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ボルスター
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2015 / 04 / 10
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 体育の授業中――。
 水飲み場に行くと、体育倉庫の裏手から俺の名前を呼ぶ声がした。
 気になってそっちに行くと好雄がいた。
「こっちだこっち。面白いのが見れるぞ」
「なんだよ」
「黙って来いって」
「えらそうに」
「文句の前にここを覗いてみやがれ」
「やれやれ、精が出るな」
 好雄が親指でさした先には、ちょうど10円玉サイズの穴が開いていた。
 俺は「どうせクラスの誰かが逢い引きしてるんだろ」ぐらいの軽い気持ちで壁に顔を近づけた。

(……3人いる?? あれは――)
 聞こえたのはビタンビタンという柔らかい物を叩く音だ。薄暗い倉庫内に体操着姿の男女が複数いるのがわかった。男子が2人、女子が1人だ。
 平均的な背丈をした女の子は体を倒して跳び箱に両腕を着いて、ブルマとパンティを一緒に膝まで下げた状態で後ろに立った男子に一定のリズムで突かれていた。グチョグチョという絡まる粘っこい音がした。そのすぐ横にはだらけた姿勢の男子が、床にあぐらをかいてタバコをゆっくり吸っていた。
(セックスされてるのか、授業中だぞ!?)
 興奮より驚きが大きかった。不健康そうな顔と茶髪のリーゼントに、ボウズ頭で細くカットされた眉の形ですぐにわかった。ワル山とゲス沼だ。2人はきらめき高校に数少ない不良で、一個上のダブリで授業にもほとんど顔を出さない。たまにきても一番後ろの席でマンガ雑誌を読むか居眠りしている。
 俺はそれよりも女の子が誰なのか気になった。ちょうど首から上の顔の部分がボールの入った籠が邪魔で見えなかった。ただこの時間に体育の授業をしているのは3年生だけなので、3年の女子だということは確実だ。
(まさか詩織じゃ……)
 バランスの取れたスタイルとピチピチの白い肌に最悪の予想が頭をよぎった。学校のアイドルで優等生の詩織は不良に一番目をつけられやすい女子生徒といえる。実際にワル山とゲス沼が放課後に詩織を拉致ってレイプしようと狙っているという噂を聞いたことがある。
 女の子はペニスを突き込まれるたびに「あんっ! あんっ!」というかすれた声を漏らしていて、その声も気のせいか詩織に似ている気がした。
(ウソだろ……さっきまでクラスの女子と一緒にいたはずなのに、いつのまに)
 詩織の健康的なブルマ姿を眺めているうちに興奮したワル山たちが欲望を抑えきれずに授業中に連れ去った可能性もある。暴れて抵抗したとしても、力で勝る不良が2人がかりで口を塞いで運べば、詩織でも逃げられないだろう。
 くびれた腰を押さえて突きまくっていたワル山が、女子の右腕を掴んで後ろに引っ張った。グラリと体が揺れる。体操シャツの半分めくれた白い背中が弓なりになって、差し込む窓の明かりに照らされて女の子の顔がようやく見えた。
 清らかな湧水に満たされた泉のような瞳とスッとした鼻立ち、さらさらの青い髪のショートヘアをした、中性的な横顔――。
(虹野さん!?!?)
 声が裏返りそこねた。詩織かもと震えていた女の子は、詩織の次ぎに人気のある虹野沙希さんだった。
 右腕を引っ張られてこちら側に半身をよじった虹野さんは、青みがかった瞳をうっすら濡らし「あんっ! あんっ!」と甘い喘ぎを漏らしていた。
 抵抗するわけでもなく、けして無理矢理レイプされているふうでもなかった。むしろわかっていてワル山に身を任せている、そんな悲しそうな感じがした。

「なっ? びっくりしたろ?」と、好雄がいった。
「どうして虹野さんが」
「さあな、コマシにあっさり捨てられてかなりふさぎ込んでいたからな。そのせいじゃないのか」
「だからって……」
 コマシ先輩にヤリ捨てられてからというもの誰よりも明るく元気だった虹野さんはすっかり変わってしまった。深刻そうな顔をして一人でいることが増え、マネージャーとしての仕事も休みがちで、サッカー部にあまり顔を出さなくなったと聞いた。その後だ、校内で虹野さんがワル山・ゲス沼たちと一緒にいるのを見るようになったのは。それまで虹野さんは不良たちとの接点はなかった。
 ワル山が一回腰を引いて根元まで一気に叩き込む。ショートヘアの前髪が揺れ、虹野さんが顔をしかめた。背中が小刻みに震えていた。

「沙樹の虹マンがすげぇ絡む」
「ああん、んんっ」
「へへへ。沙樹ィ、気持ちいいか」
「いいっ、いいですっ、先輩っ! 奥にひびく」
「ハアハア、いい声じゃん。学校ナンバー2の美少女かと思うとたまんねぇヨ。マンコをキュッとさせてみろ」
「ああん、はあっ」
「うおっ、きたっ、ヌルヌルが締まる」
「ハアハア、先輩っ」
「俺がいいっていうまでイクなよ」
「は、はい……はぁ」
 虹野さんの呼ぶ先輩という響には別の感情が含まれているような気がした。
 ワル山が突き刺したまま腰をグリグリさせると、体操シャツがめくれてブラの外れた形の良いバストの先が充血して尖っていた。なんとなく虹野さんの乳首の色が黒ずんで見えるのは気のせいだろうか。
 虹野さんが唇を噛みしめて、「奥が広がっちゃうっ、ンンンーーー」とうめいた。
「今度は沙樹が動いてみろよ。こすりつけるようにだぞ」
「ああ、はぁ、こ、こうですか」
「おお、いいぜぇ。すげえやらしい腰使いじゃん」
「はあ、はあ、ああ、か、体が勝手にぃ」
「へっへ、捨てられた男に覚えさせられたみたいだな」
「いや、やぁ、ちがうの、はぁん」
「サッカー部のアイドルがマンコの奥まで開発済みとはエロマンガみたいだな」
 虹野さんが瞳に大粒の涙を浮かべながらイヤイヤと首を振って、自分で腰をねっとりと動かす。

「ねぇ、そこでなにをしてるの?」
 いきなり背後で知ってる声がして驚いた。
「うわああっ! し、詩織っ!?」
 体操服姿の詩織がそこに立っていた。
 ウフフと両腕を後ろにして、年上のお姉さんが弟の悪戯の場面を見つけたみたいな柔和な笑顔で俺を見ていた。
「なんでもないよ」
「なんでもないのに慌てるの?」
 詩織はキョトンとした。
「でっかいカマキリを見つけてさ。そうだよな、好雄?」
「好雄くん?」
 助け船を求めて隣を見ると、さっきまでいたはずの場所に好雄がいなくなっていた。
「あの野郎……」
「ふ~ん、なにか見えるの、そこから?」
「さあ、なんのことだ」
「あなたの後ろにある穴よ」
「気のせいだろ」
「あなたが必死に覗いてたの後ろで見てたのよ?」
「なんもないって、マジで」
「あやしぃ」
「あやしくないあやしくない」
「そこをどいてもらえる?」
「死んでもいやだ。宇宙が破滅してもいやだ」
「なに子供みたいなことをいってるのよ。おばさんにいいつけるわよ」
「それもやだ」
「もぉ! いいかげんにしなさい」
「やめろばかこの、幼なじみ暴行罪で訴えるぞ」
 俺の態度のカチンときたのか、詩織は俺を力づくで押しのけようとしてきた。
 俺はとっさに詩織の腕を掴んで押し返した。
 まるで子供と子供が玩具を取り合うように、勢い余って俺の足と詩織の足がもつれてその場に転倒した。

「いててて……」
 気がついたらすぐ目の前に詩織の顔があった。
 倒れたまま俺が覆い被さった格好で、下になった詩織の手首を右手で掴んで、着いた左手で詩織の胸を触っていた。
 タユユン! タユユン! という柔らかな感触。つきたてのお餅みたいな弾力が俺の手を押し返してきた。

(この感触はもしかしてノーブラなのか??)
「うううんん……」
 はずみで体操シャツが半分めくれて、豊潤な下乳のカーブがのぞいていた。そこにあるはずのブラジャーのシルエットがなくて、かわりにポチッと乳首が浮いていた。
 俺は詩織が気がついてないことをいいことに、体操シャツの内側に手を入れてFカップの生乳を2回3回と揉んでしまった。しっとりとしていて、まるで俺の手に吸い付くような張りとボリュームだった。
 気づいた詩織はすぐに片手で体操シャツをおろした。
「〇〇くんのエッチ」
「ち、ちがうよ、詩織が気絶したかと思って応急手当をしたんだろ」
「ほんと?」
「ああ」
「……」
 詩織が急に黙った。さらさらの赤い髪が地面に広がった愛らしい顔が10センチぐらい先にあって、まっすぐに俺のことを見つめていた。
 まるで俺が詩織を押し倒したみたいだと、そのときになって気づいた。二人きりでこのまま告白しろといわんばかりに、おあつらえ向きのシチュエーションだ。
「詩織ってノーブラなんだな」
「え……」
「いつもなのか」
「ち、ちがうわよ……今日はたまたまよ」
「そっか」
「なによ……」
「詩織こそどいてっていわないのか?」
 なんか詩織の雰囲気がいつもと違っている気がした。もしかして詩織って押しに弱いかもという期待感があった。
 俺は思いきって詩織のおっぱいをもう一度触った。体操シャツの中でモミモミ揉んで、乳首を指でコリコリッとさせた。
「あんっ……!!」
 詩織が目を閉じて、あご先をわずかに反らして色っぽい声を発した。急激に顔が赤くなる。
 あきらかに感じた声だと思う。
 詩織のやらしい顔を初めて見た気がした。
「ハアハア、詩織っ」
「も、もぉ、いまのは絶対わざとでしょ」
「詩織ってキスしたことあるのか?」
「いきなりへんなことを……」
「子供の頃のはノーカンでさ」

 言葉につまった詩織が一瞬瞳を横に逸らした。
(この感じ、キスしたことあるのかな??)
 詩織のバツが悪そうな様子からなんとなくそんな気がした。普通だったら相手が誰か詮索するところだけど、いまはそれどころじゃなかった。
 ちょうど俺のパンツの股間は詩織のブルマの股間に当たっていた。さっき虹野さんのあられもない姿を見たこともあり、なにより柔らかいおっぱいの感触と、詩織の体からする甘酸っぱい体臭に俺の理性は崩壊寸前だった。
「あっ、あんっ、当たってる」
「どこに? なにが?」
「いじわるっ、しらないっ」
「ハアハア、してもいいか、キス?」
「だ、だめよ……こんなところで」
「ここじゃなかったらいいのか?」
 間髪入れずにした問いかけに詩織はなにも答えなかった。
 抵抗らしい抵抗をほとんどしなかったので嫌がっているわけではないと思った。
「ハアハア、逃げないとほんとにするぜ?」
 俺はしっとりとした桜色の唇に吸い寄せられるように顔を近づけた。
 詩織が覚悟を決めたように静かに瞼を閉じた。

 そのとき近くで「詩織ちゃ~~ん、どこ~??」と、美樹原さんの声が聞こえた。
 詩織がハッとして、首を横に動かした。
「すぐいくわ、メグー」と、俺の体を押しのけて立ち上がった。
 まるで何事もなかったようにブルマについた砂を払い、さらさらの赤い髪を片手で軽く背中にやった。
「ごめんなさい。私、先に戻るわね」
 アルバムの一枚みたいににっこりと微笑む。
 10秒でいつもの完璧な詩織に戻っていた。
「お、おう……」
「あなたもこんなところでサボってないで早く戻らないとダメよ」
「わかった」
 詩織は「うーん」と両腕を伸ばしながらグラウンドに戻っていた。

「チェッ、あとちょっとだったのに」
 それでも俺の左手には、詩織のノーブラの生乳を揉んで乳首を触った感触がこれまでにない達成感と共に残っていた。
 あのまま続けていたら確実に詩織とキスが出来たと思う。それどころかもっとすごいことも……。
 壁に片手をついて自然と顔がニヤついてしまった。

(あれ……? そういえば詩織のやつ、体育倉庫になにしに来たんだ??)
 いなくなったあとでそんな疑問がふと浮かんだ。
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