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13番外編『ある夏の日の一日(2)」
作:メルト
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2018/03/10
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「いってきます」
 夏休みの日課である、早朝のプール練習に行くためにスポーツバッグを肩にかける、玄関のドアに鍵をかけたのを確認した彩花は学校へと向かう。
 時間は七時を過ぎたところであり、徐々に暑くなってくる時間である。
 暑さを含んだベタつく空気が、ただ歩くだけで彼女の肌にまとわりつきその不快さが汗をかかせていく。
 「今日も暑いな・・・・・・」
 ポケットから取り出したハンカチで汗を拭いながら歩く彩花。だが、拭っても拭っても沸き出てくる汗にはさすがに降参したのか、近くにある街路樹の木陰
に避難して、バッグの中から取り出したペットボトルに口を付ける。
 「……んっ! 生き返る」
 適度に解けたスポーツドリンクを口に含み、一息つく。 だが、その一時の清涼感は彼女の不快さと行動力を削いでしまった。
 「出たくないな……」
 周囲を見渡すと、段々と暑くなっていく気候に連れられて周囲の人々は暑さにやられた表情を浮かべながら歩ている姿が目に付く。
 ハンカチやタオルで汗を拭きながら歩く会社員、ペットボトルを飲みながら歩く若者・日傘を刺して歩く女性の姿等、通学路の不快さが
彼女に二の足を踏ませているそんな時だった。
 「あれ、神薙さんじゃないか!?」
 「あ、高見先輩」
 「おはよう、神薙さん」
 「あっ!おっ、おはようございます」
 少々ぼーっとしていた彩花は。顔を上げると自分の学校の制服とは少し違う制服を着た少年が目の前にいることに驚き慌てて挨拶をする。
 そんな様子を見て察した高見は、笑顔を作り彩花に話しかける。
 「制服姿で、この時間だと……神薙さんは、部活の朝練に向かうところかな?」
 「はい、水泳部の朝練があるので。そういう高見先輩は?」
 彩花は、自然と木陰から出ると高見と共に学校へ向かい歩きはじめた。
 「僕は、学校に書類を届けに行くところ」
 鞄から取り出した封筒を彩花に見せる。
 「こんな時期に転校してくるなんて、受験勉強とか大丈夫なんですか?
 「ああ、そっちの方は心配ないよ。この前の模試で志望校はA判定とれたし……それに前の学校にいると色々と嫌な事を
思い出すんで」
 「えっ……」
 「おっと、喋っているうちにいつの間にか、学校に到着したみたいだよ」
 一瞬、陰のある表情を浮かべた高見の様子に慌ててなんとかしようとする彩花。しかし、運悪く目的地である学校にたどり着いた二人。
 「それじゃあ、僕は職員室に行くから!神薙さんも部活頑張ってね」
 「あっ高見先輩!」 
 来客用玄関口に向かう、高見の後姿を見ながら何か悪い事をしたような気分になる彩花だった。
 
「早く着替えて朝練の準備しないと」
更衣室に入室し壁にかかっている時計を見た彩花は、急ぎ自分のロッカーを開け、制服のボタンを外し水着姿になりプールサイドに急いだ。
 「一番乗り!」
 誰も入ってない、プールサイドを確認し準備体操を行うとプールに降り泳ぎ始めた。
 水泳部で毎日泳いでいる彼女がいつものペースで二百メートルを泳ぎ切った頃だった。 
「おお、やっぱり来てたか! 神薙姉」
「高梨先生に、……高見先輩?」
 自分を呼び掛けた声の方へ振り向くと、プールサイドには保険医の高梨と男性用の競泳水着を着た高見の姿あった。
 「……やあ、神薙さん」
 ばつの悪そうな表情を浮かべる高見を無視し、高梨は喋りだした。
 「神薙姉、ちょっと反対側のレーン借りるぞ」
 「はぁ……?」
 突然の事で戸惑っている彩花をみかねた高見が説明を始める。
 「じつは、高梨先生が『受験生が、そんな暗そうな顔していてどうする!よし、ちょっと来いストレス解消させてやる』ってプールに僕を引っ張って来たんだ」
  なんとなく状況を飲み込めた彩花は『災難ですね』という感情を込めた視線を高見に向ける。
 「じゃあ、神薙後は任せた」
 「えっ!」
 「とりあえず、そいつが三百メートル泳いだら帰らせていいから!それまでしっかりと見張っててくれ」
 「ちょっと、先生!いきなり連れてきて後は放置って……!」
  白衣を翻し颯爽と去っていく高梨の姿を呆然と見送った後、高見はため息を吐き呟く。
 「とりあえず、三百メートル泳いでおくか!泳がなかったら、何されるか分からないし」
 「駄目ですよ、高見先輩きちんと準備体操しないと」
 手足を軽くブラブラさせてプールに入ろうとした、高見を彩花が止める。
 「大丈夫だよ。これでも一応鍛えているし」
 「駄目です!ちゃんと準備体操してください」
 ポーズをとり頑丈さをアピールする高見に呆れた彩花は、プールサイドに上がり高見の前に立つと準備体操の演技を開始した。
 (ああ、メンドクサイ……っておお)
 「イチ、ニ・サンシ・ゴー・ロク・ナナ・ハチ!」
 自分の目の前で、準備体操をしている水着少女の姿に思わず生唾を飲んでしまう高見。
 全体的にむっちりとしつつ、見ただけでたわわに実っていることが分かる巨乳、引き締まったウェストに、魅惑の曲線を描く
ヒップから続く適度が肉付きながらもスラッっとした太腿。
 どれか一つだけでも、男の視線を集めることのできるパーツを複数も持ちつつも、男の視線に無防備な彩花はそんなことは気にもせず
目の前で一生懸命に準備体操を行っている。
 「高見先輩、もっとしっかりとやってください」
 その姿を堪能していたせいか、だらだらとしていた高見に呆れた彼女は、彼を座らせると柔軟体操を開始した。
(よかった、気づかれてない)
 一瞬、いやらしい視線で彼女を眺めていた事に気づかれたのかとビクっとした高見だったが、その手の視線に無防備な彩花は、だらけていると勘違いした
まま準備体操を続ける。
 彩花に逆らわない方がいいと感じた高見は、彼女に言われたままにプールサイドに座ると前屈運動を開始する。
 「これ苦手なんだよな」
 「駄目ですよ。もっとちゃんとしないと」
 苦手な前屈運動を適当に流そうとしてた高見の背後に彩花が背中を押す。
「いたっ! ちょっと神薙さん痛いって」
「大丈夫ですよ。もう少し、よっと!」
(おおおお、この感触は)
「もうちょっと、大丈夫かな」
「よいしょ!」
 高見の背中に突如押し付けられたムニュっとした二つの感触。先ほど水着越しで見た巨乳の弾力が押し付けられる。
 足の付け根と太腿に多少の痛さを感じたものの高見はしばらく間、彩花の巨乳の感触を堪能した。
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