
夏の水泳の授業は、もっと大変です。
クラスの男子たちが彩菜の水着姿をジロジロと眺めるのです。
「桂木さんのボディやばいな。濡れててエロッ!」 というヒソヒソとした会話が聞こえてきます。
綾菜も男子たちの目つきがいつもとちがうのを知っていて、いやだなぁ、と思っています。

ひと泳ぎして、友達とおしゃべり。
足を閉じてしっかりとガードしている。
プールを挟んだ反対側では、男子の集団がワイワイやっていて、スクール水着姿の女子の採点をしています。

「男子がずっと見てるわよ。すこしぐらいサービスしてあげなきゃ」
「えっ、ちょっと!?」
仲のいい女子が、男子の目の前でふざけて胸を揉みしだく。
思わず色っぽい声が出て、顔を赤面してしまう。

「桂木さん、頼みがあるんだけど」
「なにかしら」
「腕を上げたポーズをしてくれない? 女子の脇に興味があって」
「脇? べつにそれぐらいならいいけど」
天然な綾菜は、はからずも男子たちに今夜のおかずを提供してしまったようです。
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