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ボルスター
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2016 / 03 / 05
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 1回だけという約束で先輩とデートすることになったの。ずっと断っていたけど、そうするのも限界があるわよね。それより早くわずらわしい事を解決して練習に集中したいって考えたの。
 場所はショッピング街よ。先輩はクラブっていってたけど私が却下したわ。
 当日、ブラウスに黄色のベスト、チェック柄のスカートを着ていったわ。青空が広がっていてとても気持ちのいい天気だったの。私の気分と正反対ね。
 いろんなお店で流行のファッションを眺めて歩いたわ。人気のスイーツショップでクレープを食べて、あいかわらず先輩はしゃべっていたけど、私はほとんど聞き流していたの。本音でいうと話しかけないで欲しいって思っていたぐらいよ。とにかく時間が早く過ぎるのを待っていたわ。

 事件が起きたのはゲームセンターに立ち寄った時なの。
 私が1人でクレーンゲームをしていると、3人組の不良にからまれたの。
「ヨオ、彼女~。1人~?」
「……あっちにいってください」
「そういわずにさあ。ヒュー、すげえイケてんじゃん」
「痛いっ、手を放して」
「へへっ、暴れんなよ。オイ、このままトイレに運ぶぞ」
 いきなり後ろから口を塞がれたわ。暴れようにも3人がかりだし、ほとんど無意味よね。他のお客さんたちに店員まで見て見ぬふりで、ほんとうに怖かったわ。白昼にあんなことがあるなんてウソみたいよ。
 もし先輩がいなかったらと思うとゾッとするわ。
 先輩は私を捕まえていた男の腕を掴んで投げ飛ばしたの。そこからはまるでアクション映画みたいよ。不良の攻撃をかわして次々と倒していったの。興奮した相手がナイフを取り出しても、先輩は私をかばって守ってくれたわ。私、先輩のことを見直しちゃった。

 騒動の後、近くの公園に移動して手当をしたの。不良たちも騒ぎが大きくなってどこかに逃げたみたい。
「先輩、大丈夫ですか」
「マアな。イツツ」
「……血が出てる」
 急いでハンカチを水に濡らして傷口に当てたの。
「こんぐらいかすり傷だろ」
「そんな……私のために」
「後輩が危ない目に遭ってて逃げられるかよ。藤崎を守るのは俺の役目だからな」
「先輩っ……」
 思わず胸がときめいたわ。こんな気持ち生まれて初めてよ。
「私、先輩のことを誤解してました」
「ヘェ、どんなふうによォ」
「先輩のことを悪くいう人もいるけど、そんなの全部ウソです。みんな本当の先輩を知らないだけだわ」
 自然と涙ぐんでいたの。第一印象が悪いと逆にその反動は大きくなるって聞いたことがあるけどほんとうね。人を外見で判断したらダメってわかったわ。
「藤崎は優等生だかんな。俺みたいなDQNと一緒にいるところを他の生徒に見られると嫌なんだろ?」
「ううん。もうそんなことありません。先輩は私にとって命の恩人です」
「ムヘヘ。嬉しいこといってくれるじゃん」
 気がついたら先輩の顔がすぐ近くに迫っていたわ。
 目を閉じて、そのまま先輩とキスを……。
 私のファーストキスよ。まさか相手が槍地先輩になるなんて、ほんのついさっきまで夢にも思わなかったわ。雰囲気に流された気もするけど、命がけで私を守ってくれた先輩に何かお礼がしたい気持ちだったの。
「先輩っ、私……」
 頬が赤くなっていくのが自分でもわかったの。どこを見ていいかもわからなかったわ。
「目が泳いでるぜ。はじめてか?」
 黙ってうなずいたわ。すごく恥ずかしいの。
「ムヘヘ、俺が藤崎のファーストキスをもらったわけか。あざーーす」
「先輩、ケガは痛くないんですか?」
「ア? ヘーキヘーキ」
「あんまり無理しないでくださいね」
「それよか、藤崎の唇すげえ柔ららかかったぜ」
「先輩に喜んでもらえたらうれしいな」
「ウブな後輩の唇を奪うのチョー興奮する」
「あ、あの、先輩……」
「わかってるって、俺がバッチシキスの仕方を教えてやるヨ」
「えっ??」
 言葉を返す暇もないうちに先輩の顔が再び覆い被さってきたの。唇を塞がれて舌を入れてきたわ。ディープキス?? しかも服の上から胸を触りだすし。夕方前の公園なのに。小さい時からファーストキスは映画みたいにロマンチックな場面って思い描いていたのに。現実は理想とずいぶん違っていたわ。
「肝試し以来だな、藤崎の胸」
「んっ、んんー」
「でけえナァ。あいかわらずヨォ」
「ン、ンンー、ハァ、ンクッ」
「ハァハァ、俺がしてるみたいに舌を絡めろよ」
「ハァン、ンア、クッ……あ、あん」
「おっぱいを触られながらディープキスされると頭が痺れるだろ」
「プハッ!! ……先輩の舌が、私の喉の奥にっ……こんなのすごいっ」
 先輩は私をベンチに追いつめるようにして、どんどん舌をねじ込んできたわ。喉の奥をねぶられる感じ? あれはすごいわね。脳の根っこを直接舌で舐められてるみたい。唾もいっぱい飲まされちゃった。そのうち先輩の手が私の脚を触って、スカートの中に入ってこようとして焦ったわ。「ダメです、先輩っ」って慌てて膝を閉じたの。そこだけは絶対に守らないと。
「舌を伸ばしてみろよ、藤崎」
「は、はい……んーー」
「ムヘヘ、こうして俺と空中で舌をレロレロさせようぜ」
「あ、あん……れろれろっ……」
「いいぜ、藤崎。舌の動かし方がわかってきたな」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 キスが終わった時には、魂まで吸われたみたいにぼーっとしていたの。目の前に霞がかかっていたわ。
 先輩はニヤニヤしながら私の事を見てたの。
 片手で私の胸を力強く……。思わず顔をしかめたの。
 私は「両親が心配するのでそろそろ帰ります」って、ようやく先輩から離れることができたの。
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