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ボルスター
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2015 / 04 / 17
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「コンパニオン~??」
 その話を聞いたのは、金曜の夜のことだった。
 本人の口から教えてもらった。
「もう、驚きすぎよ」
「なんでまた。いつだよ」
「今週の土曜からよ」
「今週の土曜って明日だろ。急すぎだろ」
「大事な取引先の人に頼まれたのよ、お父さんの」
 詩織の父親は外資系の一流企業に勤めている。エリートサラリーマンなので、その取引先に頼まれたとしても不思議ではない。
「それにしても湾岸オートサロンってすげえビッグイベントじゃん」
「そうなの?」
「幕張メッセだろ、場所は」
「そう、そこ」
「日本最大のコンベンションホールだぜ。知らないのか?」
「ふ~ん、そうなんだ」
「やけに余裕だなあ」
「週末にバイクの宣伝を手伝って欲しいっていわれただけよ。べつに私がなにか発表するわけじゃないのよ」
「まー、そうなんだけどさ」
「うふふっ」
「なあ、応援に行っていいか。その日は暇だし」
「ええ、いいわよ」
「詩織がコンパニオンか。いい思い出になりそうだな」
「私もあなたに見られてもはずかしくないように頑張るわね」

 当日、俺は電車を乗り継いで日本最大規模のイベント会場に足を運んだ。
 真夏の海水浴場を彷彿とさせる人混みだった。イベントホールには各所に企業ごとのブースやステージがあり、大々的にチューニングカーやカスタムバイクが飾られていた。セットで水着かレースクイーンみたいな衣装を着た女性が寄り添っていた。
 これは俺の勘違いだったのだが、オートサロンもモーターショーと同じだと思っていた。実際に現地を訪れてみると、コンパニオンの衣装は総じて露出度の高く、何回かにわけて行われるショーも女性のセクシーさを前面に押し出した物が多かった。中には7~8人のコンパニオンが下着みたいな格好で踊る物や、ビキニにホットパンツの女性がポールダンスを披露しているステージもあった。
 俺はそういった演し物を横目に眺めて、詩織が手伝いをしているブースに歩いた。

「うお、なんか好雄みたいなやつがたくさんいるな」
 他のブースとは比べ物にならない人数のカメラ小僧がステージを取り囲んでいた。後ろまでぎっしりと埋まっている。
 その先に赤い改造バイクに寄りかかって、片手を腰に当ててポージングしている詩織がいた。
 いつもはストレートの髪をわずかにウェーブさせ、耳には赤いイヤリングをして、グロスのリップを塗っている。衣装はまんまレースクイーンふうで、白地に青の、胸元にメーカーのロゴがデザインされたトップスと横にスリットの入った超タイトミニ、膝下まで隠れるロングブーツを履いていた。いずれもエナメル生地で光沢があり、スラリとした美脚を際立たせている。露出度の高さも他社のコンパニオンに負けてなかった。応援を頼まれたのがレースに参加しているメーカーなので当たり前といえば当たり前だが、ここまで本格的だとは思っていなかった。
「すいませーーん、こっちに目線をくださーい」
 カメラ小僧の呼びかけで、詩織がそちらを見てにこやかに手を振る。
 カメラの前で片手で肩にかかる髪を後ろに払い、軽く足を交差させるポーズをした。
(堂々としちゃってさ。詩織の奴、すっかりコンパニオンしてるな)
 世界的なメーカーが多数出展しているモーターショーに比べると、どうしても規模の小さいオートサロンのコンパニオンはレベルが一枚落ちる印象なので、ビジュアルも瑞々しさも詩織が他のコンパニオンを圧倒していた。ケバいギャルモデルの集団に1人だけ清楚な美少女がいる印象だ。その噂を聞きつけてこれだけのギャラリーが集まったのだろうと思った。
 詩織は俺が来ていることに気づいていないみたいだった。これだけギャラリーがいると無理もないが。
 気になったのはカメラ小僧たちがこぞって詩織のタイトミニの内側を狙っていたことだ。ステージは一段高くなっているので、下から覗き込む角度で撮影される。
 遠目にチラチラと白い三角形が見えていた。こういう場合、レースクイーンやコンパニオンは撮られてもいいように衣装の下に水着やレオタードを着用するのだが、詩織のそれは布地からして本物のパンティーだった。
(メーカーの指示なのか? それとも衣装の下に着る水着が用意されてなかったのか?)
 素朴な疑問をよそに詩織がパンフレットを配るためにステージの前方まで歩いてきて、やや前屈みに片手を膝に着いた姿勢で赤い髪をかき上げると、「おおお」という歓声とともに一斉にフラッシュが焚かれた。
 みんな真下から見上げるタイトミニの内側と、強調された胸元の谷間を狙っていた。
 会場から「すごくセクシー! もっとサービスしてよー」という要望が飛んだ。
 詩織は苦笑しながら後ろに向き直り、両手を腰に当てて、半身を捩ってセクシーにお尻を後ろに突き出すポーズをした。
 自信のなさそうな表情をした詩織がクネクネと腰を左右に揺らす。タイトミニの綺麗なヒップラインと、白い三角形ばかりに目がいった。
(いくら仕事だからってサービスしすぎだろ)
 ステージの中央に戻った詩織はバイクに跨がってハンドルを握った。
 穢れのないアイドルスマイルで、バイクが展示された台がゆっくりと回転をはじめる。
 ギャラリーから、ヒュー、ヒューと歓声が上がる。もはやカスタムバイクそのものよりも、それに大きく脚を広げて跨がっている詩織のコンパニオンらしからぬ清楚で愛らしいビジュアルと大人びたグラマラスなプロポーションにばかり注目しているように見えた。
 短いインターバルを挟んで行われたダンスショーでは詩織がセンターを務めていた。
 軽快なダンスナンバーにあわせて膝を使ってリズムを取り、大きくてを叩いて観客に笑顔を振りまいていた。立ったまま背泳ぎするような振り付けに、小さくジャンプして胸を揺らす。1・2・3と右に左にステップして手を叩く。耳元のアクセサリーがキラキラと輝いていた。他のコンパニオンとの息もピッタリだ。
 スポットライトが激しく点滅をはじめると、客席の手前まで進んだ詩織は赤い髪をかき上げ、腰を大きく左右にくねらせだした。曲はスパンカーズの『Sex On The Beach』だ。俺も聞いたことがある。曲名にも使われている「セックスオンザビーチ!」という大合唱に乗って、詩織がさらに激しく腰をグラインドさせる。クラブのお立ち台に昇ったみたいに、惜しげもなく美脚と生パンチラの両方をサービスしていた。ブースは大盛り上がりだ。
 片手を膝に置いた決めポーズもまるで本物のダンサーみたいだった。
 ショーが終わると詩織は急に恥ずかしくなったみたいに足早にステージ裏に引き上げていった。
 俺は学校での優等生ぶりとは打って変わった詩織のセクシーなダンスが目に焼き付いて離れなかった。
 せっかくだし挨拶をしておこうと、ステージ裏手にある関係者以外立ち入り禁止の場所に向かった。詩織にもらっていた関係者用のパスを見せて入れてもらうと、バイクメーカーの控え室を探して通路を奥に進んだ。

「あった。ここだ」
 メーカー名とコンパニオン控え室と張り紙のされた部屋を見つけた。
 ドアをノックしようとすると、中から話し声が聞こえた。
「や、やめてください……」という、嫌がる詩織の声だ。
 さらに「ダンスで体が火照ってるんだろう。私が冷ましてあげよう」という男の声だ。
 俺はそっとドアを開けて隙間から中を覗いてみた。
 そこでは壁際に追い詰められた詩織がメーカーのロゴが入ったトップスをずらされて、正面に立った男の両手におっぱいを乗せてタユンタユンと弾ませていた。
 男は高そうなスーツを着たハゲかけ頭の太っちょで、すごくスケベそうな顔をしていた。詩織のFカップの巨乳がどれほど重いのか測るように持ち上げて揺らしている。
 横の長机には詩織の私物と思われる洋服や鞄など小物類が散らばっていた。
「だ、だめですっ、やめてぇ」
「ハアハア、両腕は後ろだよ。逆らったらもっとエッチなことをするよ」
「あんっ、恥ずかしい」
「大勢の客の前であれだけ激しいダンスをしておいて白々しい」
「あれは、チーフの指示で……」
「いいのかな。大好きなパパが会社をクビになっても? 私が契約を打ち切るといえばどうとでもなるんだよ」
「ひ、ひどい……コンパニオンを手伝うだけって約束だったのに」
「おかげで我が社はじまって以来の大盛況だ。パンチラ見たさのカメラ小僧がたくさん集まってきた」
「いやっ、はあ」
「どうやらまだ男を知らないみたいだから、今日のイベントが終わったら体の隅々までホテルでじっくり調教してあげよう」
 男は詩織の双乳を両手で掴んでグイグイ揉みはじめた。
 詩織はすでに涙目だ。男の命令を守って、両腕を後ろにする言いつけを守っているのが詩織らしい。
 根元から強く握って絞る。柔らかい詩織のバストにうっすらと赤い手形が残っていた。
 そこまでのやりとりで相手の男が、詩織がコンパニオンをしているバイクメーカーの重役だと気がついた。もらったパンフレットに写真が載っていた。
 今度は指で乳首をいじり、詩織がイヤイヤとかぶり振る。
「はあっ、乳首に触らないでっ……!!」
「ハアハア、もう感じるのか」
「ち、ちがいますっ、ぅぅ」
「ピンク色で感度の良さそうな乳首だ。あとで特別に手当をあげよう」
「いらない、いりません……手をどけてぇ」
「素直じゃないな。コンパニオンはみんなメーカーの役員に抱かれてステップアップするんだよ」
「私、やめますっ、すぐに家に帰りたい、うう……」
(詩織の弱味につけこんで! 最初からこれが狙いだったんだな!!)
 すべて合点がいった気がした。
 どこかで詩織のことを知った男が、会社の契約を利用してコンパニオンとして指名したわけだ。父親のことを出されたら断れないのも計算の内だろう。
「それにしてもデカパイだ。デカイだけでなく張りもある。どこもかしこもフェロモンがムンムンだ」
 男は胸元にかかった詩織の赤い髪を横にやり、左右の乳首を指で摘まんで捻っていた。
 詩織はシクシク泣いて「いや、変なことをしないで」と訴えた。
 指で弾くと、詩織の乳首が充血して尖りを帯びる。肌もじっとり汗ばんできた気がした。それが先ほどまでのダンスのせいなのか、性的に興奮したからのかは、俺の場所からはわからなかった。
「こうやって男に乳首を弄られるのも初めてじゃないんだろ」
「ううう、ひどい……」
「こっちはどうかな」
「いやっ、そこはほんとにダメですっ!!」
 男の手がタイトミニの内側に伸びる。
 すぐに反応した詩織が腰を横に逃がそうとした。
 そのままグチョグチョと指を使っていじくるのがわかった。
「いやぁぁ、はぁ、ああっ……!!」
「ハアハア、虫も殺さなそう顔をしてやっぱり濡らしてたか。ここがぐっしょりだぞ」
「うう……ちがう、ちがうの」
「おおかたバイクで擦りすぎて感じたんだろ?」
「ああん、ひどい……私は一生懸命……」
「ホラホラ、どうだ。こうして指で擦ってたまらなくしてやろう」
「はぁはぁ、いやぁん……へんな気分になってくるぅ」
「いいぞぉ、その調子で気をやってみろ、そらっ」
「ううう、はぁ……〇〇くん……」
 顔を上気させた詩織が唇を引き縛る。重役の男の腕を掴んで、必死にセクハラを止めさせようとしていた。
 かぶり振ってイヤイヤする詩織が大粒の涙をためているのを見て、さすがにこれ以上は黙っていらなかった。

 一旦ドアを閉めてノックした。
 すぐにシーンとした。
 それでも返事がないので、「そこにいるんだろ、詩織?」と呼んだ。
 直後にドアが開き、抱えた荷物で体を隠すように詩織が飛び出してきた。
 俺のことを見向きもせず、通路を全力で走っていった。
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