
「怒ると怖いけどな。好雄のことも薄々気づいてるみたいだぜ」
「マジか?」
「この間も、好雄くんって、いつも女子の写真を撮ってるのかしら? っていってたぜ。詩織はガキっぽい男子は嫌いだからな」
「ガーン。もし詩織ちゃんに嫌われたら、このさき生きていく自信ない」
「ハハハ。オーバーだな」
 落ち込む好雄を見て公人は笑い飛ばした。

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