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9 コレはフツーのグラビア撮影です(ミイラ取りをミイラにしよう)

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作者:kazushi

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(ああもう、どうして私あんなに感じちゃったのかな。おまけに無様にイっちゃうだけじゃなくて、最後にはお掃除フェラまでやっちゃうなんて……)
 昨夜の痴態を思い出してしまい、朝食代わりのゼリー飲料をずるずると啜りながら理奈は顔を赤面させ、一人悶えていた。
 いくら気持ち良すぎて耐えられなかったと言っても、あそこまで乱れてしまったのはみっともなさすぎる。はしたない声を上げてイキまくってしまったのもそうだけど、自分でフェラを禁止したにもかかわらず自主的にお掃除フェラをやってしまったのは大問題だ。いくら舐めただけ、咥えてないと言っても言い訳にしかならないことは、彼女自身よく解っている。
(ああもう、絶対あの変態調子に乗って色々言ってくるわよね。全部聞かないようにしないと。あの人の思い通りになんて絶対にさせないんだから……!)
 予想される青山の攻勢に対して、そう抵抗の意志を固める理奈。昨日は昼も夜も無様に負け続けてしまったが、今日はこれ以上肉欲の誘惑に負けないように。ミイラ取りがミイラに、なんて洒落にもならないことは絶対にゴメンだと、そう思いながら。とりあえず彼女は飲み終えたゼリーの容器をゴミ箱に捨て、パイプ椅子から立ち上がった。
 今は朝の五時少し過ぎ。昨夜寝たのは零時を回ってからだから睡眠時間はあまり取れていないはずだが、不思議と頭はすっきりしているような気がする。もしかしたらそれは、昨夜のオナニーで目一杯イキ狂ったおかげで眠りが深かったから――かもしれなかった。
(って、それはないそれはない。バカなこと考えてる辺り、ホントはまだ頭起きてないかな……?)
 或いはまだ体に昨夜の調教の余韻が残っていて、それに引きずられているのかもしれない。だから少しでも気分を平常に戻すために軽くストレッチをしてから、簡易式の更衣室のカーテンを開けて外に出る。
「――っ。はぁ……すごい。キレイ……」
 目の前に広がる光景に息を呑む。群青色の空をキャンバスにオレンジ色の朝焼けが鮮やかな稜線をいくつも描き、その下ではコバルトブルーの海が波もなくただただ雄大さを見せつけている。その南国の海が魅せる幻想的な光景は成程、早起きして見る価値はあるだろう。撮影するにも相応しい。
 ……ただし、今回の場合は風景撮影ではなく、ただのグラビア撮影ではあるのだが。
「うぉーーーっっ。しかし、スッゲェなぁこれは。早起きして良かったんじゃねぇの、なぁ」
「るせーよ。こっちは仮眠しか取ってねぇんだからな、静かにしろっての。おまえの喧しい声で誰か来たらどうすんだよ。撮影中止、明日に順延とかなったら責任取れるのかよ」
 スタッフもテンションが上がっているのか、最後の準備を整えながら大きな声を出し合っている。その様子を横目に眺めながら、理奈は海岸を散歩がてら素足で歩いてみる。冷たい砂の感触が新鮮で心地良い。この気持ちよさを由綺も一緒に味わいたいところだったが、由綺の分の撮影は理奈が来る前に済ませていたそうで、彼女はこの場には来ていない。今頃は自室のベッドで安眠を貪っていることだろう。
(あくまで合同なんだから個撮があっても当然だけど、普通は交代して連続で撮るんじゃないの? スケジュールおかしくない?)
 思わずぐだぐだなスケジューリングに文句を付けてしまう理奈だったが、それ以上の文句が出てこないのは撮影の衣装がまともなものだったからだ。
 撮影スタッフ以外誰の姿もない海岸という舞台らしく水着だが、今までの透けるタイプのものやマイクロビキニではなく、普通のビキニタイプ(赤色)のものになっている。さすがに下はTバックになっているが、これまでを思えばTフロントじゃないだけマシというものだろう。
「よーし、じゃあそろそろ撮影始めようか。いい感じだから、理奈ちゃんはさっきまでのように散歩って感じで砂浜を歩いてくれるかな。そう、あくまで自然な感じで。うんうん、いいよ~」
 そうする内に青山から指示が飛んで撮影が始まる。その隣では上村がビデオカメラを片手に同じように理奈の一挙一動を捉え続けている。これまでの撮影は基本由綺と一緒だったから、カメラが二つとも自分を追いかけ続けているのはどこか新鮮で、どこか心地良かった。
「そうそう、風になびく髪をそっと押さえてみて。オッケー、いい感じ。じゃあ、今度は砂浜に寝転がってみようか。そうそう、体にこすりつける感じで砂をまぶしてね。そうしたら上半身だけ起き上がってこっちを向いてくれるかな。胸の谷間を見せつけるような感じで」
 青山の指示通り、砂浜に寝転がって体に砂粒をこすりつける。それから上半身だけを起き上がらせ、二つのカメラに正面から向き直る。そして笑顔を見せながら脇を思いきり締めて胸に肉を寄せ、Cカップなりに頑張ってできるだけ大きな谷間を作り出してみた。
 その姿に、視界の隅でスタッフの誰かが勃起したのを見て取り、彼女はごくりと唾を飲み込んだ。
 一方、青山と上村の二人は一旦背後に回り込むと、今度は後ろから彼女を撮っていく。おそらくは横たわる下半身、Tバックの細い紐に守られただけで剥き出しのヒップを狙って。無防備なお尻を撮られることにわずかな羞恥と興奮とを覚える理奈だったが、それでも普通のグラビア撮影の範囲でしかない。
 違うのは、彼女の周囲を囲む――二人のカメラマンも含めた――スタッフ(おとこ)たちの格好。撮影開始前は薄手のジャンパーを着ていたから判らなかったけれど、いつの間にかジャンパーを脱いでいた全員がパンツ一枚だけの姿を晒している。それもただのパンツではない。いわゆるぞうさんパンツと呼ばれる、AVやAV寸前の過激な着エロに使われる類のアダルトグッズで、象の鼻を模したペニス収納部を前面に付けられたタイプのものだ。
 今こうして緒方理奈一人を囲む十名を超える男たちが、全員それを身に着けている。助手や照明スタッフなどのアシスタントたちの半分以上が既に勃起済みで、象の鼻の部分がビンビンに直立しているのがよく見える。青山と上村はまだ勃起してないようだが、上村の方は半勃ちにはなっているからもう少し撮影の過激度が増せば、すぐに完全体になるだろう。
(……ホント、全員変態なんだから。どうりでこんな朝早くに撮影するわけね。こんな光景他人が見たら、即通報されて撮影中止モノだもの)
 内心呆れ返る理奈だったが、それでも自分がなにかする度にオチンチンが大きくなったりするのを見ているのは正直面白いし、優越感にも浸れて実に心地いいものだった。ましてや事前にどれほどイヤらしい要求をされるか危惧していたことを思えば、卑猥なモノを見せられる程度どうということもない。そのため青山の指示が過激度を少しくらい増していっても、むしろ彼女の望むところでしかなかった。
 だから。
「もう少しだけ頑張って股開いてくれるかな。そうそういいよ~。そのまましばらく動かないでじっとしててくれるかな。いくよ、はい笑って笑って。いいね~。次はもう少し色っぽく、舌なんて出してみようか」
 青山に指示されるままに目一杯M字開脚して晒した股間を、毛穴が見えそうなくらいにドアップで接写されても背筋がぞくぞくするだけで、嫌がることさえ思いつかなかった。それどころか、とうとう上村まで勃起してしまったことに悦びを感じる始末だ。
(これで青山さん以外全員勃ったわね。青山さんも半勃ちだから、もう少し頑張ればみんな揃って勃たせられるかも……?)
 そう思ってしまう自分の顔がすでにメス顔になってしまっているのを、本人である彼女だけが気づいていない。ただ青山と上村が持つカメラだけがその卑猥な有様を記録(えいぞう)として残していく。
「よーし、理奈ちゃんも大分調子出てきたみたいだし。そろそろ本気出して行こうか。まずはトップスの紐外してもらってもいいかな? トップス自体は手で押さえて貰っていいからさ」
 更に過激な指示が飛ぶが、その程度では今の理奈を躊躇させることさえできない。言われるままにトップスの紐を外して、胸からずり落ちそうになった水着が落ちないように腕で支える。指示されるまでもなく、潰れかけた柔らかい膨らみを見せつけるように、その体を前面に傾けながら。
 アップでその光景を撮り尽くすと、流れのままにトップスは取り去って手ブラを見せろとの指示が飛ぶ。彼女はそれにも唯々諾々と従うと、Cカップの胸をその小さな手だけで覆い隠してみた。乳首だけは辛うじて隠せているものの、上乳や下乳だけでなく大きめの乳輪も桃色ということを隠しきれず、露わになってしまっている。それを逃すまいとギリギリまでカメラが近づき、余すところなくそのすべてを映像として取り込んでいく。
 ――その最中、青山のぞうさんが大きくなり揺れ動くのを見て、妖しい悦びを感じてしまう理奈だった。
(ああでも、これでもまだ勃ちきってないの? ホント、どこまで意地悪なのよあんたは――!?)
 それでもまだ一押しが足りないことに苛立ってしまう彼女へ、悪魔の誘いを与えるように青山が口を開く。
「最高だよ理奈ちゃん。ホントにサイコーなんだけど――まだまだこんなもんじゃないよね? 緒方理奈の本気を見せるために、最後の一枚も取ってみようか」
「え? で、でも……」
「怖いことなんて全然ないから勇気出して。大丈夫、由綺ちゃんも思いきってやってくれたんだから、理奈ちゃんなら絶対できるよ。ほら、頑張ってやってみよう」
 その由綺もやったからという言葉が最後の決め手だったのか。それとも青山が勃起しきっていない悔しさが羞恥に勝ったのか。自分でも解らないまま、理奈は恐る恐るボトムスに手を掛けて――それを脱ぎ捨てる。
(……ああ、どうしよう。そんなつもりなかったのに私、オールヌードになっちゃった。みんなに見られてる。でも、どうしてかな。凄く興奮して気持ちいいの)
 一糸まとわぬ姿になった元トップアイドルは、それでも最後の砦として右腕を腕ブラにしてバストトップを、残る左手で局部を隠している。それでもその上気しきった肌は彼女が性的興奮を覚えていることを隠しきれず、口元に刻まれた満足げな笑みはとうとう青山が完全に勃起したことへの悦びを隠すことさえ忘れていた。
「ブラボーッ! 最高だよ理奈ちゃん。ホントにたまらないね。そう思ってるのがボクだけじゃなくここにいるみんなそうだってのは、一本残らずギンギンになってるのを見れば解るでしょ。……それじゃあ、これで本当に最後だよ。ボクたちにキミの一番キレイな姿をありのまま見せてもらえるかな?」
 青山の言うように、彼女を囲む十数本のオチンチンが残らず勃起しているのを見回すと、理奈は艶めかしい吐息を漏らしながら――ゆっくりとそのふたつの手を体から離した。ようやく姿を現したピンク色の乳首と薄紅色のヴァギナにたちまち男たちの視線が集中するのを感じ、彼女の興奮もまた高まってしまう。
 初めて衆目に晒された緒方理奈のヌードを形に残そうと、青山がシャッターを押しかける気配を感じて反射的にポーズを取ってしまう理奈。そこへ不意に柔らかな風が吹き抜け、彼女の長い髪が流されるように空に舞った。その一瞬、

 ――そこに、美の女神がいた。

 オレンジと群青が混じり合った空にたなびくライトブラウンの長い髪。強い意志を感じさせる大きな瞳とまっすぐ通った鼻梁の下にあるのは、鮮やかなルージュに染められた薄い唇。それらすべてが小さく美しく整った顔にまとめられている。体のラインは優美の一言で、すらりとした長身でありながら頭から足の先まで無駄な箇所がひとつもない。なだらかな肩から伸びる引き締まった二の腕とは逆に、細く繊細さを隠そうともしない指先。程よく小振りな乳房が柔らかい丸みを帯びる中、鋭く尖った乳首はその桃色とともに存在をありのままに主張している。きゅっとくびれた腰と可愛らしい臍を経て、お尻は女性らしくただただ円く柔らかい。すべての毛を処理して無毛になった股間で、美しく咲き誇っている紅い花びら。長い股下による脚線美の美しさは芸術的とも言えるだろう。なによりもその瑞々しい肌は若さに溢れて、鮮やかな桜色に美しく染まっている。
 そうしたすべての要素が混ざり合った彼女の美しい肢体と、その背後に浮かび上がる自然の芸術美とが完璧に融合したその一瞬に現れた光景は、間違いなく神秘的な美しさを湛えていた。
 ――けれど、それも一瞬の幻想に過ぎない。
 改めて見直してみればそこに立っているのは、その瞳を情欲に曇らせ、朱唇を淫蕩にくねらせ、花びらから淫らな雫をこぼれ落としてしまっているだけの、ただの発情しかかった一人の淫乱な雌女でしかなかった。肌が桜色になっているのも、ただ体が性的興奮に火照っているだけのことだ。
 事実、全裸でポーズを取ったままの今の彼女の目には、自分を取り囲む勃起チンポしか映っていない。
(……ホント、すごい。これみんな、私だけを見てギンギンになってるのよね)
 やはりまず目を引くのは青山のモノで、大きさも太さもこの中で一番だ。そして次に来るのは上村チンポだろうか。他の部分は兎も角、長さだけは青山を上回っているように見える。充分な硬さがあることも自分の体で確認済みだ。だが他のスタッフたちのぞうさんも二人にこそ劣るが――長さ大きさ太さにそれぞれバリエーションこそあるものの――、総合的には充分冬弥のモノを上回っているだろう。だからそのどれをオマンコにぶちこまれたとしても、今まで感じたことがない快感を得られるに違いない――と。
 そんな風に脳内を発情させてしまっていた理奈は青山に言われるままに、太陽が姿を完全に見せる前のわずかな時間を使って、何枚もあられもない姿を撮られてしまっていた。たとえば両腕でおっぱいを持ち上げているところとか、あるいはM字開脚をしながら指でオマンコをくぱぁと開いたところとか。そんな卑猥な姿を何枚も何枚も。恥ずかしいと思うことさえなく。時間切れまでずっと。
 ――そうして夢現の内に撮影が続けられていたところに終了の合図が届いた途端、理奈はその場に崩れ落ちてしまう。今まで意識してこなかったけれど、撮影に夢中になるあまり体力の消耗が激しかったらしい。
「お疲れ理奈ちゃん。おかげで最高の写真(え)が撮れたよ」
「あ、はい、お疲れ様です。後、ありがとうございます」
 満足げに近寄ってきた青山はそう声を掛けながら、彼女にバスローブを投げ渡す。それを受け取り礼を言いながらも、理奈は目の前の勃起したままの極太チンポから視線を離せなかった。同時に思う。
 同じ撮影を由綺がしたということは、もしかして彼女はその後青山と――ひょっとしたらこの場所でそのまま、下手したら他のスタッフまで交えて?――セックスしたのだろうか、と。そして、もしそうだとしたら今から自分も同じように青山とセックスするのかもしれない、と。心のどこかで期待しながら。
 けれど。
「だから今晩は御褒美としてたっぷりイカせてあげるから、楽しみにしてくれていいからね」
 それだけ言い残して、青山はあっさりと彼女から離れていってしまう。ただし、悪戯なのか挑発なのかサービスなのか、離れ際にぞうさんの先端部を押し下げて、生チンポの先っぽを見せつけてからだったが。
 後に残される形になった理奈は、しばらくの間呆然と彼が立ち去るのを見ていたが、そこでようやく気づく。今の自分が無防備に裸体を晒していて、周りにはオチンチンをギンギンにおっ勃てたままの男たちが何人もいるということに。しかも周囲には関係者以外、誰一人としていないのだ。
(あれ? これって、もしかして、私危ない? のかな)
 もちろんそんなわけがない。スタッフたちはちゃんと全員撤収作業に入っているから理奈に構う気配はまったくないし、撮影が全部終わってない以上、主役をレイプしようとするバカもいないだろう。
 だけど同時に。撮影だからとすっかり安心していたけれど、もしもここで彼らに一斉に襲いかかられていたら、理奈は間違いなく犯されてしまっていたことも確かだった。女一人で抵抗しても勝てるはずもなく、泣き叫んでみても助けてくれる者も誰一人いなくて、男たちの餌食になるしかなかったに違いない。
 ――けれど、それは本当に?
 そこまで妄想したところで、ふと疑問が浮かんだ。
 彼女一人でスタッフたちに抵抗できるわけがないのは確かだけど、そもそもの話、抵抗しようと思うのだろうか。私は――緒方理奈はそうなった場合、本当に抵抗しようと思えるだろうか。或いは、もしかしたら抵抗なんてすることもなく、むしろ積極的に彼らの欲望を受け入れてしまおうとするのかもしれない、と。
 そんな疑問が、ふと、浮かんでしまった。
 答えはない。出ない。疑問からして、もしありえたとしたらレベルの仮定の話なのだから、あたりまえの話だ。けれど、もしも答えが必要となったのなら。
 その答えは、外側からの肉体的な刺激は一切受けていないくせに、じんじんとした疼きがどうしても止められない子宮だけが知っているような――そんな気がしてしまうのだった。

 10 “羞恥ストリップ→ギリギリ素股”に続く

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