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インナーストレングス
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2016 / 10 / 23
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 それから私は毎日、南ちゃんに電話するようになった。
 内容は他愛のない話がほとんどだった。学校でどんなことがあったとか、友達とどんなことを話したとか、練習がどうだったとか、昨日テレビでどんなのを見たかとか。ほとんど南ちゃんがしゃべっていた。私は彼女の愚痴や相談を聞く役目だ。
 教えてもらったのだが、南ちゃんは去年まで新体操部と野球部のマネージャーを兼部していて、それが新しく来た監督のせいで無理矢理マネージャーを辞めさせられたそうだ。いまでも籍は残っているが部外者扱いされるのがとても悔しいと言っていた。南ちゃんはそれぐらい野球部のマネージャーの仕事に誇りを持っていたわけだ。
 その南ちゃんだが最近幼なじみとうまくいっていないらしい。原因は彼がはっきりとした態度をしないからだそうだ。「達ちゃんは南にとって何なの?」という質問に「距離が近すぎるんだよ」と答えたとか。
 私は電話が終わると必ず南ちゃんの写真をオカズにシコシコしていた。脳内で彼女の声をリフレインして、レオタードの下に隠れた裸を細部まで想像しながら。多い時には1日に3発は抜いた。


 しばらくたった日曜日、私は都内の競技会場に南ちゃんの応援に行った。
「南ちゃん!」
 私が声をかけると、南ちゃんは「あ、T山さん」と言ってわざわざ駆け寄って来てくれた。
 残念なのはすでに演技が終わってレオタードの上にジャージを着ていたことだ。
「応援に来てくれてたんだ」
「当たり前だよ。南ちゃんの大事な試合だからね。まずは予選突破おめでとう」
「どうもどうも。まあ、まだ地区大会だし」
「すごく素敵な演技だったよ。とくにリボンが素晴らしかった」
「南、ちょっとミスしちゃった」
「あれで? 完璧に見えたけど」
「ミスしたのはボールの演技だけど、ボールをキャッチしたあとにバランスを崩したの」
「観客席からは気づかなかったよ」
「まだまだ練習不足なんだな」
「今日もたくさん南ちゃんのファンが来てたね。あとマスコミも何社か来てたみたいだね」
「そうなんだ。南は演技に集中してたから」
「ゾーンに入ってたのかな」
「ゾーン?」
「トップアスリートがすごく集中して、周りの雑音なんかがまったく気にならなく状況のことだよ」
「ふ~ん。物知りなんだ」
「ところでこの後予定ある?」
「この後?」
「予選突破のお祝いもしたいしさ。私のアパートに遊びにおいでよ」
「どうしようかなぁ」
「そんなこと言わずにさ」
「しょうがない。まだミーティングがあるから後でね」
 南ちゃんは軽く手を上げて、他の新体操部員が集まってる場所に走って行った。


 制服に着替えた南ちゃんとバス停で合流してアパートに移動した。
 今日は学生鞄でなくて大きなスポーツバッグを肩に下げていた。
 道すがら、どうやって南ちゃんのムフフな写真を撮るかで頭は一杯だった。
「今日は前より片付いてるな」
「昨日の内に掃除しといたからね」
「えらいえらい。南も何か手伝おうか」
「南ちゃんはお客さんなんだから座っててよ」
「そっかそっか」
 私はジュースとポテチを用意して、今日撮影したばかりの写真を南ちゃんに見せた。
「ほら、これなんかよく撮れてるでしょ」
 リボンを片手に持って、髪をなびかせた南ちゃんが両手と両足を大きく伸ばしてフロアでジャンプしている。
「ほんと。南じゃないみたい」
「どれも南ちゃんだよ」
「気づかなかったなぁ、南」
「こんな写真もあるよ」
「あはっ、文子が写ってる」
 演技が終わって、会場の隅で仲のいい友達としゃべっている南ちゃんの写真だ。
 リラックスした表情がとても新鮮だ。こうしていると南ちゃんも普通の女子高生なんだなあと思う。
「今日の競技で着てたレオタードもそのスポーツバックの中にあるんだよね」
「家に持って帰って洗わないと」
「見てみたいなぁ、南ちゃんのレオタード姿」
「え、ここで?」
「ダメかな」
「ダメっていうか、ちょっと」
「新体操にとってユニフォームだよ。いつも競技でたくさんの人に見られてるわけだし」
「そうだけど……」
「写真のモデルになってくれるって言っただろ」
「南、そんな約束したっけ」
「電話で、そんなに南のことが好きなら特別にモデルになってあげるって。忘れたの?」
「えー、言ったかな」
「言ったよ」
「ええーっ」
「約束は約束だよ、南ちゃん」
「まいったなぁ。冗談のつもりだったのに」
 南ちゃんは仕方ないといった様子でため息をついていた。

「そうと決まったらお着替えしないとね」
「はぁ、最初からそのつもりで南を誘ったんだ」
「ち、ちがうよ。純粋に予選突破のお祝いをしたくてさ」
「T山さん、あっちを向いてて」
「お、おう」
 南ちゃんは部屋の隅っこに立った。
(大胆だな。ここで着替えるつもりか)
 南ちゃんは男の怖さを知らない気がした。それかよっぽど私のことを信頼しているかだ。
 背後で衣擦れの音がする。
 そーっと後ろを覗くと、ブラジャーをした南ちゃんの背中が見えた。下にはまだスカートを履いている。
「こらっ! 見たなぁ!」
 私の視線に気づいたのか、南ちゃんが振り向いた。
 持っていたブラウスで胸を隠して、私を怖い顔でにらんでいる。
「わわッ、ごめん」
「もうっ、スケベなんだから」
「ほんとごめんよ、南ちゃん」
 私は再び正面を向いた。
 恐る恐る後ろを見た。
 ちょうど南ちゃんが腰のホックを外している場面だった。
 制服のスカートがフワリと床に落ちる。
(おおお! 浅倉南ちゃんの下着姿! ショーツは白か!)
 ブラもショーツとお揃いでとてもシンプルだ。
 南ちゃんはそういうおとなしめの下着が好みらしい。清純な彼女のイメージにピッタリだ。
「あれ、おかしいなぁ」
「どうしたのかな?」
「ううん。なんでも……たしかに入れておいたはずなのに」
 南ちゃんはスポーツバッグの中を探していた。
(ムフフ、探しているな。サポーターはすでにいただいたよ)
 こんなこともあろうかとトイレに入った隙にスポーツバッグの中からサポーターを抜いておいたのだ。
 南ちゃんは探すのをあきらめた様子だった。
 両手を後ろに回して、ブラのホックを外した。
 それからショーツに指をかけて、片足を曲げて抜いた。脱いだ下着類は制服と一緒にたたんでスポーツバッグの中にしまう。
(南ちゃんは怖い物知らずだな。もしかして私をからかってるのか??)
 いまのような状況では襲われたとしても文句は言えない。私はもうドキドキだ。
 スポーツバッグの中から青と白のデザインをしたレオタードを取り出した。
 肩の所を持って足を通して着る。背中のファスナーを指で引っ張って、髪を手ぐしで整えていた。
「着替え終わったから、もうこっち向いていいですよ」
 私はずっと壁を見ていた振りをして南ちゃんの方を向いた。
 目の前にいつも競技会場でカメラのフレーム越しに覗いていた南ちゃんがいた。
 薄手のレオタードがフィットして、引き締まったボディラインを余すことなくトレースしている。ただ細いだけでなく女子高生らしくつくべきところに肉がついて、体のラインが大人に変わりつつある。健康的な色気が漂っている。
「おお、すごく似合ってるよ」
「こらこら、目がエッチだぞ」
「そう言われてもさ」
 南ちゃんは両手で隠すように股間のところで重ねていた。
 控え目な胸の膨らみにはポチッと乳首が浮いていた。
(胸はBカップぐらいか。サポーターがないせいで意識しているな)
 微妙に南ちゃんの顔が赤い気がした。
 競技会ではまずお目にかかれない。
「もしかして照れてる?」
「べつに南は平気なんだから」
「そうだよね。いつも着てるもんね」
「そうそう」
「それなら手をどけてよ」
「えっ……」
「ほらほら」
 南ちゃんは渋々といった様子で、両腕を体の後ろで横にした。
「こ、これはっ!?」
 思わず声が出てしまった。
 南ちゃんの股間には、縦スジが思いっきり見えていた。
 なだらかなヴィーナスの丘のカーブ。陰毛の陰りはない。アスリートの多くが体毛の処理は欠かさないというので、南ちゃんもそうなのだろう。そもそも美を競う新体操選手でムダ毛の処理をしていない女子など見たことがない。

(ハアハア……浅倉南ちゃんの割れ目がっ、ものすごい破壊力だ)
 新体操選手の見本のようなスタイルの良さもあいまって、神々しささえ感じていた。
「み、南ちゃん……」
「……」
 緊張のせいか、南ちゃんは黙ってしまった。
「写真撮るよ」
「うん……」
 私はゴクリと生唾を飲み込んだ。
 南ちゃんは片手で軽く前髪をかきあげる。じっとこちらを見つめた。
(ムリして意識しないようにしちゃって……かえって裸よりもいやらしいな)
 私は目もくらむ思いで何度もシャッターを切った。
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