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4.グラビア撮影(下書き)

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 土曜日、千葉の現場に車で移動した。
 グラビア撮影で、ホテルのプールを貸し切り。海の近くで、ヤシの木が生えてる、南国チックなところよ。

 部屋で着替えて撮影開始。
 まずはスクール水着の撮影だったの。
 カメラマンさんは、このあいだと同じ人。アイドルを専門で撮影している人なの。
「まずは、そっちのヤシの木のところでポーズしてみようか。寄り掛かるように」
「はーい」
「キュートな笑顔だ。スタイルいいねぇ。スクール水着がすごく似合ってるよ。このあいだも創刊以来、発行記録だ。読者からの反響もすごかったよ。また詩織ちゃんのグラビアが見たい」
「うふふ。ありがとうございます」
 青空が広がってて、撮影日和。
 スクール水着って、体のラインが丸わかりでしょ。
 はずかしいけど、仕事だししょうがないわよ。
 こう見えて、元水泳部でスタイルには自信があるの。
 カメラの前で、片手を髪に当ててポーズ。
 はにかんだアイドルスマイルをした。

「そっちのデッキチェアに寝そべってみようか。右膝を立てて、腕を額に。そうそう、日差しがまぶしそうに。それで目線をカメラ」
 プールサイドには、デッキチェアがたくさん並んでる。
 さすがベテランカメラマン。スタッフへの指示がテキパキしてる。
 スタッフは、ほとんど男性ばかりなの。メイクと衣装さんが女性。
 写真を撮りながら、しきりに声をかけてくる。
「かわいいよ」とか「綺麗だよ」とか、撮影の緊張をほぐして、リラックス効果とモデルの魅力を引き出すのも重要なテクニックなのね。
「そっちで、シャワーを浴びてるところだ」
「きゃあ。水が冷たい」
 シャワーの水が思った以上に冷たかった。
 スクール水着の表面を伝って足元に流れる。
(なんだか、カメラが近い)
 カメラのレンズが、私の胸や下半身に向けられてる気がしたの。
 もっと全体を撮ってくれるといいのに。
 読者層が高めのアイドル雑誌だからかな。
 スタッフの人から受け取ったタオルで、髪の水気を拭いた。
「一旦、休憩しようか。次はビキニだよ。衣装は部屋に用意してあるから」
「あ、はい」

 ◇ ◇ ◇ ◇

「詩織、これ」
「ありがとうございます」
 ホテルの部屋に戻って、マネージャーに水をもらって口にした。
 ちょうど喉が渇いてたの。
 マネージャーは、私が飲み干すのを最後まで確認してた。

 それから用意してあった水着を見てびっくり。
 白のビキニで、布面積がかなり少ないの。
 横と後ろは、ほとんど紐よ。マイクロビキニね。
(ほとんど下着だわ)
 下着の方がまだマシかも。
 とりあえず、着替えて、バスローブを羽織った。
「ちょっと用事があるのでフロントに行ってくる。撮影までには戻ってくる」
 マネージャーが部屋を出て行ったの。
 入れ替わるようにして、ドアをノックする音が聞こえた。
「だれかしら?」
 ドアの外には、カメラマンさんがいた。
「詩織ちゃん一人?」
「マネージャーは用事で、ちょうど出てて。どうかしましたか?」
「撮影のことで打ち合わせいいかな」
「いまから? いいですけど」
 朝も打ち合わせをしたのに変よね。
 部屋のソファに座った。
「スクール水着、すごくよかったよ。納得の出来だ。あれならファンも喜ぶ」
「よかった」
「ビキニもプールで撮るつもりだったけど、アイディアが浮かんで室内に変更しようと思うんだ。そっちのほうがインパクトのある写真が撮れる」
「インパクト?」
「うちのアイドル雑誌は年齢層が高めだろ。清純派の新人アイドルが、ビキニ姿でベッドに露わな姿をしてたらファンの妄想を刺激して、バンバン売れる」
「はあ……よくわからないけど」
「ビキニに着替えた?」
「とりあえず。用意してあったので」
「衣装の確認もしたいから、ここで見せてもらえるかな」
「あ、はい……」
 ソファから立ち上がる。
 バスローブを脱いで、ビキニ姿を見せた。
 すごいはずかしい。
 カメラマンさんはニヤニヤして、足元から舐めるようにして全身を見てた。
「スクール水着もいいけど、ビキニはもっとエロイ。優等生タイプなのに、おっぱいがでかい」
「やだ」
「CD聞いたよ。すごくいい曲だね」
「えっ……!?」
 急にカメラマンさんの手が、さりげなく私のバストに触れたの。
「や、やめてください」
「なにが」
「その……手が」
「衣装のチェックだよ」
「でも……」
「それより写真集出さない? オレがカメラマンしてあげるからさ。詩織ちゃんなら、3万冊は堅いよ。ついでにイメージビデオもいっしょに」
 カメラマンさん、また私の胸に触ってる。
 今度は、あきらかに揉んでた。
 掴んでこねくるように、モミモミ。
 そうやって、新人アイドルである私の反応をうかがってるのね。
 芸能界では、これぐらいのセクハラは日常茶飯事なの。
 相手はベテランだし、怒りたくても怒れない。
「返事はどうかな。いい話だと思うけど」
「……そのまえに、事務所に聞いてみないと」
「じつは社長さんと話がついてて、詩織ちゃんのフレッシュな魅力全開でって頼まれてる」
「そうなんだ」
 どうやら、私の知らないところで、ファースト写真集とイメージビデオの話が進んでいたみたい。
 それ自体はよくある話だけど……。
 清純派路線のはずなのに、イメージビデオっていうのがちょっと引っかかる。
 それって、また水着の撮影があるってことでしょ。

「試し撮りさせてよ。ベッドに四つん這いのポーズしてみて」
 カメラを片手に、指示を出した。
 私は、いわれた通り、ベッドに上がって四つん這いになった。
 ビキニ姿だと、すごくはずかしい。
 連続でシャッターを切る。
「いいよ。すごくセクシーだ。スクール水着より、断然そそられる」
「はずかしいです。下着みたいだし、こんな格好」
「それがいいんだよ。ギャップがあって、男性ファンの訴求に応えてる。アイドルはみんなやってるよ」
「そ、そうなんだ……」
「ごめん、ちょっといいかな。お尻を、もっと高く突き出すように」
 ポーズを直すために、カメラマンさんの手が、私のお尻に触れた。
 体がビクッとしちゃった。
「どうしたのかな」
「いえ、なんでもありません」
「詩織ちゃんは、肌が綺麗だね。ピチピチしてて、シミひとつない」
 カメラマンさんは、背後に回り込んで、ずっと私のお尻を撫でてる。
 指が大事な場所に触れた。
「あんっ!!」
 思わず、変な声が出ちゃった。
 紐ビキニのお尻をクネクネと左右に揺らして、イヤイヤをしたわ。
「被写体が勝手に動いたらダメだよ」
「だって……」
「顔は横に。カメラを見つめて。そう。その表情だ。瞳が潤んで、エッチな顔になってる」
 何回も体にタッチされて撮影されているうちに、気持ちがフワフワするというか、だんだん頭がぼーっとしてきた。
 そういう気持ちは、はじめてよ。
 魔法にかかったみたいにエッチな気分になる。
「仰向けでゴロンと寝転がって。足を大胆に開いてみようか」
「は、はい……」
「この薄い生地の向こう側に、詩織ちゃんの秘密の花園があるのか。ちょっと指で触ってみていい?」
「えっ……」
「いいだろ、1回だけ。指でツンツンしても」
 カメラマンさんが、指で軽く触れた。
 体がビクッて跳ねたわ。電流が走ったみたい。
「ハアハア、大事なところのお肉がプニプニしてる。すごく敏感だ」
「やだ……エッチ」
「さっきより表情がグッと大人っぽくなった」
「そうかな。自分だとよくわからない」
「こいつは、すごい写真が撮れるぞ。タイトルは、現役女子高生アイドル・ひと夏の経験だ。すこし濡れた?」
「……知りません。なんだか、すごく熱い。体がフワフワして、自分の体じゃないみたい」
「よかったら、オレがいろいろ教えてあげようか。こう見えて、芸能界に顔が広いからね」
「あの、どういう意味ですか」
「またまた。枕営業の噂ぐらい聞いたことあるだろ。詩織ちゃんなら、いいスポンサーがすぐに見つかる」
(枕営業って、本当にあるのかしら……)
 そういう黒い噂は耳にしたことあるけど、実際のところは知らないの。
 芸能界は夢もあるけど、怖いところね。
 カメラマンさん、すごく興奮してたみたい。
 私もドキドキしちゃった。
 ビキニの紐をはずすふりをしたり。カメラマンさんの指示で際どい写真をたくさん撮ったの。
 しばらくして、マネージャーが戻って来てくれて助かったわ。
 あのまま二人きりだと危なかったかも。
 そんなこんなで、グラビア撮影は無事終了した。

つづく・・・?

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