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ベネディクション
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2014 / 06 / 28
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「ふっふ~ん。正義は勝つー!」
「オイ、ちんちくりん」
「はあ? 誰よ、あんた。がんばっちゃうよ~!」
「調子に乗るのもそこまでだぜぇ」

 ――いやぁっ……!

「うそ、いつの間にこんなにたくさん。囲まれちゃったよ」
「シンシア、危ない」
「お姉ちゃん!」
「私が護ってみせます。行きますよ」

 ――グアアア!!

「ヒャッハー! マント女、背中がガラ空きだっ」
「なにっ……!?」

 ――うああっ!

「くっ! こんな…ところで…」


 ルキナが盗賊の手に落ちたという情報を聞いたのは、敵の残党を追い払って戻った後だった。
 僕は考えるより先に天幕を飛びだそうとした。
「落ち着け、ルフレ。軍師のお前が取り乱してどうする」
「クロム……。どうしてだ。ルキナが盗賊なんかに負けるわけないのに」
「敵の頭目に気を取られていた俺の責任だ」
「ちがうの。父さんは悪くないわ」
「シンシア」
「私が敵に囲まれたのを、ルキナが助けてくれたの」
 今にも泣きそうなシンシアの説明で納得した。仲間のため、ましてや妹のためであればルキナは身を挺してでも守ろうとする。
 ただ盗賊達が伏兵まで敷いて待ち伏せしていた事が腑に落ちなかった。用意周到すぎる、と言うよりはこちらの進軍ポイントを知っていたみたいだ。それにはじめからルキナを狙っていた節がある。
(まさか情報が漏れてる……??)
 ふいに悪い予感がよぎった。
「ヴィオールは姿が見えなかったみたいだけど?」
「ちょっと野暮用があってね」
 ヴィオールは僕の反対の席に座り、紅茶のティーカップを片手に優雅に味わっていた。
「どんな?」
「この辺は旧知の領主がいてね。つまり偵察ってところだよ、貴族的にね」
 怪しいと僕は思った。
 しかし、それを口にすることはできない。

「とにかく急いで救出部隊を編制するぞ」
「どこに連れ去られたかわかってるの、クロム?」
「ああ、盗賊のアジトついてヴィオールが調べてくれた」
「ヴィオールが?」
 僕は急に口の中が苦くなった気がした。
「今は使われなくなった砦に盗賊達が出入りしているのを見た者がいるそうだよ。場所は山を越えた先かな」
「やけに情報が早いね」
「徳のある貴族は、市井の者にも顔が利くものさ」
「そういえば今日の盗賊はやけに統率が取れてたけど、もしかしてあいつらもヴィオールの知り合いじゃないの?」
「それはどういう意味かな」
「そのままの意味だよ」
 あいつはやれやれといった様子で鼻で笑った。
 まるで僕を子供扱いしている。

「それぐらいにしておけ、ルフレ」と、クロムが割って入った。
「こうしている間にもルキナは危ない目にあってるかもしれないんだぞ」
「ごめん。クロムの言う通りだ」
「編制は俺がする。いいな」
「ああ」
「よし。ジェロームとティアモは至急騎獣を用意してくれ。敵に悟られないよう少人数で潜入するぞ。ヴィオール、道案内を頼む」
「ふっ、任せてくれたまえ」



 僕らはクロムの指揮で、ペガサスとワイバーンに乗って敵のアジトへ向かった。
 到着した頃には日もどっぷりと沈み、辺りは真っ暗になっていた。
 クロムとガイアは上空から、僕とヴィオールが砦の裏手に回り、他のメンバーは敵の増援を防ぐ段取りになった。

(思ったより広いな……それに見張りの数も多い)
 敵に見つからないよう、ルキナが捕らわれている場所を探して地下への階段を降りる。
 奥の方から低い男の声が聞こえた。
 松明が灯された牢屋みたいな場所に、見るからに野蛮そうな盗賊二人に見張られているルキナを見つけた。
 一人は上半身裸でもみ上げと顎髭がつながった男で、もう一人は頭がだらしくなくハゲ上がった男、ルキナは鎖で繋がれて石の壁に磔にされていた。二人はギリギリまで顔を近づけ、飢えた野犬のようにクンクンと匂いを嗅いでいる。

「ルキナ……!!」
 僕は、階段脇の壁に身を隠し、すぐさま魔道書を取り出した。
 それをヴィオールが片手で邪魔をした。
「手をどけろ」
「シッ――。あれが目に入らないのかい」
 冷静にヴィオールが指さした床には、見覚えのある魔方陣が印されていた。
「魔殺しの魔方陣っ!」
「うかつに魔法を使えば、私まで巻き添えだ」
「どうしてこんな所に魔方陣が。僕が来るのを知っていたのか」
「焦りは禁物だよ、とくに女性を救出する場合にはね」
「けどっ」
「若いな。待つのも作戦の内さ。そのうち上で動きがあるだろう。他にいい手があれば別だがね」
「っっ……!!」
 魔殺しの前では、魔法使いは無力どころか自ら進んで火中に身を投げるのに等しい。僕としてもルキナを今より危険な目に遭わせるわけにはいかなかった。
(それにしても盗賊がなぜあんなものを……!?)

 僕の焦りを知ってか知らずか、盗賊達は手足を繋がれて抵抗できないルキナの体をいやらしい手つきで触りはじめた。
 まず頭のハゲた盗賊がタイトスカートから伸びたルキナの太ももを擦り、顎髭が群青色の軍服に横から手を這わせていた。いたぶるように触る。
 こうなると屍兵よりもタチが悪い。
「なるほど、イーリスの王女様は育ちが違うな。どこも絹みたいな肌をしてるぜぇ。ピチピチだァ」
「っ触るな」
「捕まっても威勢がいいな、グヘヘ。それでこそマント女だ」
「こんなことをして戦士として恥ずかしくないのですか」
「悪かったな、俺らはやりたいことをやる盗賊なんだよォ。お前こそ、女のくせによくも仲間をズバズバ斬ってくれたな」
「それはあなた方が罪もない村々を襲うからです」
「ハアーン? 盗賊が村を襲わないでどうする。どちらにしろ仲間を殺された恨みは返してもらうけどな
「くっ……私はけして屈しません」
「へへっ、せいぜい強がれよ。生きて捕まったことを後悔させてやるぜぇ」

 顎髭の男が懐からナイフを取り出して、ルキナの頬に当てる。
 さしものルキナも瞬間的に顔から血の気が引いていた。
「いいねえ、その怯えた表情。あの妙な剣さえなければ非力な小娘ってかァ」
 男はルキナの着ている軍服を切り裂いた。タイトスカートをはぎ取り、白いシャツとショーツだけの姿にする。
 ルキナは怯まず、かえって王族の風格を増したように毅然と男らを睨んでいた。
「ヒュー。あんたたいしたタマだぜ。美人のくせに気が強い。これでもっと女っぽさがあれば最高なのにな」
「このままで済むと思っているのですか」
「カハハ、まだ寝ぼけたことを言ってるのか」
「脅しではありません。きっと私の仲間が助けに来ます」
「じゃあ、その前にいただく物をいただくとするか」
「えっ……」
「頭には大事な人質だから傷物にするなって言われてたが関係ねえや。王女様に本当の盗賊の恐ろしさを教えてやるよ」
 男は軽々とルキナのシャツとショーツを引きちぎった。
「!!」
 ついに高貴でありながら、ほとんど凹凸のないルキナの裸が盗賊らの目に晒される。
 反射的に体を隠そうとしたのか、ジャラリと鎖の音がした。
「おいおい、たいした口を叩いてたくせに体はまだションベン臭えガキだな」
「なっ!」
「城で男に胸を触らせてこなかったのか? ギャーギャー叫ばなかったのは褒めてやるよ」
 ルキナは恥辱に耐えるように唇をきつく噛み込む。
 くすんだアメジスト色をした長い髪がかかり、薄い胸の輪郭と乳首を辛うじて隠していた。

「泣くのはまだ早ええぜ、ルキナ様よー」
「気安く呼ぶな。このぐらい負けません」
「そんなこと言わずにヨロシクしようぜぇ、へへへ」
「誰が」
「へえ、ここの割れ目が増えてもか」
 ナイフの刃先を、限りなくシンプルな割れ目に当てる。
「高貴なご身分は、ビラビラもはみ出てねえな」
「汚らわしい」
「ヒヒ、女はみんなそう言うんだよな」
「くっ、ファルシオンさえあれば……」
「戦場みたいに切り捨てるってか? 知ってるぜ、王女様はまだ女にされてないんだろォ」
「……!?」
 ルキナがハッと見上げる。
 それとほぼ同時に、すぐ横でヴィオールがかすかに舌打ちしたのが聞こえた。

「せっかくのお楽しみだ、こいつはなしにしてやるよ」
「っ、私に近寄るな」
「すっぽんぽんじゃ迫力もねえぜ、グヘヘ」
 拒絶する声を無視して、二人の盗賊がルキナの裸に群がった。
 顎髭の男が横からルキナの脇に顔を埋めて舐めしゃぶり、ほとんど膨らんでいない胸部の乳首を指で摘んで乱暴に引っ張る。
 さらにハゲた男は、ルキナの股間に啜りかぶりついた。ベロを激しく動かして、無防備なスリットを何往復もする。奥から愛液を掻き出す動きに穿る。
「や、やめろぉ……!!」
 くすんだアメジスト色の髪を振り乱し、ルキナが繋がれた裸身を辛うじて捩ろうとする。その度に手足に繋がった鎖が薄暗い地下牢にジャラジャラと音を響かせた。
「やめてくださいだろォ」
「やめて、ください……」
「へっへ、おとなしくすれば優しくしてやるぜぇ、王女様」
「うう……助けて、お父様」
「どうした、さっきまでの勢いは。戦場ではもっと生意気だったろ」
「もう許して、ください」
「俺らをとことん楽しませてくれたらな」
「っっ……!!」
 二人がかりにルキナの体という体を舐めたり揉んだり擦ったりして刺激し続ける。床にしゃがんで顔を低くし、極上の酒を飲み干すようにお尻の穴まで舌を伸ばしていた。
 次第にルキナの表情が火照ってくる。
 細身の体が赤く染まり、汗ばんで見えた。脇は顎髭の唾液でベロンベロンだった。ピンク色の乳首がピンと屹立しとても目立つ。
 磔のルキナが微妙に腰を跳ねさせる。
「あ、あん……くっ」という、ルキナらしくない声だった。
 いつもは鋭いぐらいに思える瞳の輝きが弱くなった気がした。
 ルキナがはじめて見せた弱気な顔だ。
「どうだ、王女様。二人がかりでこってりされた経験ないだろ」
「あ、ありません」
「体が熱くなってきたんじゃないのか」
「い、いや……これは違う」
「その割にはアソコが娼館の女みたいに濡れてるぜ」
「う、うそですっ、はあっ」
 肩にかかった髪を打ち振り、色っぽい声を発して顔をしかめる、ルキナ。ヴィオールに手籠めにされていたスミアと重なる。
「おらあ、女の顔をしやがった。ココの味は知ってるみたいだな」
「はあ、はあ……これ以上はだめです」
 手足の鎖を引きちぎろうとするように力ませる。必死に腰を横に逃がして抵抗している。
 だが、抵抗すればするほどにルキナの全身が汗だくになるだけだった。
 太い指を抜き差しして、狭い入り口をなじませる。
 ビクビクと痙攣して、運命を呪うように天井を仰いだ。

「女の分際で勇者気取りに戦場にしゃしゃり出たツケだぜぇ」
 すっかりおとなしくなったルキナを見て、盗賊が鎖を外した。
 そのまま石の床に押し倒し、顎髭が両足を割って入る。もう一人が協力してルキナの両手首を押さえた。
「どっちが強いか徹底的に教えてやるぜ、グヘヘ」
「待って、いやあっ……!! 来ないでっ!!」
「いいぜえ、派手に暴れてみろよ、ヒーッヒヒヒ!」
「うっ!!」
「細せぇな、折れちまいそうだぜ」
「……くッ……くるしいぃ」
 両手を封じられ、長い足を振り回して暴れていたルキナの首根っこを、片手で軽々と締め上げる。
 盗賊の目は野獣染みて見えた。涎を垂らして、荒い鼻息をまき散らしている。
「どうした、もう終わりか?」
「……ル、ルフレさん」
「いま女にしてやるぜぇ」
「っっ……いたいっ……裂けるっ……!!」
 ルキナが苦痛に顔を歪める。首を押さえられて、ほとんど息も出来ないみたいだった。
 戦場ではクロムに次ぐ凄腕でも腕力で男に勝てるわけがない。ジリジリとルキナのスリットをこじ開けている。
「ヒヒッ、オラア、顔が青くなってきたぜ。いいざまだァ」
「ぐぐぅ……こんなはずでは……」
「二度と剣が振れなくなるまで、ガバガバに犯しやらぁ」
 男がさらに腰を沈める。
 組伏されたルキナがきつく歯を食いしばるのが見えた。

(もう待てない。一か八か魔法を……!!)
 そう思って魔道書を開こうとした一瞬、スッとヴィオールが立ち上がり、無言で弓を射った。
 矢は空気を切り裂いて顎髭のこめかみに命中した。
「ナヌっ――」
 言い終わる前にハゲ頭の眉間に矢が垂直に刺さる。二人とも膝から前のめりに崩れて、ピクリとも動かなくなった。
 あまりの早業に僕はポカーンとしてしまった。
「フッ、遅れてすまない」
 ヴィオールは弓を下げて、ルキナの前に颯爽と登場した。
 出遅れた僕が「ルキナ、大丈夫だった?」と駆け寄ろうとするのを押しのけ、ヴィオールは着ている服を脱いで身を起こしたルキナの肩にかけた。
「失礼。これで体を隠したまえ」
「ありがとう、ございます」
「これぐらい当然さ、ルキナくんのためならこのヴィオール、たとえ火の中水の中……」
「私も……信じていました。ヴィオールさんが必ず助けに来てくれると」
「愛する者を守るために戦う。これぞ高貴なる貴族たる者のつとめさ」
「ヴィオールさん……」
 二人ともまるで僕がいないかのような受け答えだ。
 ルキナにいたっては情熱的な瞳でヴィオールをまっすぐに見上げていた。

 急に外が騒がしくなった。
「さて、上もはじまったようだな。急ぐとしよう」
「お父様も一緒なのですね」
「ああ、一人で歩けるかい」
「はい、これぐらい……っっ」
「おっと、無理は良くないよ。肩を貸そう」
「すみません」
「というわけで、ルキナくんは私に任せてくれたまえ。君はあちらの援護に向かったほうがいいんじゃないかな」
 そう言ってヴィオールはルキナを連れて地下牢を後にした。
 僕は一人で取り残され、それはないよ、と思った
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