作者:ブルー
ホテルの部屋に入ると、男は急いで撮影機材をセットした。
ベッドの手前に南を立たせて「じゃあ、制服姿から撮影させてね」と言った。
「あれ、ビデオも撮るんだ」
「記録用にね」
「記録……?」
「ほら、南ちゃんと出会えた記念に残しておきたくてさ」
「ふーん……」
「制服姿が可愛いね。すごく似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます」
「緊張しなくていいからね」
「はい」
「南ちゃんって彼氏いるの?」
「いませんよ、南」
「もったいないなー。こんなに可愛いのに」
「そうかな」
「よく告白とかされるんじゃない」
「まあ、そこそこ」
「そこそこってことはないでしょー。あんがい男と付き合ったことないとか」
「それは秘密なんだぞ」
「お、その様子はもしかして処女?」
「もう、しらないっ」
「いいね、その感じ。女の子は清純が一番だよ。南ちゃんはモロにおじさんのタイプだよ」
「おだてても何も出ないんだぞ、南」
男はしきりに南に話しかけながらカメラのシャッターを切った。
後ろ向きや横向きの指示をして、南の制服姿を360度まんべんなく撮影する。
「制服のスカートをちょっとだけたくしあげてみようか」
「えっ!?」
「どうしたの? スカートをめくるだけだよ」
「めくるだけって、南」
「南ちゃんと同じぐらいの女の子はみんなしてくれるよ」
「でも……」
「モデル代に5万円も払うんだしさ。それぐらいサービスしてくれないと」
「……」
「早くしないと、いつまでも撮影が終わらないよ」
「わかりました」
南はスカートの裾を握るとゆっくりとたくしあげた。
「おお、いいよー、その表情。白いパンティが超可愛い」
「……」
「そのまま動いたらダメだよ。写真撮るからね」
「は、はい」
「浅倉南ちゃんのパンチラ写真だ。こいつは売れるぞ」
「……」
男は南が逆らえないのを良いことに、すぐ近くにまで寄ってカメラを構えて撮影した。
※イラスト『月夜のリボン』さん
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