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2.浴室

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作者:ブルー

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 結局、リンゴも食べ損ねてしまった。俺のぶんは雄二がとっとと食べてしまった。
 マー坊は手柄を立てたようにタマ姉の膝に座ってリンゴを頬張っていた。あ~んと大きな口を開けて、タマ姉にリンゴを食べさせてもらっている。クチャクチャ音をさせていた。

 タマ姉のあとをついて行こうとしたマー坊の腕を掴んで引きとめた。
「なんだよ、はなせよ」
「はなせよじゃないだろ。それが年上に対してする口のききかたか」
「えらそうな顔すんな。居候のくせに」
「さっきどうしてタマ姉を呼んだりしたんだよ」
「知らねえよ。お前が悪いんだろ、タマお姉ちゃんの部屋に勝手に入ったりして」
「っっ!!」
 すごい生意気な顔をしていた。へへへっと鼻の下を指でこすって、俺をバカにした目をしてた。
 ゴチンとゲンコツを入れた。

「なにしてるのよ、タカ坊」
 驚いた顔でタマ姉がこっちを向いてた。
 俺はしまったと思った。あわてて事情を説明しようとすると、それより先にマー坊がタマ姉のところに駆けっていって「こいつが俺のこといじめるぅ」と泣きついていた。タマ姉の見てないところでべーっと舌を出す。
「あー、こいつウソ泣きか」
「うわああん。恐いよ、タマお姉ちゃん。あいつがにらんでる」
「まてまて。なにをいってるんだよ」
「タカ坊!」
 タマ姉の声が尖っていた。俺のことをスッと細まった目で見下ろしていた。
「ちがうよ、タマ姉。こいつが俺をバカにして。さっきだって」
「どうして? この目で見てたのよ。こんな小さな子供をいじめるのが褒められることだと思うの?」
「だからちがうって。それにはちゃんと理由があってさ」
 俺は必死になって弁解したけど、マー坊のウソ泣きの前ではかえって逆効果だった。
 しゃがんだタマ姉はマー坊の頭を抱いて「よしよし、かわいそうに。ほんとごめんなさいね、悪いお兄ちゃんがいじめたりして。かわりに私が叱っておくからね」と慰めていた。もう完璧にマー坊の味方だ。これじゃどっちが悪者かわからない。
 このあと正座をさせられてきっちりと説教をされた。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 勉強が一段落して居間に行くと、裁縫道具を手にしたイルファが雄二の制服とにらめっこしていた。危なっかしい手つきでボタンを縫い合わせている。他には誰もいなかった。開け放たれた縁側の向こうには雲ひとつない夜空が広がり、月が裏山の輪郭を浮かび上がらせていた。木の葉の擦れあう音がした。
「何してるの?」
 声をかけるとイルファは青い髪を揺らして大きな瞳で見上げた。
「お裁縫の特訓です」
 にっこりと微笑む。こうして見ていると本当に人間と変らない。ちょっと思い込みが激しいところもあるけど、礼儀正しくて落ち着きがあって家事もそつなくこなす。でも、イルファは正真正銘のメイドロボだ。耳の所にはセンサーが見える。群青色のブラウスに白のエプロンを組み合わせたようなメイド服と、小豆色をしたプリーツスカート、黒のオーバーニーソックを普段から着用している。
「そういうのってさ、裁縫プログラムとかあるんじゃないの」
「ええ、ですがこういうのは体で覚えるべきだと環さまに言われて」
「タマ姉はなんでも実践タイプだから」
「素晴らしいお方です、環さまは。私の知らないことを知ってらっしゃるだけでなく、女性としての立ち振る舞いを完璧に心得られています。こうして向坂家で武者修行をさせてもらっているおかげで、プログラムにないことまでとても勉強になります」
「イルファは頑張り屋さんだね。タマ姉の姿が見えないみたいだけど?」
 居間には俺とイルファ以外の気配がなかった。マー坊の姿も見えなかった。

「環さまはマサヤさまとお風呂に入ってらっしゃいます」
「お風呂? 一緒に?」
「はい。マサヤさまはお一人でお風呂に入れないとか」
「あの年で? 一人で風呂にも入れないとかあるのか、普通」
 思わず一人でツッコミを入れそうになった。
「家ではメイドロボに入れてもらってるとか」
「メイドロボ?」
「ええ、そううかがいましたけど」
 イルファは俺を見て不思議そうな顔をしていた。

(タマ姉の裸が目的だな)
 スケベそうな顔をしてタマ姉の下着の匂い嗅いでいるマー坊の姿が浮かんだ。
 俺はすぐに玄関から外に出た。足早に庭を横切り裏手に回る。
 ザッパーンというお湯をかけ流す音がした。連子の窓から灯りがもれていた。足音を消してそっちに行く。壁に体をくっつけて覗いた。
 もうもうとした湯気の向こうに年代物の檜作りの浴槽と体にバスタオルを巻いたタマ姉の姿が見えた。マー坊の後ろにしゃがみ座りの格好で頭を洗っていた。
「目をしっかりつむってるのよ」
 タマ姉の声がこもって聞こえてくる。湯手桶のお湯をマー坊の頭にかけていた。
「それにしてもよく日焼けしてるわねえ」と、湯手桶を横に置いて、かわりにモコモコしたスポンジを手にした。ボディソープをたっぷりとかける。つるんとしてまだ小さいマー坊の背中を洗いだした。
「お父さんとはお風呂入らないの?」
「いっつも遅いよ。たいてい寝てるときに帰ってくるかな」
「そっか。寂しいわね、それは」
「そうでもないよ。メイドロボがいるしさ」
「ああ、そうね。食事の準備とかもしてもらってるんだっけ」
「お風呂もね、へへへ」
「ふ~ん。メイドロボって、イルファみたいなのよね。あれってすごく高価なんじゃない」
「知らないの? うちの工場でメイドロボのチップ製造してるんだぜ」
「そうなんだ」
 ネコみたいな瞳をしばたかせてタマ姉が感心している。タマ姉は物知りな反面、機械とか流行にはかなり疎い。マー坊の腕を横に広げさせて洗っていた。スポンジを子供の肩から腕の先へ動かそうとする。マー坊の背中にバスタオルの胸が触れていた。窮屈な胸元が水気に濡れ、いつもみたく重そうに弾んでいる。ときどきつま先の位置をずらしていた。成熟した太ももが色っぽかった。
「マー坊も早く一人で洗えるようにならないとダメよ」
「ええー」
「なによ、そのええーは?」
「だってさー、えらい男は女に体を洗ってもらうんだろ。お父さんがそう言ってたよ」
「またずいぶん時代錯誤な考えね」
「メイドロボがいるじゃん。それに俺はタマお姉ちゃんを嫁さんにして洗ってもらうからいいよ。向坂家の女は男に尽くすために教育されてるんだろ」
「んー、すこし違うと思うけど、昔はそうだったかもしれないわね」
 タマ姉が苦笑している。相手が子供で父親の言葉を真に受けているからなんとも言えないのだろう。
「タマお姉ちゃん。もっとゴシゴシしないと汚れが落ちないよ」
「うーん、そうなんだけどね」
「ほーらー。どうしたの。もっとちゃんと洗ってよ」
 マー坊がスポンジを握ったタマ姉の腕を引っ張る。タマ姉の胸がむぎゅうってなってた。
「こら、そんなふうにされたら洗えないでしょ」
「へへへっ。まだ汗とか残ってるからさ」
「もー」
 タマ姉はしかたないという感じだった。まるでタマ姉が密着するような格好で、手に持ったスポンジでマー坊の体をごしごしと磨いた。

「ねえねえ、タマお姉ちゃんってメイド服持ってないの? 俺、タマお姉ちゃんがメイド服着てるの見てみたいな」
 マー坊が鼻の下を伸ばして言った。まるで背中に当たるタマ姉のふくらみを楽しむように。
「それってイルファが着てるのみたいなのよね。うちはどっちかっていうと割烹着とかかしら」
「割烹着??」
「ほら、小料理屋さんの女の人とかが着てるような服のことね」
「そういうのじゃなくて、もっとスカートが短くてヒラヒラしてるのだよ。ぜったい似合うよ。今度貸してあげる。うちだとみんな着てるよ」
「あー、ありがとう? みんなってメイドロボよね。ってことは一台じゃないんだ」
「金持ちは何台も持つのが普通なんだぜ。お風呂のときは俺が脱がせるけどね」
「メイドロボを裸にさせて洗ってもらってるの??」
「当たり前じゃん。お風呂に入るんだしさ」
「そっか。お風呂に入るのに服を着たままってわけにはいかないわね」

 洗ってるうちに結び目がほどけてバスタオルがハラリと落ちた。タマ姉の巨乳があらわになる。ほんとタマ姉の胸は大きい。瑞々しくてタユンタユンで、ツンって前に飛び出している。その胸がマー坊の背中に当たってむにゅりって歪んでいた。ボディソープの泡にまみれてむにゅむにゅになる。タマ姉はちょっとやばいなーっという顔をしていた。
「タマお姉ちゃん、もっとおっぱいを押しつけるようにして洗ってよ」
「へっ?? なによ、それ」
「知らないの、一流のメイドはご主人さまの体を前と後ろ同時に洗うんだよ」
「誰に聞いたの、そんなデタラメ」
「デタラメじゃないよ。お父さんが言ってたし、メイドロボもちゃんとそういうプログラムしてるよ」
「あのね、マー坊。そういうのはあんまり他の人とかに話しちゃダメよ」
 やや驚いた感じをしたタマ姉がお姉さん口調で注意していた。
「ええー、いいじゃん。タマお姉ちゃんしてくれないのー」
「しません」
「ケチんぼ。いいよ、それならあのイルファとかいうメイドロボにしてもらうから」
「なにをいってるの。まずいわよ、イルファはうちのメイドロボじゃなくて向坂家に武者修行に来てるだけだし」
「それならタマお姉ちゃんが俺の専属メイドロボになってよ。客人には礼を尽くすのが向坂家のしきたりだろ」
「んもう……どこで聞いたのかしら」
 タマ姉が瞳をしばたかせて半分あきれている。マー坊の背中に胸を押しつけたまま固まっていた。

 俺はどうしてあいつがタマ姉とお風呂に一緒に入れるんだと思っていた。かといってここで文句を言えるわけもなかった。覗いていることがバレたらさっきのアイアンクローどころではないってわかっていたからだ。タマ姉スペシャルの卍固めでバキバキにやられてしまう。
(あいつタマ姉が怒らないと思って調子のってるな)
 雄二が可愛げのないガキだと言ってたのがよくわかった。

 タマ姉がマー坊の体の前をスポンジで磨きながら、押しつけた胸をゆっくりと上下に擦りつけはじめた。ソフトボールみたいな巨乳が歪んで動く。ピンク色の乳首が上に下にクニリクニリと曲がっていた。
「っ……ンン」
 吐息の混じったタマ姉の息づかいが俺のところまで聞こえた。さっきよりタマ姉の乳首が立っているような気がした。
「メイドロボよりやわらかいね」とマー坊は嬉しそうに声を弾ませている。悪知恵を働かせるように離れた目と目を動かしていた。もしかして家ではメイドロボにもっといろんなことをさせているのかもしれない。
「タマお姉ちゃん、下もしっかり洗わないと」
「えっと……」
「おちんちんだよ、おちんちん。大人なんだから知ってるでしょ」
 声だけはしっかり悪ガキの声だ。スポンジを握っているタマ姉の手を持って下に動かした。
 のぼせたみたいにタマ姉の顔が急激に赤くなる。
 俺もマジかと目を疑った。それまでタマ姉ばっかり見てたので気づかなかったが、マー坊のそれは完全に勃起していた。
(うわっ。なんだよあれ。こいつほんと小学生か??)
 本当に驚いた。そこだけ見れば中学生とかと大差がないと思う。
 絶句という感じのタマ姉は、なるべく距離を取ろうとするみたいにマー坊のアレをスポンジで慎重に擦りはじめた。ヘソのところまで反り返った裏側を泡で包んで擦る。
 ビクンと震えた。さらに大きくなったみたいだった。
「じれったいなー。手でしてよお、直接さ。へへへっ」
「!? なにをいってるの、マー坊」
「スポンジだとうまく洗えないでしょ。メイドロボには手で洗わせてるよ」
「そうなんだ……って、じゃなくて」
「いいじゃんー。スポンジも手も一緒じゃんかよー」
「ダメに決まってるでしょ。教育上よくないっていうか、タカ坊にも悪いし」
「いいじゃんいいじゃん! さっきメイドロボのかわりになってくれるって約束したばっかりだろ」

「それはそうだけど」
 タマ姉が口ごもっていた。らしくない曇りがちな表情、視線を落ち着きなく動かしていた。
 マー坊はその間も困らせるようにタマ姉の手にアレを押しつけていた。
 しばらくしてトーンを落とした声で「他の人に内緒にできる?」と言った。
「するする! 約束するよ!」
 調子のいい返事をする。期待に胸を膨らましたみたいにアレがますます反り返っていた。
「ハア、しかたないか」
 タマ姉が大きく息を吐いた。スポンジを置いて、泡をまぶした右手でマー坊のアレを後ろから優しく握った。ムケ上がった先っちょまで軽く扱いた。同時に左手を金玉袋の下に添えて、手の平に乗せるように丁寧に揉み洗う。押しつけた胸をズリズリと上に下に往復させた。まるでソープランドの手コキサービスのようだった。
「ううう、チンコ大きくなるよ、タマお姉ちゃん。もっと強く握って」
 風呂椅子に座っているマー坊がうわずった声を出して軽くのけぞる。まるで発情したサルみたいな真っ赤な顔をして腰をピクピクさせていた。
(こいつとんでもないガキだぞ)
 俺は驚きを通り越して寒気さえ感じていた。
 タマ姉もそれが普通の状況ではないのはわかっているのだろう。だんだんと息づかいが険しくなってきた。それでも年上としての責任感からか右手で繰り返し扱いている。シュッシュッという音が二人の息づかいに混じって聞こえていた。

「うあ、出そう、タマお姉ちゃん」
 いきなりマー坊が体をよじってストップをかけた。逃げるように立ち上がって向きを変える。ハアハアと興奮した顔で、タマ姉のほうに体を向き直ってた。ちょうど俺の覗いている窓からはマー坊のつるんとした背中が斜めに見える位置だった。いがぐり頭の後頭部やまだ骨格の発達しきっていない背中だけは、本当にその辺の子供と変らない背格好をしている。
 タマ姉はマー坊が向きを変えた理由がわからない様子でキョトンとしていた。両手をしゃがみ座りをした膝のあたりに置いていた。肩で息をして、タマ姉の乳首がとてもいやらしく反応しているのが見えた。ひざ掛けみたいに崩れたバスタオルからは、よく発達した太ももがのぞいている。お湯に濡れていつも以上に艶かしく見えた。
 その状況でマー坊はムケ上がったアレをタマ姉の顔に近づけた。
「……なにをするの、マー坊。ふざけないで」と、顔を横にして避ける、タマ姉。
「口でしてよ」
「!?」
 しゃがみ座りのまま片手を床について体を斜めにしていたタマ姉がわずかに身じろいでいた。
「こうなったのはタマお姉ちゃんのせいだろ」
「ダメよ、マー坊。こっちに向けないで」
「このままだと苦しいよ。タマお姉ちゃんの口ですっきりさせてよ」
 マー坊が片手でアレを持って顔に当てる。目を泳がせているタマ姉の鼻先に玩具の拳銃のように突きつけた。
「お願いだよ、タマお姉ちゃん。このままだとおちんちんが爆発しちゃうよ」
「で、でも……」
「タマお姉ちゃんは俺のこと嫌いなの? 俺なんかチンコが爆発して死んでもいいの?」
「そんなことあるわけないでしょ。私はもちろんマー坊のことが大切よ」
「それならしてよ。一生のお願いだからさ」
 マー坊が口もとをニヤッとさせて、先端をタマ姉の唇になすりつける。せっつかすように動かした。
「……わかったわ。今日だけ特別よ」
「やったー!」
「そのかわりこのことは」
「うん、わかってる。みんなには内緒だろ」
 思いつめた表情をしたタマ姉が、両手をマー坊の腰の辺りに置いた。上体を前のめりにして、ゆっくりと顔を近づける。唇を開いて咥えた。ずるずるとのみ込んでゆく。
(ウソだろ。タマ姉がマー坊のアレを咥えるなんて!!)
 俺は心臓が止まるかと思った。ほんとに自分の目を疑っていた。タマ姉が浴室で小学生の子供に頼み込まれてフェラチオをしている!!
 しっとりとした唇にマー坊のアレが半分以上姿を消していた。タマ姉は目をつむっていた。そうして顔をゆるやかに前後に動かしはじめた。おそらくマー坊を一息に射精させるつもりなのだろう。胸も静かに揺れている。顔を斜めにして唇を巻きつけて、頬をいやらしく窄めていた。

「タマお姉ちゃんの口、すごく気持ちいいよ」
 足もとのタマ姉を見下ろすマー坊がニヤニヤとしていた。タマ姉の頭に両手を置いて、赤いネコ耳ツインテールのところを掴んでいた。まるでタマ姉の口の感触をたしかめるように腰を前に動かしだした。
「ンン、ンムゥー」
 タマ姉が苦しそうに喉を震わせる。顔を離すと、マー坊のアレにはタマ姉の唾液がネットリと絡まっていた。ヨダレがあご先に垂れる。
「タマお姉ちゃん、袋のところも舐めて」
 その甘え口調のおねだりに、タマ姉は静かに顔の位置を下げていた。下から見上げるようにマー坊の金玉袋をペロペロ舐めた。伸ばした舌で、乗っかったアレを転がすように動かしている。
「ん、チュッ、はぅ、うむぅ……ピチャ、レロ、レロレロ」
 タマ姉はまた目をつむっていた。両手はマー坊の腰でしっかり固定している。まるでマー坊が一刻も早く射精するのを願っているように見えた。
「んあ、むぅ、んくっ……」
 横から斜めに咥え込む。右手で根元を支えると、竿に唇を巻きつけてジュブジュブと音をさせて顔を前後に揺り動かした。さっきより激しいフェラチオだった。頬を膨らませたり、窄ませたりしている。どうやらタマ姉は本気でマー坊をイカせにかかったみたいだった。沈める横顔が真剣みを帯びて、裸の全身からは女性の色香のような物が漂っていた。
 そうしているうちにつま先でのしゃがみ座りの膝がじょじょに開きはじめていた。崩れて膝にかかっていたバスタオルもとうとう落ちて、真っ赤な陰毛の生え揃ったタマ姉のアソコが丸見えになった。控えめな小陰唇が複雑に閉じ合わさって、わずかに浴室の明かりを反射していた。
(ウソだろ、タマ姉まさか興奮してたのか!?)
 後頭部にまーりゃん先輩の飛び蹴りを食らったような気分だった。タマ姉がフェラチオしながらアソコを濡らしている現実に卒倒しそうになった。
「ン、フムゥ、ンン、ンク、ハウ、ウム」
 タマ姉の息づかいが忙しくなった。眉間に縦溝を作って首を使っている。肩にかかったツインテールの髪がお湯を吸ってはりついていた。もうもうとした湯気に紛れるようにして、タマ姉の白い肌がなまめかしく輝いていた。俺がこれまで見てきたどのタマ姉よりも淫靡な姿だった。
「はあ、すごく気持ちいいよ、タマお姉ちゃん」
 しゃぶられているマー坊が爪先立ちになるように叫んだ。こもった声が浴室にこだましている。いまではタマ姉の喉の奥を突くように腰を叩きつけている。フェラチオ酔いした悪ガキの表情をしていた。小学生だけど小学生とは思えない。たぶん家でもメイドロボを使ってこういうことをさせているのだろう、きっと。
「んむぅ、我慢しないでいいのよ、マー坊。今日はタマお姉ちゃんが受け止めてあげるから全部出してすっきりなさい」
 タマ姉がいつものお姉さん口調で言った。アレの先をソフトクリームでも舐めるようにペロペロとした。そのたびにマー坊の腰がピクピクと震わせる。
「出る、出るよ、タマお姉ちゃん」
 マー坊がタマ姉の唇にねじ込む。あの目と目の離れたサルみたいな顔で、ヨダレを垂らしそうな口をしていた。すごくムカつく。俺のタマ姉をまるで性処理用のメイドロボのように扱っていることが。優しいタマ姉の親切心を利用して、口の粘膜に好き放題擦りつけている。
「ジュル、ジュチュ、ズボ、ンチュ……アアン、フウ、ンムゥ、アアン」
 タマ姉の顔が赤くなって、目がトロンとしてきた。喉の奥を突かれて意識がかすんできた顔だ。鼻を膨らませて「ンンッ」と色っぽく鳴らしている。それよりも気になったのは、タマ姉がときどきもどかしげに腰をもぞもぞさせていたことだ。
「ぜんぶ飲んで、タマお姉ちゃん」
「ンクゥ、ウンムゥ、ンン、ウウンー」
 タマ姉が薄目を開けて、何度もうなずいた。色白い体の全身はとっくに火照っていた。お湯ではなく汗ですっかり濡れている。
「いくよ、タマお姉ちゃん! 出る出る出るぅ!」
 マー坊が子供の手でタマ姉の頭を押さえつけた。根元までねじ込んで、ビクビクと腰を痙攣させている。ヨダレまで垂らしてサルみたいな顔をだらしなく緩ませていた。年上で美人のタマ姉を自分の狙い通りにフェラチオさせて満足しているのだろう。掴んだタマ姉のツインテールをぐしゃぐしゃにしていた。
「ンンーー!!」
 タマ姉は喉を強く震わせていた。顔をしかめて、ングングと喉を上下に動かしていた。そうやってマー坊の出したあれを飲み込もうとしている。

 しばらくして視線を伏せたタマ姉が顔を離すと、唇にネバついた糸が長く引いた。うつむいて口もとを右手で軽くぬぐって、ハアハアと肩で呼吸をしていた。飲みきれなかった精液がタマ姉の胸に少しだけ垂れかかっていた。
「さすがタマお姉ちゃんは大人だね。チンコがとけそうだったよ」
 マー坊は口を押さえてしゃがんでいるタマ姉を見下ろして、鼻の下を指で擦るポーズをしていた。アレはまだ元気に反り返っていた。それどころか最初より硬度を増してひと回り大きなったようにさえ見えた。

「あのー。そんなところでなにをされてるのですか、貴明さま」
 いきなり声をかけられて驚いた。暗がりで大きなゴミ袋を抱えたイルファが不思議そうに俺を見つめていた。
 俺はすぐに指を口に当てて「しー!」って静かにするように合図した。
「静かにするんですか? そこはお風呂場ですよ」
「わわっ、イルファ、ちがうよ」
 焦って説明をしようとすると、浴室から大量のお湯が俺の顔めがけて飛んできた。

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