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6.雨と眼鏡と

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作者:しょうきち

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      1

 女体の味を知って良かったと思えた事と、反対に悪かったとしか思えない事がある。
 良かった事とは、精神的余裕が出来たためか、女に対し気後れする事が無くなった事である。
 上田が教えてくれた『声をかけるべき女の特徴』に従って、毎週末は繁華街で女に声をかけ続けている好雄であったが、はじめのうちは中々成果が出なかった頃もあった。しかし、慣れてくるに従ってナンパの成功率は向上した。
 向上したとはいっても打率は一割にも満たない。しかし、これまでのゼロと比べると大幅な上昇である。
 上田の言う『声をかけるべき女の特徴』とは、簡単に言えば女同士の熾烈なマウント争いに負けないためなのか、分不相応に高額なブランド品を持つ女である。その他の部分は地味だったりどこか洗練されていなかったりするのに、靴だったり鞄だったり腕時計だったり、ピンポイントでブランド品を身に付けている、そういう女である。
 そして、声をかけたら持っているその一品を徹底的に誉めてやる。それだけで悪い気はしないのが女という生き物の性である。何人かに一人は食事やカラオケに付き合ってくれるし、更にそのまた何人かに一人は「一度だけなら……」と言ってホテルへ行くのをOKしてくれる。
 肉体関係にまで至れればあと一歩だ。
「そのエルメスのバッグ、お前にめっちゃ似合ってるよな。まるで最初からお前が持つためにデザインされたみたいだ。でもさ、やっぱ一点モノだけじゃあお前の魅力は表現しきれてないって思うんだよな。やっぱ調和が大事だよ。ブランド品は揃えてナンボだって。考えてごらんよ。エルメスの財布を持ってる人生と、持ってない人生。一度しかない人生、どっちを選びたい? ちょっと我慢して週2とか3とかヘルスで働けばさ、月20万……いや、お姉さんなら30万くらいは余裕で稼げるよ。たったそれだけよ? 我慢なんてする必要はねえんだよ。好きなモン買えるし、行きたいところに旅行だって行けるんだ。こういう事って、若いうちしか出来ないからさ。年食ってから経験したってさ、感動が無いんだよ、やっぱね。不安に感じる必要なんてないんだよ。今時、言わないだけでみんなやってる事なんだからさ……」
 心にもない台詞。何度発したか分からない。
 ピロートークの最中、髪を撫でながら優しい声ででそんな感じの台詞を吐けば、大抵の女は心がグラつくのが分かった。
 その他にも、下北沢あたりにいそうな地方から上京したての垢抜けない勘違いファッションの女、ちょっと地味目な感じで磨けば光りそうなタイプなど、慣れてきたらこうしたタイプの女にも声を掛けるようにもなった。
 元より上昇志向の強い、隠しきれない欲望を秘めたタイプの女よりも、こうした『持ってない』タイプの女をおだてあげる方が性交━━もとい成功率が高いということが分かった。
 眠っていた才能が目覚めたのか、このやり方でこの半年間、既に何人かの女を風俗へと送り込むことに成功していた。こうした成果によって本番強要の罰金については返せる目処が立ち始め、上田からは高校卒業後はこの風俗を本格的に本業にしないか薦められる程となっていた。
 一方で悪かった事とは、童貞だったころは持っていた、水を求めて砂漠を彷徨っているような、あの狂おしい程の女への渇望がすっかり無くなった事である。どんな女と寝ても心の芯から満たされるようなあの感覚は得られず、セックスを終えてもただ単に一仕事終えたような気分にしかなからなった。
 こうした心境の変化には、自分の事ながら時折一抹の寂しさを感じることもある。
 ただ不思議なことに、女を崇め奉る事を止め、内心では商品のように見下すようになってくると、そんな態度が『余裕のある男』と見られるためか次第に女ウケも良くなっていた。
 気づけば街でのナンパだけではなく、高校においても女子グループがひそひそと自分の噂をしていたり、大した用事でなくとも向こうから話しかけられる事が多くなった気がする。端的に言うなら、モテるようになったと思う。
 女子特有の見栄や共感(形だけの)を上手くくすぐる事を意識すると、大概の女子とは会話が弾むし、向こうからデートに誘われることさえもある。
 こういった女子はヤれそうな相手は風俗行きを目的としたキープちゃんとして扱い、そうでない相手は公人を紹介してやるなど、適当にあしらっている。

      2

 好雄は現在、密かにきらめき高校内に複数名のセックスフレンドを抱えている。
  中でも比較的長くセフレ関係を続けているのが、同じクラスの如月未緒であった。
 未緒はクラスの中でも大人しく地味なグループに属しており、一見したところ男の影など感じられないタイプの女子であった。
 決して不美人な訳ではない、むしろよく見ればかなり整っている方ではあるのだが、髪型は緩く結んだ二つ縛りで化粧っ気も無く、とにかく垢抜けていなかった。
 実際好雄も、それ以前はクラスメイトであることさえ認識していたか怪しかったし、未緒と会話した記憶もこれまでの高校二年間においては殆ど思い出せないほど皆無だった。
 仲良くなった切っ掛けは図書委員会の仕事である。委員はクラスから男女一名ずつが選出されるが、好雄たちが所属する3ーAでは図書委員をやりたい男子がおらず、じゃんけんで負けた者がいやいや務めるのが常であり、不幸にも貧乏くじを引いてしまっていた。
 一方、女子側では奇特な事に毎年望んで図書委員に手を上げる者がいた。それが如月未緒である。
 未緒とは委員の仕事を一緒にしているうちにそれなりに話すようになってきた。大の読書好きで、図書委員には毎回立候補しているのだという。読むジャンルはシェイクスピアをはじめとした海外文学や歴史小説が主だが、少女漫画も読んだりする。好雄は文学作品にはまるで興味が無かったが、よく妹から最新の少女漫画を借りて読んだりしていたので、その辺り共通の話題が出来ていた。
 委員会の仕事が長引いた日など、時折一緒に帰ったりもする。
 ある日、帰り道の途中で急にどしゃぶりがひどくなってきたので、冗談めかして「ウチさあ、こっから近いんだよね。ちょっと雨宿りでもしてく?」と言った。
 未緒は顔を赤らめて頷いた。

      3

 好雄の自室。この部屋に女を入れたのは、母親と妹以外では初めてである。
 はじめから手篭めにしてやろうなどと考えていたわけでは無い。強いて言うなら、妹に対する感情に近い、ほんの少しからかってやろうという悪戯心があった程度である。
 どうしようもない程の女好きである好雄であったが、その対象は大抵遊び慣れていそうな軽いタイプの女である。未緒についてはどうせヴァージンだろうとたかを括っており、女としてはあまり意識していなかった。
 部屋へ入ると、未緒は気の毒なくらい身を強張らせていた。
「やんなっちゃうよな、この季節」
 好雄は持ってきた麦茶の入ったコップを、未緒の頬にピトリと当てた。
「ひゃっ! あっ……ありがとう……、ございます……」
 冗談めいた振る舞いにも未緒はニコリともせず、表情はシリアスなままであった。
「あ、あの……早乙女さん。妹さん、居るんですよね。優美ちゃん……でしたっけ?」
「ん? ああ。1コ下にね。でもあいつ、バスケ部だからさ、帰りは結構遅くなるはずだよ。バスケは雨で練習休みになったりしないからね」
「そう……ですか……」
 だから気兼ねなくゆっくりしていくといいよと言いたかったのだが、未緒の表情はどうにも落ち着かないというか、強ばったままであった。
「あ~、漫画でも読む?」
 未緒は答えず、思い詰めたような表情でじっと身をこわばらせていた。しばらくの間沈黙が流れた。
 外の雨音は強まるばかりであった。
 未緒は座ったまま、先程からずっと好雄をじっと見つめている。何か言いたいけど口に出す勇気がどうしても絞り出せない、そういった表情である。
「如月さん、なに緊張してんの。そんな初めて男の部屋に来たって訳でもあるまいにさあ」
「あっ、あの……、すいません」
 未緒は顔を真っ赤にしてうつむいていた。
 そうは言うものの、見た限り男の部屋へ入ったことなど無い初心さ丸出しな反応である。
 ここまで露骨な処女っぽい反応をされると、少しからかってみたくなるのが男心である。
 好雄は未緒の隣にどっかと座ると、鼻がぶつかりそうな程顔を近づけた。石鹸の香りに入り交じって、女子特有の甘ったるい汗の匂いがした。
「ひ、ひゃっ!? さ、早乙女さん……?」
「如月さんってさあ、こうして近くで見ると結構綺麗な顔立ちしてるよな。眼鏡取った方が美人なんじゃない?」
「あ……っ……!?」
 好雄は未緒の顔からひょいと眼鏡をつまみ上げると、本棚の上に置いた。
「おー、いいじゃんいいじゃん。外しちゃった方が絶対可愛いって。こんなの帰るときにまた返してあげるからさ」
「もう……! 変な事言わないで下さい……」
「そう? こういう事、今まで誰かに言われた事ない?」
「えっと……あなたで、五人目です……」
「あちゃ、そっか。ひょっとしてさ、その五人全員と寝ちゃった?」
「ええと……、その……、まあ……」
「なんてね……って……、ええっ……!?」
「えっ……?」
(ま、マジかよっ……!)
 好雄は軽いショックを受けた。地味で男っ気のなさそうな未緒が普通に経験済み、つまり非処女━━。それも一人だけではなく、複数人とは……。これまで未緒の事は特段意識していないつもりであった。しかし何故であろうか。この時、顔も分からない相手への嫉妬心が胸の中でメラメラと燃え上がっていた。
 改めて未緒を見てみた。見慣れた自室の絨毯の上、隣で頬を染めてちょこんと女の子座りしている姿が可愛らしい。薄暗い部屋の中、セーラー服から伸びる細い手脚が白く輝いていた。バストは巨乳とまではいかないものの、それでも妹の優美なんかよりは大きそうだ。プリーツスカートの中からチラリと覗かせている太股は、意外なほどにムチムチしてたまらなく弾力がありそうである。
 ヤれるかヤれないかでいえば、ヤれそうである。好雄の脳内では、そうした汚い算盤が一瞬の内に弾かれていた。
「……如月さん」
「は、はいっ」
「五人全員と寝たって言ってたよね?」
「は、はい……」
「五人目ってさ、俺じゃん」
「━━あ……!」
 好雄は未緒の身体を引き寄せた。
「……ぅんんっ!」
 強引に腰を抱いて唇を重ねると、未緒は目を丸くした。好雄は舌を差し出し、未緒の唇を舐めた。強張っていた表情筋が蕩けてゆくのが分かる。その隙に唇を割り、舌をねじこんだ。ネチャネチャと音を立てて舌を絡め合わせると、頬がぼおっと赤く染まり、鼻奥で悶え始めた。
 女らしい反応を見せ始めた未緒に、好雄の胸は一気に熱くなった。
「ぅんんっ……ぅんんっ……」
 キスを深めていきながら、好雄は未緒の胸に右手を伸ばしていった。セーラー服に覆われた膨らみを、下からそっとすくいあげた。
 見た目以上に丸かった。
 セーラー服の薄い生地の向こうに、ブラジャーのレースの感触があった。
「……ぅんあっ……あ、あのっ、早乙女さん……わたし、わたし……、あんっ、ぅむんんっ……」
 キスを解こうとする未緒を強引に押さえつけると、好雄は抱擁に力を込めた。勃起しきった男根をぐいぐいと押し付けていく。そうしつつ執拗に舌を吸い立て、唾液を啜りあげた。

      4

 家の外では未だ雨音が鳴り響いていた。
 無理矢理いけないことをしている自覚はあったが、降りしきる雨が秘めやかに覆い隠してくれるような気がしていた。
 欲望が疼いていた。
 このまま一気にセックスまで持ち込んでしまいたかったが、未緒の反応はまだ固いものであった。
 経験人数が少なくとも四人━━やもすればそれ以上あるということは、経験回数は自然に考えたら更にそれ以上の筈だ。だが、この反応を見るに意外とそうでもないのかもしれない。
 経験人数に比して経験回数がさほどでもない。これはつまり、これまでずっと、真面目に付き合う気など無いようなろくでなしに一度だけ抱かれてポイ、という扱いばかりされてきたという事ではないだろうか。押しが弱いためか、つい断りきれず━━というやつである。
(あれ? それって、もしかして……そう、俺の事じゃん!)
 好雄は苦笑いを浮かべていた。
 これまで抱いてきたのは商売女崩れや最初からナンパ待ち目的で繁華街で遊んでるような女ばかりで、未緒のような真面目そうなタイプとは初めてである。
 呼吸を荒げながら、好雄は未緒を押し倒した。
「あぁっ、いやっ……だめっ……」
 いやいやと身を捩る未緒の反応は、言葉と裏腹に拒絶する動きがひどく弱々しかった。泣きそうな顔をしているくせに、むしろ悦んでいるようでもある。
 空気が妙に湿っぽく感じた。その理由は外で降り注いでいる雨の為だけではないだろう。なぜならその証左に、漂ってくるのは生々しい女の匂いであったからである。
「なあ、いいだろ如月さん、頼むよ。もうこうなったら我慢なんて出来ないんだって。へふっ、如月さんだってそうだろ?」
「ううっ……」
 未緒が真っ赤になってうつむく。
 不覚にも可愛いと思ってしまった。
「あっ、あのっ、早乙女さん……」
「あん?」
「そっちに……」
 未緒は真っ赤な顔で人差し指を伸ばした。その先には好雄のベッドがあった。 

      5

 二人分の体重を受けたベッドは、スプリングがキィキィと音を立てていた。ハァハァと呼吸を昂らせながらスカートのホックを外し、セーラー服のファスナーを下ろした。果物の薄皮を剥いていくように一枚ずつ制服を脱がせていくと、残すは純白の下着の上下のみとなった。
「はぁぁっ!」
 ブラの上からぐいと揉みしだくと、未緒は白い喉を突き出して悶絶した。反応がいい。ブラのレースの上品な質感と、柔らかい肉のハーモニーは呆れるほどに卑猥であった。
 好雄は夢中になってブラに包まれた乳房を揉んだ。興奮に手のひらが汗ばんでいた。
 生身に触れたくなり、ホックを外し、カップをずらした。
 プルンとまろび出た生乳は、大きさはそこそこなものの、綺麗な乳首がツンと立っていた。興奮しているのか、血管が浮き出ておりじっとりと汗で湿っている。
 ブラジャーを脱がせると、好雄は膨らみに舌を這わせていった。
「あああっ、いやっ! 舐めないでっ……舐めないでくださいっ!」
 汗まみれの乳房を晒した未緒は恥ずかしがって悶えていたが、舐めずにはいられなかった。
 未緒の汗の味は信じられないくらい甘かった。
 しかも舐めれば舐めるほど新たな汗が滲み出し、頬ずりをすると顔中が甘い汗にまみれた。
(おおっ……、綺麗なピンク色……)
 乳首は素肌に溶け込んでしまいそうな程の薄い桜色である。経験人数に比して回数はそれほど多くはないのではという予測は、やはり当たっているのかもしれない。
「早乙女さんも……脱いでくれますか」
 汗まみれの乳房をやわやわと揉んでいると、未緒はついに覚悟を決めたような強い口調で言った。
「……ああ」
 好雄は服を脱ぎ、残す衣服はトランクス一枚となった。勃起しきった逸物がそろそろ下着の中で苦しそうな悲鳴を上げていた。
「早乙女さん……横になってください。私ばっかりしてもらえるの、申し訳ないので……」
 好雄は強ばった顔で頷くと、仰向けに寝転んだ。彼女の台詞からはそれなりの経験が伺えた。地味な顔をしているくせに、自分から積極的に責めたがるとは夢にも思っていなかった。
 未緒はおずおずとトランクスに手を掛け、めくり下ろそうとしたが出来なかった。逸物が途中で引っ掛かっていたからである。好雄は苦笑しつつ腰を浮かせ、自らトランクスを膝まで下ろした。
 勃起しきったペニスが、唸りをあげて反り返った。それを見た未緒が息を呑んだのが分かった。野太くみなぎり、ポタポタと大量の我慢汁を漏らしている。
「お、大きいですね……」
「……よく、言われるよ」
 未緒はおずおずと手を伸ばし、根元にそっと指を絡ませていった。
「あんまり得意じゃないですけど……頑張りますので……」
 未緒はピンク色の舌を差し出した。亀頭の裏側からねろり、ねろりと舌を這わせてきた。
「ふううっ……むうううっ……」 
 好雄は鼻息を荒げ、首にくっきりと筋を浮かべた。
 驚くべき光景である。ここは風俗店でもラブホテルでもない。さっきまで普通に一緒に高校で授業を受けていたクラスメイトが、見慣れた自室内でペニスを舐めしゃぶっている。フェラチオとは縁もゆかりも無さそうな顔をしているだけに、ペニスを舐めている表情が異様にいやらしい。
「うんんっ……ぅんんっ……」
 未緒は丁寧に舌を使っては、鈴口をチュッと吸ってきた。あまり得意ではないとの言葉でらあったが、丹念に時間をかけて全長を唾液にまみれさせてゆく。そのもどかしさが、興奮の炎に油を注ぎ込んでゆく。
「ぅむぅんっ……ぅんぐぐぐっ……」
 未緒はOの字に唇を割り広げ、次第に深くペニスを咥えこんでいった。顔を真っ赤にさせながら、夢中になって頬張っていく感じである。根元まで咥えこむと、ゆっくりと唇をスライドさせはじめた。頬をすぼめ、ペニスと口内粘膜をぴったりと密着させて吸いたててきた。
「おおっ……おおおおっ……」
 たまらず声をあげた。
 まったくどの口で苦手などと言うのか。
 異様なほど練達な口腔奉仕に、好雄は早くもタジタジである。このまま一方的に責められると遠くないうちに暴発してしまいそうであった。
「俺にも、俺にもさせてくれよ」
「あの……、じゃあ、私の方も……」
 未緒が恥ずかしげに囁く。もじもじと身をくねらせながら下肢を包んでいる下着を脱ぐと、雪原のように白くて丸い尻を好雄の方へと向けてきた。そして女性上位の体勢のまま、好雄の顔を後ろ向きにまたいできた。
 所謂シックスナインの体勢である。
(おおおっ……)
 迫り来る尻の迫力に、好雄は息を呑んだ。尻そのものは美しかったが、桃割れの部分から覗く女の部分は獣めいていた。アーモンドピンクの花びら、その奥にびっしりと茂った黒い繊毛、セピア色のアヌスまでがくっきりと見えていた。
 地味に見えて、意外と大胆である。
 ならばこちらも━━と、好雄は両手で左右の尻丘をぐいと割り広げた。むっと湿った発情の匂いが鼻につき、ぴったりと重なりあって卑猥な縦筋を作っている女の割れ目が眼前に飛び込んできた。
「んむぅううっ……」
 吸い寄せられるように舌を伸ばし、ねっとりと縦筋を舐めあげると、未緒の身体がビクンと跳ねた。
(これが……、これが如月さんのオマ○コ……)
 好雄は異様な程に興奮しつつ、舌を踊らせた。まずは縦筋を執拗に舐めほぐしてゆき、合わせ目が開いてくると、花びらを口に含んだ。左右をかわるがわるしゃぶりあげてゆくと、びっしりと肉ヒダの詰まった薄桃色の穴が姿を表す。
「はぁ……ぅんんんっ! ぅんぁあああっ!」
 未緒がペニスをしゃぶりながら悶える。好雄の与える陰部への刺激が、彼女の口腔奉仕に熱を込めさせていた。
 好雄は薄桃色の穴へと舌を侵入させた。
 色は薄目なのに熱かった。外からは伺い知れないが、彼女は体の内側に熱い欲望を秘めている女なのかもしれない。
 それを証明するかのように、舐めれば舐めるほどに熱い蜜がしたたってきた。好雄はそれをじゅるじゅると吸った。いくら啜っても後から後から泉のように涌き出てくる。
(濡れてる……。感じてるって事だよな……)
 地味な容姿とは裏腹に、一皮剥けばスケベな本性を隠し持ってていたということだろうか。
「んぅううっ……、むふぅううん……」
 未緒は四つん這いの身を捩らせて悶え、口腔奉仕は激しさを増していた。舐めて舐められる双方向の愛撫は、互いの興奮をかけあわせ、螺旋階段を登っていくように刺激を高めていった。

      6

 いったいどれくらい舐めあっていたのだろう?
 お互いの体が興奮の汗にまみれるまで、好雄と未緒はお互いに舌と唇を使っていた。
 しかし、何事にも限界というものがある。
 これ以上続ければ、流石に暴発してしまいそうであった。好雄は一旦クンニを止めた。
「……もういいよ」
 シックスナインの体勢を崩し、身を起こした。好雄の体の上から降りた未緒は、生々しいピンク色に染まった頬を向けてきた。
「欲しい……」
 未緒がぽつりとこぼした。
 だが未緒は、次の瞬間に目を点にしてはっとした顔をしていた。自ら発した言葉なのに、自分の口からそのような言葉が出てきたのが信じられないといった表情である。視線を泳がせ、 冷や汗を流し口をパクパクとさせている。
「いくぞ……!」
「あ……、ちがっ、待っ……!」
 好雄は未緒をベッドに押し倒すと、ペニスに手を添えて強引に貫いていった。
「んんんっ……!」
 腕の中で未緒がのけぞった。
 未緒の膣中はよく濡れていた。びしょびしょと言っても過言ではない状態だったので、開ききった膣口に、さしたる抵抗感もなくペニスはすんなりと入っていった。
「いやっ……、やはぁっ……」
 未緒が恥ずかしがって髪を振り乱す。泣きそうな顔でキスを求めてくる。
 好雄は舌を絡めあいながらピストン運動を始めた。膣肉はややきつく、肉ひだが絡み付いてくるような感じがした。
 未緒はすがるような目で好雄をまっすぐに見つめてきている。好雄はそれに応えるようにずんずんと突き下ろしていった。いやいやと口では言いながら、顔にはやめないでと書いてあるようであった。あえぎながら両脚で好雄の腰を挟んでくる。
「あううっ……! きっ、気持ちいいですっ……!」
 未緒は眉根を寄せ、唇を震わせ、ふっくらとした頬に涙を流しながら好雄を見つめてくる。
「はっ……初めてっ! こんなの初めてですっ! 早乙女さんっ……わたし、わたしっ! 好きっ……好きですっ!」
「如月さん……。未緒っ! うぁあっ、イクっ、出すぞっ!」
 未緒は声にならない悲鳴をあげながらビクン、ビクンと体を跳ねさせた。
 オルガズムスへの階段を一足飛びにかけ上がっていく未緒を、好雄は力の限り抱き締めつつ、ずんずんと最奥を突いていった。
「おおおおおっ、出るっ……もう出るっ、うおおおおおおーっ!」
 雄叫びをあげ、渾身の一打を打ち込んだ。煮えたぎる欲望のエキスをドクン、ドクンと未緒の中へと注ぎ込む。暴れるペニスがオルガズムスに達し収縮する蜜壺と一体になり、射精の快感を堪能した。
「はううううっ…… 、イクっ……イッちゃいます……、はぁ、ぁぅううううーっ!」
  アクメに達した未緒の腰をがっちりと固定しながら、好雄は長々と射精を続けた。 膣内に精を吐き出すこの瞬間はいつも気が遠くなりそうな程の愉悦が舞い降りてくるが、目を閉じることは出来なかった。顔をくしゃくしゃに歪めた未緒のイキ顔が思ってもみなかった程に悩殺的で、眼を離せなかったからである。そんな表情をむさぼり眺めながらしつこく腰を振りたて、最後の一滴まで絞り出すような射精を果たした。

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