作者:しょうきち
5
日が落ち、夜は更けてゆく。
17時から密かに始まったこの延長裏オプJKリフレも既に10人の客を捌き終えており、時刻は21時を回っていた。
さすがにかなりの疲労が溜まっていたが、整理券によると今夜相手する客もあと二人で最後だ。
時間的には既に後夜祭も終わり、もうクラスメイトのみんなも撤収済みのはずだ。
(後夜祭……みんな楽しんだのかな……。でも……)
多少は残念な気持ちも残っていたものの、大きく花開いた性への欲望と好奇心に抗うことはできなかった。今の詩織の心中にはときめきも青春も無く、ただセックスへの欲求だけが身体を突き動かしていた。
「次の方、どうぞ」
ぎぃ、と音がして扉が開いた。
男が二人。
二人ともブリーフ姿である。
「あ、あの……?」
二人揃って背中を丸めており、おずおずと入り口前で立ちすくんでいる。
「お、俺たち……、その、二人一緒にお願いしたいンスけど、いいっスか? ちゃんと料金は二人分払いますんで……」
「と、とりあえず中に入ってください。寒いですよね?」
二人組は隣町にあるバス停前学院大学に通う大学生で、年齢はどちらも20歳。名前は早坂と高山という。ツーブロックで人懐っこい顔つきをした方が早坂で、金髪を短く刈り上げており、やや威圧感があるのが高山だ。
二人の体格を比較すると早坂が細目で高山が太めに見えるが、それはあくまで相対的な話であって、二人とも一般人と比べると一枚も二枚も厚みの違う、筋骨粒々なアスリート体型をしている。
二人とも名門校のアマチュア野球選手であり、普段はバッテリーを組んでいるのだという。プライベートでも仲がよく、女遊びなんかも二人一緒に行くことが多いのだそうだ。
こうして二人で一緒にプレイルームを訪れたのは、一度どうしても3Pを経験してみたかったからという話だ。
お客さんの要望はできる限り何でも叶えるつもりでいたが、これは予想の外側だった。常識はずれの欲望に頭がクラクラしてしまう。
「あ、あの……それで、どうすれば……? 二人同時だなんて……」
「お、俺たちに任せといてくださいっ!!」
二人ともそうだが、特に鼻息を荒げているのはガッチリした体型の高山だ。ファースト・インプレッションとは逆に、彼の方が陽気なタイプなのかもしれない。
「あっ……」
しゅん巡していると、詩織の返答を待たずして二人が左右からずいと迫ってきた。肌と肌が密着する。
室内の温度が1℃ほど上がった気がした。
威勢のいいことを口にして迫ってきた男たちは、詩織を挟み込むような体勢になってからは身を硬くし、小刻みに震えていた。
はじめは焦らしているのかとも思ったが、そうでもないらしい。詩織は彼らの体の中で最も固くなっている部分に、指先でチョンと触れてみた。
「むむっ」
「ううっ」
短い呻き声が、左右から聞こえてくる。
「緊張してますか?」
詩織の問いかけに、二人は顎を引いて頷いた。
「わたしもなんです」
ペロっと舌を出してはにかんでみせる。
「気持ちよくさせて……くれるんですよね?」
甘くささやきながら、左右を見上げる。
緊張半分、期待半分に胸が高鳴っていた。
左右の隆起を撫でさすった。ブリーフの生地越しにも、熱い脈動がずきずきと伝わってくる。詩織の方も、今日だけで何度使ったか分からない女の部分がずきずきと疼きはじめていた。
(これで前と後ろから貫かれたら……わたし、どうなっちゃうんだろ━━)
そんなことを考えながら、ブリーフに包まれたペニスに、やわやわと刺激を与えてゆく。かなりの体格を誇る男二人が、同時に息を呑んだ。
6
「し、詩織ちゃんっ!」
先に動いたのは高山の方だった。もう我慢できないという切迫した感情が、全身から溢れていた。
「……ぅんんっ……」
唇を奪われ、それが皮切りとなった。次の瞬間、早坂も動き出した。スクール水着に包まれた二つの胸のふくらみを、両手で鷲掴みにしてきたのである。禁断の三人プレイの幕が、今ここに切って落とされたのである。
「ぅむぅん……むふぅぅん……」
高山が唇を荒々しく吸いたててくる。
ふたり分の唾液の混合液が、詩織の口許から下顎へドロリとこぼれ落ちる。
詩織は荒ぶる彼をなだめるように、ねっとりと甘く舌を絡めた。
高山と口づけしながら、早坂には胸を揉まれている。所在のない高山の手が、詩織の下半身へと伸びてくる。手を取り、軽く脚を開いて内腿の方へ導いた。太股の肉をギュウギュウと揉みしだかれる。
高山の手を導いている間に、胸をまさぐっていた早坂の手がスクール水着の肩紐にかけられていた。ズルリと引き下ろされ、白い乳房があらわになった。
「んぅ……んぅぅっ……!」
早坂の手が隆起を持ち上げ、詩織は鼻奥で悶えた。その手はぐっしょりと汗ばんでいた。乳肉をこねあげるその手つきからは緊張だけではなく興奮が伝わってきた。
早坂の興奮にあてられたのか、高山もキスを解いて太股をまさぐっていた手を乳房へ伸ばしてきた。
「んはぁっ……あはぁっ……」
詩織はあえいだ。ふたつの乳房を左右から別々の男に揉みしだかれていた。 四つの手のひらに対し乳房は二つしかないので、自然と両手でひとつの乳を揉む形となる。
「で、でけぇ……」
「片手じゃ揉みきれないっ……」
「吸い付くような柔らかさだよ、おい……」
「こんなオッパイ……、はじめてだぜ……」
「あんんっ……あ、あのっ……。無理してお世辞なんて言わなくても……。わっ、わたしより綺麗でスタイルいい人なんていくらでもいますし……」
そうは言いつつも、詩織の頬は緩んでいた。
「別に無理して褒めてるわけじゃないよ」
高山が続けた。
「本当の事を言ってるだけっスよ。マジでグラドルみてえなスタイルっす。な、早坂」
「いやいや、そこらの三文グラドルなんて目じゃねえ。こんなエロい体、はじめてだよ」
「確かに。違ぇねえ」
「え……、えええっ……!」
性的価値を褒められ、女の本能が疼く。みるみる顔が上気してゆく。
早坂が右の乳首を指でいじれば、高山が左の乳首を吸いたてる。負けじと早坂も乳首を吸いたて、ちゅぱっ、ちゅぽっと卑猥な音の共演がはじまる。
「んんっ……んんんーっ……!」
胸の奥まで染み込んでくる刺激に、詩織が身をよじらせる。すると今度は二人同時に下肢へと手を伸ばしてきた。示しあわせたかのような息のぴったりさである。それぞれが太股を引き寄せてきたので、両脚がM字に割り広げられる。
「ああぅっ……」
電気のようなものが走り抜け、太股から力が抜けてゆく。
立っていられなくなり、脚をガニ股状に広げた卑猥なポーズのまま、二人の足元にしゃがみこむ格好となった。
ちょうど目と鼻の先にもっこりと膨らんだブリーフが、二つ並んでいる。両手を伸ばし、同時に手のひらで包んだ。ブリーフ生地の中で硬く勃起したペニスが蒸れているのが、はっきりとわかった。
視線を上げ、ふたりの顔を交互に見た。
早坂は息を呑み、こめかみをヒクつかせている。高山は見開いた目を獣のようにギラつかせている。ふたりに共通しているのは、首から上が真っ赤に上気していることと、ムンムンと放つ雄の獣の匂いだ。
ふたり同時にブリーフをめくり下ろした。
はち切れんばかりの勃起したペニスが二本。天井を睨み付けるようにそそり勃っている。
詩織は息をとめ、両目を見開いた。
どちらも甲乙つけがたいが、今日見てきた中でも最も太く、長く、そして大きなペニスだった。
圧倒的な光景に、畏怖さえ感じてしまった。修学旅行で見た左右から睨み付けてくる金剛力士像を思い出した。
両手を伸ばした。
それぞれの根元に絡ませ、交互に視線を向けた。目に染みるほど強烈な牡の匂いに、頭がくらくらしてきた。
7
「……はぁぁっ」
詩織は唇を開き、舌を差し出した。
右手に握った早坂のペニスと、左手に握った高山のペニス。どっちを先に味わおうか迷ってしまう。
見比べると、高山の方が先端からじんわりと先走り汁を漏らしていた。赤々と充血した亀頭に蛍光灯の光が反射して濡れ光っている。そんな卑猥な光沢に引き寄せられるようにして、舌を伸ばしていった。
「はぁっ……んぁあっ……」
鼻から吐息を振り撒きながら、ペロペロと舌を踊らせる。亀頭を光らす先走り液を拭い、代わりに唾液をまぶしてゆく。
もっとよく味わいたい気持ちを抑え、すぐに舌を離して反対側へと首を向けた。
今度は早坂のペニスを舐め回した。
こうして味わってみてはじめて分かったが、早坂の方が味も匂いも強い。だが、不快な気持ちにはならなかった。
詩織はいつしか、まるでパブロフの犬のように、男性ホルモンを感じさせる臭いには条件反射で興奮するような体になっていたのであった。
二、三舐めすると、早坂のペニスからも口を離した。
再び高山のペニスを咥えるためだ。
「んぁっ……」
唇を淫らなOの字に割り広げ、亀頭を大胆に呑み込んでゆく。幹の半分くらいまで口に含むと、大胆に頭を振って唇をスライドさせた。口の中でペニスがビクビク反応しているのがわかる。
せわしなく首を振り、今度は早坂のペニスを咥えこむ。
(はぁ……はぁあっ……。すっ、凄い……)
せわしなく首を振る。
おかしくなりそうな程に興奮していた。
次第に舌と唇に本気の熱がこもってゆき、じゅぷっ、じゅぷぷっと卑猥極まりない音が立つ。熱烈にペニスを吸いたて、吸いたててない方のペニスは指でしごく。口から溢れ出た唾液で、自身の顎や喉はもちろんのこと、男たちの陰毛までもぐっしょりと濡らしてしまっている。
「し、詩織ちゃん……」
高山が両膝をがくがくと震わせる。
「お、俺もう……我慢できないよ。いいだろ? なあ、いいだろ? もう……」
詩織と早坂を交互に見合わせながら言う。
ほとんど涙目に近い。
その迫力に気圧されたのか、早坂は神妙な顔でうなづいた。
「そ、それじゃあ……」
詩織はコンドームをひとつ高山に手渡した。本番OKのサインだ。高山は息を呑むとそれを受け取り、フィルムの封を切った。興奮のあまり震えているのか、おぼつかない手つきでクルクルとゴムを下ろしていった。
コンドームを装着した高山によって、両脇から抱えあげられるようにして起こされた。
さらに、既に胸を出し半脱ぎ状態だったスクール水着をめくり下ろされた。水着は脚から引き抜かれた。
「うぉぉ、やべえぞ。きらめき高校のスーパーヒロインの一糸纏わぬヌードだよ。マジだよこれ! アイドルや女優なんて目じゃねえっ!」
早坂が感動したように目を見開く。
だが背後から同じ裸身を見ている高山は、最早そんな余裕さえ無いようだ。背後から尻肉を左右に割り広げ、濡れた花園にペニスの先端をあてがってきた。
「ハァ、ハァァ……。い、いくよ、詩織ちゃん……」
大きく息を呑み、腰を前へと送り出してきた。
(んぅぅぅっ……!)
左右の花びらを巻き込んで、切っ先がヒップの中心へ突き立てられる。既に奥まで濡れたひだを掻き分け、いきり勃つペニスを根元まで埋め込んでくる。
「ああぅぅぅっ……!」
子宮底を切っ先で押し潰され、詩織はのけ反った。クラスター爆弾のような快美感が全身へ広がってゆき、汗まみれの乳房をはずみあがらせた。
ドキュッ、ドキュッと荒々しいリズムを送り込んでくる。
挿入の感触を噛み締めるように、ゆっくりと抜いては再び入れてゆく。
「んんんっ……はぁあっ……あっ、あぁっ……」
次第にリズムが早まってゆく。
それと共に詩織の口から漏れる声も次第に間隔が短くなり、艶っぽく、そしてオクターブが上がってゆく。眉間に深い皺を寄せ、艶やかなロングヘアを振り乱す。
すると唐突に、顔に掛かった前髪を払われた。
早坂だった。
頬やおでこに汗で貼り付いた髪を丁寧に払い、両手で詩織の頬を包み込む。
(な、何を……?)
疑問に思ったが、その答えはすぐに分かった。
早坂は硬く反り返ったペニスを、セックスの衝撃に喘ぐ詩織の顔に近づけてきたのである。
「あっ……あっあっ……。い、いいわ。来て━━」
バックから送り込まれる衝撃にさらされながらも、詩織は早坂のやりたい事を叶えてあげることにした。
ペニスを握りしめたまま首を伸ばしてゆき、唇で亀頭を迎えにゆく。細かい角度は早坂が調節してくれた。
下半身で高山のペニスを受け入れ、同時に上半身で早坂のペニスを呑み込んでゆく。
「うんぐぅっ……んむぅんんっ……!」
ぱんぱんぱんっ、と高山が激しく突き上げてきた。自然と上半身が揺れる。結果、激しく首を振って唇に咥えたペニスをしゃぶりたてる格好となった。
「うむぅっ……、うおぉっ……」
興奮した早坂が、腰を前へと送り出してくる。漲り猛る欲望器官を、勢いに任せて根元まで口唇に埋め込んでくる。
「んぅぅぅっ━━! くぅぅぅっ━━!」
喉奥まで達し、呼吸さえ苦しくなる。
だというのに早坂は腰を前後させはじめた。はじめは力任せだったが、次第に高山の動きとタイミングがリンクしてゆき、前と後ろとほぼ同時に突き上げられるようになる。前後から押し寄せる淫らなリズムに翻弄される。
8
逃げ場の無い痛烈な衝撃に、詩織は声すら出せずに泣き叫んだ。
だが、窒息しそうな苦悶の中にいながらも、このとき詩織は確かな快感、そして充足感を覚えていた。
(いま……わたし、満ち足りてる……。女の子として……誰よりも……!)
自分はなんて幸せな女なんだろうか。
ふたりの男のペニスを同時に味わう。
少なくとも同年代でこんな特別な経験ができる子なんて、ざらにはいないだろう。
涙や涎をぼろぼろと溢しながらも、体の内側では何かがギラギラときらめき出すのを感じた。
それは、牝の獣がもつ本能だった。
「うんっ、んんんんっ……ぅんんんっ!」
早坂が腰を振り立てるスピードより早く、唇をスライドさせた。双頬を淫らにすぼめ、じゅるっ、じゅぷっと派手に音を立てて吸いたてる。口内ではねろねろと舌の先端を動かし、カリのくびれから先端の割れ目までをまさぐりぬいてゆく。
同時に、自ら腰も使い出した。
突き上げてくる高山のピストンリズムを受けとめるかのように、ヒップを左右に振り立てた。腰をくねらせ、咥えこんだペニスを味わうように自ら抜き差ししてみせる。
「むぅううっ……」
「あぉぉっ……」
ふたりの男たちの唸り声が前後から聞こえてくる。
いつまでもこの時間が続けばいいという思いと、一刻も早く絶頂を迎えたいという耐えがたい欲望が、火花を散らして交錯する。
三人で奏でる淫らなリズムは、男たちのくぐもった唸り声とソプラノの悲鳴、そして粘膜と粘膜を打ち付けあう卑猥な肉ずれ音によってクライマックスを迎えようとしていた。
視界さえ真っ白に染まってゆく中、口の中とヒップの中心で爆発が起こった。
早坂と高山が、ほぼ同時に精を放ったのだ。
前後から煮えたぎるエキスを体の中に送り込まれ、詩織の体の内側でも爆発が起こる。
五体の肉という肉が痙攣を起こす。
痺れるような快美感が何度も体の内側を通り抜け、上下の口を起点に反響し、無限大に増幅してゆく。
昨日までは想像さえしなかったインモラルな行為。その果てにある底無し沼。その中にどこまでも落ちてゆくような悪魔的快楽に包まれながら、詩織は意識を失った。
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