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ヤモリの狙う七日間
7 一度受けた恨みは忘れない
作:メルト
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2017/09/07
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『ギャハハハ! 馬鹿だなトッケイの奴!偽物つかまされたんだって』
「それ、貴方が売るように手配したんでしょ」
モニター越しで、笑い転げている、ナマズのような顔をした宇宙人に呆れた感じで話しかけるハンプ。
『ああ、以前あいつのせいで、大儲けできるはずだった取引が流れた事があってな。その腹いせに』
『うっわ、あいつ何やったんだよ』
悪びれも得ず、偽薬品をトッケイに売ったことをさも楽しそうに語るナマズ男。
「で、俺に連絡するってことは、おまえ、今何やっているんだ?」
「あんたの作った、粗悪品を注射したターゲットの解毒作業。正しい、対処法を一応教えてほしいんだけど」
『ああ、じゃあ高速輸送便でデータを送ってやるよ。後、『純正品のヤモールのメスフェロモン』もサービスで付けてやる』
「どういう風のふきまわしだ?」
『なに、お前はお得意さまだからな。たまにはサービスの一つや二つしてご機嫌取らなきゃいけねえと思っただけだ』
一瞬、考えたが自分と目の前のナマズ商人の付き合いから、「たまには、こんなこともあるか」という結論に達しありがたく頂戴することにした。
「……じゃあ、ありがたくもらっておく」
『おう、メカでも薬でもいいからまた大量注文してくれよ』
 モニターの通信を切れたのを確認すると、カプセルの中で眠る彩花の調整を開始する。
「……とりあえず、最初のデータにあった地球人の状態に戻さないと。一応、中和剤の開発もしておくか」

「ギャハハハ!トッケイざまぁ! ざまぁ、ざまあみろ」
 ナマズ商人は、笑い転げていた。彼はトッケイのせいでいくつもの大口の顧客を
失い、闇稼業に手を出すきっかけを作ったトッケイを心底恨んでいた。
「さて、本題はこれからだ。あいつが、絶望した表情を見て大笑いするにはまだ足りん」
「旦那様、高速輸送便の準備が整いました」
悪い顔をし始めたナマズ商人の元に、ウナギのような顔をした男が声をかける。
「よし、それじゃあ指定したコースを使い送ってやれ。 それと足が付かんようにいつもとは違う別名義の架空の会社名義でな」
「はあ、本当にいいんですか?」
「かまわん、やれ」
「はい、それじゃあ手配してきますね」
ウナギ男が出ていったの確認すると、ナマズ商人は呟きだした。
「ハンプに送る荷物が違法の品だという情報を銀河警察には流していないし、通るルートが銀河警察の抜き打ち覆面検査が、行われるなんて情報はきっと偽装場だよな!ギャハハハハハハ」
 ナマズ商人は、何かを確信したのか嬉しそうに小躍りしながら、アンティーク調の収納入れに近づき高そうな酒を取り出し一人で祝杯を始めた……トッケイの破滅を願って。
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