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lion
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15 手掛かりを求めて
作:メルト
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2018/06/12
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……ほんとうに、いい匂い」
 足を一歩進めるごとに濃くなっていく甘い匂いに導かれどんどんと進んでいく彩花。
 「この匂いは、あの時の……」
 高見は、今周囲に漂っている匂いに覚えがあった。一カ月ほど前に起こった幼馴染時の詩織が失踪した現場の残り香とよく似ていた。
(もしかしたら、詩織の手掛かりが掴めるかもしれない)
 偶然訪れたチャンスに目が眩んだ高見は彩花を囮にすることを選択してしまった。
 段々と頬に少しずつ赤みが差し、足取りがおぼつかなくなってきた頃、彩花は目的地に到着した。
 雑木林の中のに入り少し歩いた開けた場所に雑草の生い茂る草むらの中に一輪の赤い花がぽつんと咲いていた。
 「……綺麗……な花…」
 その花から放たれる甘い香りと異形な形状ながらも美しいと感じさせる異様な感じのする赤い花。
 その匂いと魅力に酔い、意識が朦朧とした彼女はその花に
近づき花弁の近くに鼻を寄せその匂いを直に嗅いでしまったその瞬間、彩花は地面に倒れてしまう。
 「……んっ!」
 そのあまりにも強烈な香りを一気に嗅いでしまった事により意識を失った彩花の元に二匹の小型ヤモールは木の上から姿を現し彩花に近づく。
「ヒヒヒ、成功だ」
「アア、さすがはヤモール酒の原料にも使われるアムニドの花だ」
 一匹のヤモールは小さな箱を取り出すとアムニドの花を引っこ抜き箱に舞う。
 「サテト、目的は達成したから引き上げるか」
 「アア! パズール様が帰ってくる前にオレタチも楽しませてもらうとするか」
もう一匹が彩花を背中に背負うと、箱を持った小型ヤモールが近くの木の幹に近寄よると偽装された樹皮の部分を開け中に設置されたパネルを押す。
 しばらく周囲を軽い揺れが起こった直後、地面が盛り上がり地下へと続くトンネルが出来上がった。
「サア、とっとと行こうぜ」
  小箱を持った小型ヤモールがトンネルの中に入った後に、彩花を背負ったヤモールがうなづき続く。
 その様子を見ていた高見は、二匹が洞窟に入ってしばらく経ったのを見計らいトンネルの中に侵入する。
 「ごめん、彩花ちゃん。必ず助けるから」
 そう呟くき小型ヤモール達の追跡を再開した。
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