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Buckle oneself to wark
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2014 / 07 / 25
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 撮影場所を兼ねた宿泊先は、空港から車で一時間ほど移動した距離にある高級リゾートホテルだった。三日月状のプライベートビーチのほとりに白亜の高層ビルがそびえ建っている。周囲には熱帯雨林のジャングルがうっそうと生い茂り、市街地から離れていてとても静かな場所だ。野鳥の鳴く声と波の打ち寄せる音ぐらいしか聞こえない。まさに観光パンフレットそのままの風景があった。

「いいねえ~。その表情。すごくいいよ~」 
 ヤサ男めいた青山得意のフレーズが吹き上がる浜風に乗って青空へと羽ばたいている。いくらか緊張気味な表情をした詩織が風になびく赤い髪を片手で押さえて、にっこりと笑う。乾いたシャッター音が小気味良く響いた――。
 撮影はホテルの最上階にあるスウィートルームを押さえて行われていた。世界のVIPも利用する高級リゾートホテルだけあって内装は豪華で、いくつもある部屋のどれもがゆったりとして広い。果てしない水平線が見渡せるテラスには専用のミニプールまである。眼下にはエメラルドブルーの海と真っ白な砂浜のプライベートビーチが広がっている。
「少し下を向いてくれるかな。指はこう、スカーフのところで組んで」 
 澄み渡った青空を背に立っている詩織の側に寄ると、腕を持ってスカーフのところで重ねるように指定して細かくポーズの注文をする。離れぎわに髪に触れた。
 詩織はきらめき高校の制服を着ている。胸のスカーフが黄色いリボンになったセーラー服だ。膝上10センチのプリーツスカートがヒラヒラと清純にはためいている。
 今回の撮影では青山のアイディアにより、日ごろの藤崎詩織そのままをコンセプトに衣装が選ばれていた。つまり普段詩織が着ている制服をそのまま着用している。リアリティこそが青山がもっとも重要視する撮影哲学なのだ。そのためメイクもファンデーションを軽く当てる程度で、唇にリップグロスを塗っているぐらいだ。つけ睫毛もアイシャドウもしていない。マニキュアも塗っていない。光源も下からのライトを大量に当てるようなこともしていない。それでは少女特有の肌質が表現できない。少女が生まれ持っているありのままの姿をネガに投影する、それこそが青山の目的であり、美少女カメラマンとして成功した理由でもあった。
「そう、いいよ~。そのまま動かないで、撮るからね~」
 詩織が呼吸を吐き出すタイミングを計ったようにシャッターが切られた。
「あい、もらった~。いいね~、最高だよ。雰囲気だけじゃなく、仕草も完璧だね」
 コブシの効いた声で褒めちぎる。たえまなく話しかけて褒めまくることにより、撮影される少女の緊張をほぐし気持ちを撮影へとのせているのだ。そうしてアイドルの心理状況を知り尽くした熱視線を注いでいる。撮影中でも夢見がちな少女の自尊心を甘くくすぐることを忘れない。ポイントはアイドルにカメラを意識させることだった。
「これだけ美人だと学校で大人気でしょ。きらめき高校だよね? やっぱりマドンナとか言われてるのかなあ」
 あわただしくスタッフに指示を飛ばしてカメラを構える。ファインダーを覗くと人が変ったように冗舌になる。カメラマンには往々にしてあるタイプだった。むしろ口下手なカメラマンはカメラマンとしてやっていけない。そこには写真を撮る者と撮影される者の意思の疎通が不可欠なのだ。自然風景や静止物を撮影しているわけではない。
 詩織は「そんなことありませんよ」と瞬きをして答えていた。
「またまた~。ラブレターもらいまくりでしょ」と、忙しくシャッターを切っている。
「ファンレターとかはたくさんありますけど」
「学校に好きな男子はいないの? いるよねえ、高校生なんだし」
「……ふふっ。秘密です」と、詩織は意味深に笑っていた。
 機内での悪戯のことは頭から消している。そうでなくとも撮影に集中しなくてはいけない。理知的な詩織はプライベートと仕事を切り替えるスイッチを持っていた。それにここは開放的な南国のリゾート地だ。嫌なことなど気持ちの良い潮風が運び去ってくれる。夏休みということもあり、多くの少女がそうであるように詩織の心も開放的になっている。そこにきてこの青い海の絶景だ。何か出会いがあるような予感めいた物を感じている。
「たくさんアイドルを撮ってきたけど、詩織ちゃんが断トツのナンバーワンだよ。これ、お世辞じゃないよ。マジのマジだよ~。制服姿もすごく可愛いね。このままお嫁さんにしたいぐらいだ」 
 そんな一言一言に詩織は珍しくドキリとしてしまう。レンズを通して注がれる視線を意識しないわけにはいかない。あわせた指をモジモジさせた。
「他のアイドルのときも同じことを言ってるんですよね、ふふふっ」 
 軽く受け流しつつも詩織の頬はほのかに熱くなる。有名なプロ写真家に撮られているというだけで、ふわふわとした浮遊感にも似た感覚を覚えるのだ。やはりスタジオでの撮影とは違うと感じている。大勢のスタッフに囲まれて、お姫さまのようにチヤホヤされて注目されていると詩織みたいな真面目なタイプの女子高生でも自分が物語のヒロインになったような気持ちになってくる。
「いやぁー、まいった。手強いな~。そりゃあさ、こういう仕事でしょ。褒めなきゃメシが食っていけないってのもあるけどね。中には大手事務所ってだけでひどいのもいるよ。顔は綺麗だけど肌が荒れてるのとかね。でも、詩織ちゃんは違う。ほんとこんなオーラのある子は久々だ。初めてかもしれない、これ冗談じゃなくね。カメラを持つ手が震えてるんだよ、ほら。ほんといつ以来かなあ。このまま詩織ちゃんを主役に一本映画を撮りたいぐらいだ」
 青山はわざとらしくカメラを持つ手を震わせてふざけていた。撮影慣れした余裕を感じさせる。
「映画なんて。わたし、演技とかあまり得意じゃないし」
 詩織がまんざらでもないといった様子で、口もとだけではにかむ。詩織でさえこの調子だ。たいていのアイドルであればコロッと落ちている。耳慣れた社交辞令であってもレフ板とレンズを向けられて言われると嫌な気はしない。そんなふうに思えること自体撮影にのってきた証拠でもある。
「いろいろ企画を練ったけど正解だった。とても自然な感じがいいね。写真にリアリティが増す。写真集ってのは、なんていうか、手の届く距離感ってのが大切でね。たとえばアフリカの人に和服姿を見せても珍しいと思うだけで、特別な感情や思いいれはないだろ? 時間の共有って言うのかな、同じ教室にいるような錯覚をさせれたら勝ちだね。きらめき高校の制服は人気があるからファンの人達もきっと喜ぶよ」
 詩織は照れた感じで髪先を指でいじって、うなずきで同意する。大勢いるファンのためにもいい写真を撮ってほしいと考えている。
「写真のことはよくわからないけど、事務所の人がおっしゃっていたように青山さんって写真を撮るのがとてもお上手だと思います。なんだか気持ちよくレンズを見ていられる、っていうのかな。あんまり写真に撮られるのって好きじゃないけど、青山さんだと不思議と大丈夫みたいなんです。どうしてなんだろ……あ、こんなこと失礼ですよね。青山さんはプロのカメラマンなのに」
「やや、嬉しいね。詩織ちゃんみたいな若い子に褒められると、やってやろう! っていう意欲がわいてくる、とくにね。この年になると面と向かって褒めてくれる人間もいないもんだよ。みんなおべんちゃらばっかりでしょ」
「でも、不思議……制服を着ているとなんだか学校にいるみたい。いつも着ているから近くに友達がいるような気がします。だからかな、外国なのに日本にいるみたい。景色も空気もぜんぜん違うのに。海がすごくきれい」 
「最高でしょ。やっぱり海は南国にかぎる。エーゲ海も、あれはあれでいいけどね。学校か、懐かしいねー。自分の頃は脱脂粉乳ってあったんだよ。知らないでしょ」
 詩織は片手で耳元の髪を押さえて、苦笑しながら首を横に振っている。
「お、その笑顔もらおうか。いいねえー。こうして撮ってると南国の学校に転校してきた美少女みたいだ。青い海がとてもよく似合ってるよ」
「ふふっ、これだけきれいだと誰でも似合うんじゃないですか。でも、ほんといいところですね。こんな透き通った海はじめて。ずーっと珊瑚礁が続いてる。青い水平線の海なんてテレビの中だけかと思ってました」
「ここは楽園だよ。地上に残された最後の楽園ってね。現地の人には、サイパンこそがエデンだという人もいるぐらいだ」
「最後の楽園……なんだかすてきです」 
 詩織は遠い潮騒に耳を傾けるように静かにまぶたを閉じた。巻き上がる潮風に揺れた赤い髪に手をやる。
「ハワイほど人が多くないのがサイパンのいいところでもある。ハワイも悪くはないけど、あそこは何でもありすぎる。何でもあるってことは、リゾート地として一番大切な物が欠けてるってことでもある」
「静けさですか?」
「安らぎだよ」
 そう言って、青山は休む間もなくシャッターを切っていた。フィルムの切れたカメラを手際よく交換する。アシスタント達への指示も怠らない。このロケで膨大なカットを撮影しなければならないのだ。そのうち写真集に使用されるのは数えるほどしかない。ほとんどは日の目を見ることなく保存室のロッカー行きとなる。レンズの先が詩織の下半身を捕らえた。
(子供みたいな顔のくせにむしゃぶりつきたくなるような太ももじゃないか。制服姿がイメージにぴったりだ。ケチのつけようのないアイドル顔といい、まるでアイドルになるために生まれてきたような容姿だな。こいつはバカ売れするぞ。スーパーアイドル藤崎詩織か。日本中の男たちがぞっこんになるわけだ) 
 パーフェクトな容姿にあらためて感心して、頭で電卓を弾いている。黄色いスカーフリボンが印象的なセーラー服の上半身をフレームに収めた。バストショットに狙いを定めて、シャッターボタンを押す。潮風に髪の流れる、愛らしい正統派美少女顔を写した。ネガに投影された詩織は、まだ青山が何を考えているか知りもしない。
 片手でヘアバンドの横を押さえている姿をアップで撮影する。芯の強そうな瞳の輝きがいい。きっと学校中の男子が詩織に恋をしているだろうと想像する。でなければ、美少女ひしめく芸能界においてアイドルとして成功するわけがない。様々な角度から撮影するべく、しゃがんだり横に動いたり脚立にのぼったりしてカメラを向ける。どさくさにまぎれてローアングルから撮影した。パチリとシャッターを切る。とろけるような真っ白い太腿がスカートの奥へと伸びていた。
「ふうー。ほんと潮風が気持ちいい」 
 詩織は片手で流れる髪を押さえ、海のほうを遠くに眺めている。青山はさらにスカートの中を撮影する。海風にスカートがふわりと舞い上がり、純白の下着がチラリと見えた。小さな赤いリボンの飾りがついた純白のショーツを履いていた。
(いただきっ! こいつを逃してたまるものか)
 前触れもなく訪れたシャッターチャンスに青山の美少女カメラマン魂が燃え上がる。猛然とシャッターを切った。
(履き替えたか。機内であれだけ弄ってやったからな。子供みたいな顔のくせに腰つきなんか色気がムンムンだな。これじゃ同じ教室で勉強させられる男子はたまったもんじゃないだろ。ペンを握る手で他のを握ってるんじゃないのか)
 ファインダーを覗きつつ、青山はハーフズボンの股間をもっこり膨らませる。清純な制服姿によるパンチラカットによって牡の欲情が呼び起こされたのだ。
 機内で眠ったふりをした詩織の体に悪戯したのを思い出していた。脚質乗務員がいるためそれほど大胆にはできなかったが、それでもノースリーブのシャツに手を入れてノーブラの胸を直接揉んだり、パンツの中でアソコを弄ったりした。着陸前にはシャツのボタンをいくつか外して、飛び出した胸の乳首をしゃぶって、陰裂を指で上下になぞっていた。ゆったりとしたファーストクラスの座席に身をうずめた詩織は盛んに首を右に倒したり左に倒したりして悶えていた。着用したデニムのショートパンツの内側には、あらかじめ超小型のマイクロピンクローターが前と後ろにそれぞれ仕込まれていたのだ。ホテルに到着するまでそれを履いていたわけだから相当まいっていておかしくないのだが、撮影現場にあらわれた詩織はそんな様子など微塵にも感じさせなかった。恐るべし藤崎詩織の精神力である。
(まだ時間はあるさ。反抗できないのも確認できたしな。もう処女はいただいたも同然だな。撮影が終わったあとを楽しみにしてろ)
 制服に包まれた手付かずの裸を想像し、青山のどす黒い欲望がとぐろを巻いている。もちろん売れる写真を撮影するのも目的だが、青山は詩織の処女も狙っていた。これまでにも数多くのアイドルたちが青山の毒牙にかかって餌食となってきた。青山に撮影されたアイドルのほとんどと言っても過言ではない。気に入ったアイドルを海外ロケに連れ出し、そこでカメラマンという立場を利用して体を美味しくいただく。海外であれば邪魔をする者はいないし、どこかに逃げるわけにもいかない。
 詩織の所属事務所もそのことはもちろん把握していた。青山のアイドル食いは業界における暗黙の了解でもあったから知らないわけがない。そのうえで今回の企画にゴーサインを出したのだ。
 青山の撮影した写真集は必ず売れる。それは青山自体にマニアックなファンがいるからでもあった。ファンは知っているのだ、青山が撮影にかこつけてアイドルをいただいていることを。それは発行された写真集を見ればわかる。次第に変貌していく少女の表情、少なくなっていく着衣の面積、それに比例して大胆になるポーズの数々。過去には緒方理奈・森川由綺の二大アイドルですら、二人揃ってのマンピラ・ピースサインの写真集を発売した。二人とも青山に処女を食われたというもっぱらの噂だった。
(ほんと久々の大物だな。いかにも男を知りませんっていうアイドル顔がそそらされる)
 青山は緊張はほぐれてきた詩織にピントを合わせた。リップグロスの唇がしっとりと輝いている。頬をわずかに上気させ瞳を薄っすら潤ませていた。いずれも撮影されるモデル特有の症状だ。青山に一つ言えることがあるとするならば、容姿に自信のある少女で写真を撮られるのが嫌いな少女はいないということだった。少女たちはいつも、自分を可愛く撮ってくれる相手を求めている。それがアイドルになりたがる女の子が尽きない根本的原理でもある。ようはポジティブな意味合いで注目されたいと願っている。
「ねえ、詩織ちゃんのデビュー曲、いい歌だよね。良かったらここで口ずさんでくれないかな」
「えー、ここでですか」
 青山の唐突な提案に詩織はくすくす笑ってごまかしている。
「そうそう。『Mr.sky』だったかな」
「教えてMr.skyです、もう」
「そうだったそうだった。ほら、あっちでイメージビデオも撮影してるだろ。軽くでいいからさ」
 青山が顔を動かしたほうに大きな業務用デジタルビデオカメラがある。『教えてMr.sky』は詩織のデビューシングルだ。軽快なメロディーと澄んだ歌声のハーモニー、それに合わせて白いワンピースを着た詩織が爽やかに踊るプロモーションビデオによって清純派アイドルとしての地位を確固たるものにした。
 詩織は髪先を指でいじりながら『教えてMr.sky』のメロディーをアカペラで口ずさみだす。体を揺らしてリズムを取って、足もとでおとなしめのステップを踏む。歌の振り付けだ。腕を軽く動かして、サビ部分で太陽の光を全身で浴びるように両手を広げてクルリと回った。さらさらの赤い髪と制服のスカートが舞い上がって、清らかだが肉付きの良い太ももがチラリと見える。
「さすが本物だ」
「もう、当たり前です」
「はははっ。制服姿だと新鮮な感じがするね」
「私も制服で歌うのははじめてだし、緊張しました」
「そうは見えなかったけどな。コンサートとかはまだなの?」
「学校が忙しくて」
「学校と芸能界の両立はたいへんだね」
「自分で選んだことだし」
 詩織はまぶしそうに片手をかざした。ジリジリとした日差しが直角に降っている。湯気が立ち昇りそうな直射日光だ。
「日差しが強くなったきたな」
 青山は首に掛けていたタオルで額の汗を拭った。サングラスはしていないが、それでも麦わら帽子をかぶっている。
「すごい日差しですね。まるで砂漠みたいかも。風はこんなに涼しいのに」
 詩織は手すりに背中を預けて海のほうを見た。どことなく寂しげな横顔をしている。それをパシャリと撮影した。
「両腕を手すりに置いて、それでそのまま遠くを見て。はい~、撮るよ~」
 また強風が吹いた。今度は引き締まった腹部のところまでスカートが巻き上がる。縦長のおヘソが見えていた。
「きゃあ! やだ、もう!」
 詩織が慌てて両手でスカートを押さえる。困った顔をしていた。
「ダメダメ。せっかくのシャッターチャンスなのにスカートを押さえたりしたら」
「でも、スカートが……」
「あくまでも自然に。自然な感じの詩織ちゃんを撮影しないと」
「そうしたら下着が」と、戸惑う、詩織。カメラを両手で持った青山は「どうせ明日は水着撮影なんだしさ。下着も水着も同じような物だろ」と説得した。
 詩織はしぶしぶ両手を放した。曲げた肘を乗せて手すりに置く。突風によってスカートの前がめくれ、詩織の下半身が見るも可憐につまびらかになった。純白のショーツの局部がふっくらと隆起して、中央に薄っすらとスジがある。健康的に引き締まった真っ白い下腹部が色っぽい。
「おおー」というスタッフたちの歓声。青山がパシャパシャとシャッターを切る。詩織は顔を斜め下にして、口を噤んで黙っていた。
(どうだ、このパンチラの神々しさは。白いソックスもよく似合うが、まるでパンチラの女神だな)
 レンズを向ける青山の股間はすでにギンギンだ。
「よーし、今度は自分でスカートをたくしあげてみようか」
「できません」
「どうして?」
 わざとらしく尋ねて青山はカメラを交換している。横のアシスタントが次のカメラにフィルムをセットして準備しているのだ。こうすることで撮影時間のロスを防いでいる。
「スカートを自分でたくしあげるなんて」
「どうせ風で見えたんだしさ。詩織ちゃんなら出来るよ。アイドルだろ? アイドルの仕事はカメラマンの要求に応えること、違うかな?」
 無言。理屈ではわかっているだけに詩織には反論のしようもない。青山の指示には絶対に逆らうなという事務所の命令が詩織の肩に重くのしかかった。
「ちゃちゃっとやってくれるかな。ガバーっとじゃなくて、ゆっくりとね。じりじり男を焦らすようにたくし上げてみようか。顔はそうだな、恥ずかしそうに横を向けた感じで。そう、それでいいよ。なんだ、やっぱりできるじゃない。すごくグーだ。すごくそそられるよー」
 詩織は言われた通り、両手で掴んだスカートをゆっくりとたくしあげた。白く輝く、思いのほか肉づきの良い下半身をあらわにした。胸のスカーフリボンが風で揺れている。悔しそうに唇を噛んで足もとを見つめている。
(ああん、どうしてこんな写真を。恥ずかしい。これじゃまるで晒し者じゃない)
 カシャ、カシャ、という音が聞こえるたびに詩織の肩は小さく震えている。まさかサイパンに到着してすぐに制服のスカートをめくってパンチラ写真を撮影されるとは考えてもいなかった。しかも今履いている下着は、詩織が普段着用しているお気に入りの純白下着なのだ。スカートの生地を握りしめている両手が緊張でじっとりと汗ばむ。
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