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5.学校の一日

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 私の通っている、きらめき高校は、男女共学の進学校なの。
 自由な校風で、グラウンドの脇には古い大木があって、毎日、徒歩で通学してるわ。
 友達もたくさんいて、学校のことが大好きよ。

 朝の教室では、みんなに挨拶するの。
「詩織ちゃん、おはよう」
「おはよう、メグ。今日もいい天気になりそうね」
 メグは、栗毛色の長い髪をした、とってもかわいらしい女の子で、私の一番の親友よ。
 性格はおとなしくて、すごく内気だけど、見てて守りたくなるような存在よね。
 学校では、ほとんどいっしょにいるわ。
「……」
「どうしたの? なにか心配事?」
「ううん……暑いと、今日の体育が……」
「水分補給をしっかりして、熱中症には気をつけましょう」
「うん……いいな、詩織ちゃんはスポーツも得意で」

 4時間目の体育は、女子はバレーだったの。
 更衣室で体操服に着替えて、バレーコートでミニゲームをしたわ。
 メグは木陰で休んでいたの。
 あのコ、あんまり運動が得意じゃないから。
 なにがいやって、女子の体操服がいまだにブルマなことよ。
 濃紺色で、ポリエステルの生地がぴっちりしてて、まるで下着みたい。
 スタイルにはかなり自信があるけど、男子たちがジロジロ見てくるし、気にするなっていうほうがムリよ。
「ちょっと、好雄くん!」
「なに、詩織ちゃん。今日もとびっきり美人だね」
「ごまかさないで。いまスマホで盗撮してたでしょ!」
「え、してないよ」
「ウソ。見えてたわよ」
「へへへ、詩織ちゃんのブルマ姿がすごく似合ってるからさ」
「先生にいうわよ!」
 好雄くんは同じクラスの男子で、お調子者なの。
 いつも女子を盗撮ばかりしているわ。
 何回注意しても聞いてくれなくて、ほとほと手を焼いてるの。
 だから、女子はみんな好雄くんのことを嫌ってる。
「すぐにデータを消して」
「ええーー、せっかくいい写真が撮れたのに」
 いつもこんな感じよ。
 とくに夏のプールの授業はたいへんなんだから。

 私はテニス部なのよ。
 放課後は、練習がない日にはまっすぐ下校するわ。
「先生、さようなら」
 校門のところで、生活指導の世原先生に会ったわ。
「おう、藤崎。おつかれ」
「きゃああ!!」
 思わず大きな声がでちゃった。
 すれ違うときに先生がスカートのお尻にタッチしてきたの。
 これって、完全にセクハラよね?
 まあ、毎日のことで……半分なれちゃったけど。
「やめてください。いくら先生でも怒りますよ」
「藤崎は優等生なのに、学校で一番のいいケツしてるな。思わず手が出た」
「そういって、いっつもいっつも……」
 先生はニヤニヤして私のことを見てたわ。
 ぜんぜん反省してるふうがないの。
 あきれてものもいえないってこのことよね。
 こんな人がきらめき高校の教師だなんて、ほんとしんじられない!
 他にも、世原先生のセクハラに泣かされてる女子生徒は多いみたい。

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