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ボルスター
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2016 / 03 / 12
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 マラソン大会の時に沙希ちゃんとしゃべる機会があったの。
 走り終わった後にスポーツタオルを持って来てくれたの。ちなみに男子は10キロで女子は5キロよ。

「詩織ちゃんすごいね。女子で15位だよ」
「1位は望ちゃん?」
「うん。断トツだったよ」
「さすがね」
「みんな頑張ってるなぁ。それぇ! 負けるなぁ!」
 沙希ちゃんは走っている生徒を大きな声で応援していたの。
「遅くなったけど、サッカー部全国大会出場おめでとう」
「ありがとうね」
「すごいわね。有名な強豪校を逆転で破るなんて。きっと沙希ちゃんが応援したおかげね」
「ううん。みんなの努力の成果よ。あと根性ね。私は頑張ってる人を応援するのが好きなだけなの」
「沙希ちゃんってほんとマネージャーの鑑ね。尊敬しちゃうな」
「そういってもらえると頑張ったかいがあったって思えるかも」
「ねえ、小増先輩とはうまくいってる?」
「うん。詩織ちゃんのおかげだよ」
 沙希ちゃんの笑顔がキラキラしていたの。女の子として羨ましいなって思ったわ。
「沙希ちゃん、まえより綺麗になったみたい。いいなぁ、恋の影響かしら」
「そうかな、ふふっ」
「体のラインもとっても女性らしくなったと思うわ」
「そういう詩織ちゃんもすごく大人っぽくなったよね。とくに胸とお尻の辺りが」
「えっ??」
「詩織ちゃん、槍地先輩と付き合ってるの?」
「いきなりなに?」
「違ってたらごめんね。このあいだ街で詩織ちゃんと槍地先輩が歩いているのを偶然見かけたから」
「あ、あれね。先輩とはなんでもないのよ」
「そうなんだ」
「そのこと誰にもしゃべってない?」
「うん。しゃべってないよ」
「良かった」
「あのね……」
 急に沙希ちゃんが声を小さくしたわ。
「??」
「私ね、小増先輩としたの」
「したって……もしかして」
 その言葉の意味を理解するのに5秒はかかったわね。
「詩織ちゃんって、驚くときに口もとに手を当てる癖があるみたい」
「え、そうかしら? 自分では気づいてないかも」
「いいなぁ、詩織ちゃんのそういうところ。とっても女の子っぽくて」
「沙希ちゃん」
「……地区大会で優勝したらって、そういう約束だったの」
「それで最近男子達が騒いでいたのね。痛くなかった?」
「はじめは痛かったけど、いまは痛くないよ。先輩はすごく上手なの」
「場所はどこ?」
「先輩の部屋だよ」
「そうなんだ」
 クラスの女子で経験したっていう話を聞くことはあるけど、まさか沙希ちゃんの口からそういう話を聞くとは思っていなかったわ。
 でも、沙希ちゃんが幸せならこれで良かったのかなって思っていたの、この時は――。
 
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